普段よく飲むのは「煎茶」?
価格の安い「番茶」、あるいは香ばしさのある「ほうじ茶」?
最近では、抹茶味のアイスやお菓子なども人気を集めています。
一言で「緑茶」と言っても、実に様々な種類があります。栽培方法・製造方法も違うため、一軒の農家で全ての種類の「緑茶」を生産する、というのはほぼ不可能です。
日本には何種類もの「緑茶」があるのですが、今回はその代表格である『煎茶』の種類について投稿したいと思います。
昔ながらの本物の煎茶「浅蒸し・普通蒸し煎茶」
私たちにとって、最も身近なお茶は「煎茶」であると思います。しかし「煎茶」は、さらに2つのグループに分けることが出来ます!
収穫したお茶の葉を、まず”蒸して”加工していくのですがお茶の葉を蒸す時間により、「浅蒸し・普通蒸し煎茶」と「深蒸し煎茶」の2種類に分けることが出来るのです。
まず「浅蒸し・普通蒸し煎茶」ですが、”浅蒸し・普通蒸し”というのは『生葉を蒸す時間』のことを表しています。
蒸す時間が昔から受け継がれてきたもので、これが標準的な時間になっているため、『普通蒸し』という名前が付いているのです。
ちなみに『浅蒸し』というのは、近年生まれ現在主流になっている『深蒸し煎茶』に対して、お茶の特徴を分かりやすくするために、言われるようになりました。『普通蒸し』では、どのようなお茶なのか、イマイチパッとしないので、『浅蒸し』の方が分かりやすいと思います(^_^;)
『浅蒸し・普通蒸し煎茶』は、香りが良い物が多く、うま味や甘味、渋味、苦味のバランスが良いお茶です。淹れ方次第で、うま味を強く感じるお茶になることもあり、逆に苦味を出してパンチのあるお茶にすることもできる、美味しいだけでなく、淹れ方でいくつもの表情を見せる面白いお茶になっています。
淹れた時のお湯の色は、澄んだ黄緑色や金色に近い色になります。緑色の濃いお茶に慣れている方が見ると、「あれっ」と感じることもあるそうです。
また「煎が効いたお茶」であるため”一回だけ入れて終わり”ではなく「2煎目」「3煎目」…
物によっては「5煎目」くらいまで、味の変化を楽しみながら飲むことができます。
主に葉が柔らかく育つ山間地域での生産が多いですが、近年の生産量は徐々に減少しています…。
ちなみに、岡埜谷農園のある上河内地区では、この『浅蒸し・普通蒸し煎茶』の生産を行っています。
鮮やかな緑色の「深蒸し煎茶」
『浅蒸し・普通蒸し煎茶』の蒸し時間が30~40秒ほどなのに対して、『深蒸し煎茶』は60~90秒、中には2分近く蒸す物もある蒸し時間の長いお茶です。
静岡県の煎茶生産量の約8割以上が『深蒸し煎茶』で、掛川や牧之原で盛んにつくられているお茶です。
蒸し時間を長くすると、苦味や渋味を抑えることができ、うま味や甘味を感じやすくさせることができます!また、淹れ方も『浅蒸し・普通蒸し』と比較すれば簡単で、誰でも美味しく淹れやすい!という特徴もあります。
ただし、蒸し時間が長いことで、香りの成分が減少するため、香りは楽しめません。香りよりも、色や味を楽しむお茶、といった所でしょうか…。
『深蒸し茶』は淹れた時のお湯の色が、濃い緑色になります。『浅蒸し・普通蒸し』と比較すると一目瞭然で、2種類の煎茶を最も簡単に見分けられるポイントです。
現在は『深蒸し煎茶』の生産が主流になっているため、煎茶=深蒸し茶、色が濃く出るお茶というイメージが出来上がっています。