日々お茶暮らし

お茶で有名な川根地域でお茶づくりをしている茶農家のブログです

静岡県の茶草場農法

世界自然遺産世界文化遺産などは

誰もが知るものだと思います。

しかし「世界農業遺産」はどうでしょうか?

 

今回は「世界農業遺産」と

静岡県内で登録されている

静岡県茶草場農法』について

投稿したいと思います。

 

世界農業遺産とは

まず、世界農業遺産ですが

正式な名称は「世界重要農業遺産システム」

という名前になっています。

ですが、ちょっと言いにくいですし

「世界農業遺産」という表記で書かれている

パンフレットなども見るので

「世界農業遺産」の方で話を進めていきます!

 

世界自然遺産文化遺産ユネスコが認定しますが

「世界農業遺産」の場合は

FAO(国際連合食糧農業機関)が認定をします。

 

社会や環境に適応し、何世紀も受け継がれ

形作られてきた土地の利用の仕方、伝統的な農業。

そして、それに関わりながら育まれた文化、景観、

生物の多様性を次世代に伝えるために

「世界農業遺産」は誕生しました。

 

日本では新潟県佐渡

「トキと共生する佐渡里山」と

北陸、能登の「能登里山里海」が

平成23年に日本で初めて

世界農業遺産に登録されました。

 

2018年時点では日本国内で

11の地域で遺産登録されています。

 

そして「静岡県茶草場農法」ですが

こちらは平成25年に登録されたものです!

登録地域は静岡県掛川地域4市1町が対象で

掛川、菊川、牧之原、島田の4市と川根本町

構成されています。

 

ちなみにこの4市1町の中で

一番、中心的な地域は掛川市です!!

特に掛川市の東山地域が聖地といえるでしょう。

 

静岡県茶草場農法、とは…

簡単に説明すると

お茶の樹と樹の間、つまり畝間に

ススキやササなどの草を敷き

お茶を栽培する方法、農法のことです。

 

茶畑のすぐ横や傾斜のキツイ所では

茶の樹を育てることなく

ススキやササが生える草地にします。

そのススキやササを秋以降に刈り集め

畝間に敷いていくのです。

この草地の事を『茶草場』というので

静岡県茶草場農法」として登録されました。

 

草を畝間に敷くと、

まずフカフカの良い土になります。

「良いお茶は良い土から」という言葉もあり

高品質なお茶が収穫できる農法です。

 

さらに、この農法はお茶の栽培だけでなく

動植物にとっても良いことが…!

「茶草場」を管理することにより

虫や動物、植物が生育できる環境が保たれ

生物の多様性に富んだ土地となるのです。

 

世界農業遺産に登録された際も

この「生物の多様性」というポイントが

とても重要になったそうです。

 

そしてその『茶草場』が多く存在するのが

掛川市の東山地域。

東山地域では至る所で

『茶草場』を見ることができます。

 

4市1町で構成されている「茶草場農法」ですが

この地域内の茶畑であれば

どこにでも「茶草場」がある

茶草場農法」を行っている

という訳でもありません。

 

そこで「茶草場農法」によって

栽培、製造されたお茶が区別できるように

茶草場農法実践者認定制度”というものもあります。

 

この制度は自分の経営を行っている「茶畑の広さ」と

「茶草場」の広さに応じて認定と区分を行っています。

 

「茶草場の面積」÷「茶園面積」で求めた割合で

三段階の区分が決定されます。

具体的には

5~25%未満、25~50%未満、50%以上の

三段階に分かれます。

(認定、表示方法についてはこちらから↓)

http://www.chagusaba.jp/wp/archives/category/nintei

 

茶草場農法」は

効率的に大量に低コストで

生産を行う方法ではありません。

草を刈り、敷くには手間がかかります。

 

農業の分野では大規模経営や

効率的な生産への変革が盛んに叫ばれていますが

私自身はそれが効率や規模拡大が全てだとは思いません。

 

茶草場農法」のように

昔から続くものをしっかりと守っていく

そのような栽培、製造方法、経営方針が

あってもいいんじゃないかと、思います。