「緑肥(りょくひ)」という言葉は聞いたことありますか?
緑の肥え。”肥え”というのは、一言で説明すると”肥料”の事なのですが、まさに文字通り!「緑肥」とは、緑色の肥えの事です!
植物を土に…
では何が緑色なのかというと、この「緑肥」の”緑”は植物の”緑”なのです。
”作物を育てる”と言うと、種を蒔き、苗を植え、人が食べるものを収穫する、そのような流れが一般的ですが、緑肥作物(緑肥にする作物のこと)は違います。
何が違うのか、というと…緑肥は野菜のように収穫は行いません。種を蒔き、育て、ある程度の大きさに生長したら、土に混ぜ込んで肥料にしてしまいます!
育てた植物を土に混ぜ、肥料にしてしまうから「緑肥」と言うのです。
また、肥料にするほかに、土をむき出しの状態にしない!という目的もあります。土がむき出しの状態であれば、強い雨が降れば土が流れてしまうこともありますし、強い風が吹けば土ぼこりが舞います。
このような事を防止する目的もあります。
さらに、緑肥作物の種類によっては”害虫を防ぐ”ものもありますし、強い風から作物を守る”防風対策”で栽培するものもあります。
緑肥は、種類によって様々な恩恵が得られる、面白い作物なのです。
ライムギ栽培
緑肥作物として有名なものは、クローバーやレンゲ、ヒマワリやエンバクなどがあります。よく冬から春にかけて、田んぼにレンゲが生えている場所もありますが、このレンゲは花を楽しむだけでなく、緑肥としての役割もあるのです!
緑肥はプロの農家だけでなく、家庭菜園の場合でも行うことはできます。大きなホームセンターに行けば、緑肥として何種類かの種も販売されています。
家庭菜園の畑では、育てる野菜の種類が少なくなる晩秋から春先にかけては、土が裸になることも多いので、今年も緑肥栽培にチャレンジしてみることにしました!
今回、栽培を行ってみるのは「ライムギ」
ライ麦パンとして食べることもあるムギの一種です。
ライムギの種は細長く、まるでタイ米のような形をしています。
11月の下旬に種まきを行い、現在では小さな芽がたくさん出てきました。
ちなみに種まきの際に、肥料を土に混ぜたりはしていません。ただ軽く耕し、種を蒔き、土を被せただけの、とても省力的な種まきです。
根元付近は、ほのかに赤紫色になっている、ウサギの耳のような形をしているライムギの芽です。
ちなみに本来であれば10月中など、もっと早い時期に種を蒔くのが正しいのですが、育てよう!と取り組むのが遅く、種まきの時期も遅くなってしまいました(^^;)
土づくりには長い時間がかかります。野菜たちが育ちやすい土を作れるように、今回のライムギ栽培も含めて、ちょっとずつ、ゆっくりと良い土をつくっていきたいと思います。