日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

春の肥料 1年先を見据えた肥料まき

こんばんは。

今日は朝起きると、外は”むわっ”とした生暖かい空気、そして風が吹いている状態でした。朝の気温は10度ほどで、季節外れの暖かさとなりました(^^;)

 

ただ、暖かく感じたのは朝だけ!お昼ごろからは冷たい風が吹くようになり、夕方は普段通りの肌寒さとなりました。静岡市では気温が20度となったそうですが、場所にもよって違うのでしょうね…。

 

ちょっと薄着で出掛けたため、余計に寒かったです(-_-;)

油断してはいけませんね…。

 

今日は二十四節気の1つ「立春」いよいよ暦の上では春です(^^)/

 

そしてお茶を作っていると「立春」は少し特別な日でもあります。

 

「八十八夜」という言葉は聞いたことがあるでしょうか?

一番茶(新茶)の収穫時期は、昔は大体…立春から数えて八十八夜目。つまり、今日(立春)から88日後になります。それが「八十八夜」なのです。

 

この時期に摘んだお茶は縁起物として取り扱われることもあります。また、静岡県では「八十八夜商戦」と言って、新茶の販売のピークでもあります。

 

ただ、現在では「八十八夜」も温暖化などの影響を受け、言葉だけが独り歩きしてしまっている…そんな状態になりつつあります。「八十八夜」と温暖化については、今後投稿していくつもりですが、今回は昨日行った春の肥料ふり「春肥」について投稿したいと思います。

 

有機たっぷり

「春肥(はるひ・はるごえ)」はその言葉のとおり、春にお茶畑にまく肥料の事です。なので、秋にまく肥料の事は「秋肥」と言います。

 

春にまく肥料はお茶の生育にはとても重要で、1年間以上もの時間、効果が続いていくものになります。

 

一番茶(新茶)のためだけにまくのではなく、二番茶や夏のお茶の生育にも影響し、さらには来年の一番茶にも春肥は影響するものなので、とても大切です!

 

一番茶だけでなく、その先の季節そして来年のことも見据えたお仕事になります。

 

 

上河内地区では、春肥は2回に分けて行っているのですが、今回はその1回目になります。今回まいた肥料は有機率100%の有機質肥料。なぜ、有機質肥料なのかというと…。

 

長い期間、効果が必要となる肥料をまかなければならない

ゆっくり時間をかけて効果が出る有機質肥料が適している

 

品質の高いお茶を収穫、健康なお茶の樹が育つ環境を整える

土を豊かにする、微生物のエサとなる有機物を補給する

 

この2つのポイントが、春の肥料には求められています。そのため、有機質肥料を使用しているのです(^^)/

 

有機質肥料は体質改善、人で例えるならば早寝早起きをしたり三食しっかり食べるなど、健康な体を作るためにまき、化学肥料は運動後の水分補給のように、不足したものを補うためにまく。このように、肥料をまく時期とお茶の状態によって使う肥料や、有機質肥料と化学肥料の割合を変えています。

 

 

有機はちょっぴり臭い…⁉

有機質肥料というと、イメージ的にはとても良い肥料なのですが、そんな有機質肥料も使う際にはデメリットもあります。

 

それは『におい』

有機質肥料は、ちょっぴり臭いにおいがします。

 

肥料をまいた後の茶畑に近づくと、肥料の匂いが漂ってくるほどです…(^^;)

 

これからの季節、車で茶畑の近くを通る際、窓を開けていると、もしかしたらにおいがしてくるかも?

 

 

まいて、耕すのはワンセット

今回まいた肥料は有機質肥料で、このようにペレット状になっている物です。

 

ペレット状になっていると、粉が舞ったりしないので、作業がしやすいです!

 

ペレット状の有機質肥料は、製造される際にひと手間加えることで、このような形を作っています。扱いやすい形にしてくれて、本当に有り難いですm(_ _)m

 

今回の肥料は有機100%なので、野生動物が来て食べてしまうこともあります。特にイノシシなど…。

 

そのため、肥料を茶畑にまくだけでなく、まいた後はその日のうちに土と混ぜることが必要になります。

 

ついつい、肥料をまくことだけに意識が向いてしまうのですが、「うなう(土と混ぜる)」ことも重要です。肥料を「まく」こと、そして「うなう」こと。この2つは、2つそろってワンセットのお仕事になります!

 

 

春肥のお仕事は、まだまだ来週末も続きます。今の季節は、農作業を土曜日、日曜日に行っているので(兼業農家なので)今度の3連休も天気を見ながら、行っていきます。