お茶の色と言えば、多くの人は緑色と答えると思います。
飲むお茶はもちろん緑色をしたものが多いですし、お茶の樹も緑色、収穫する葉っぱや芽も緑色です。
一番茶(新茶)の季節になれば、茶畑一面が黄緑色の世界へと移り変わります。
では、茶色は何で『茶色』を示しているのでしょうか?
お茶は緑色なのに『茶色』という理由『茶色』の由来について投稿していこうと思います。
お茶は緑色じゃなかった!?
茶色の由来の1つとされているのが『番茶』というお茶の存在です。
今ではお茶といえば緑色。販売されているお茶は、そのほぼ全てが緑色をしています。しかし、昔は緑色のお茶は限られた人しか飲めないものでした!
お茶を飲む文化は中国から伝わり、室町時代あたりになると抹茶の文化が国内に広まります。昔は武士や大名など力を持った限られた人しか”抹茶”を飲むことができませんでした。
抹茶は緑色です。武士や大名など権力者が飲んでいたお茶は緑色をしていましたが、生産量は少ないため、庶民が抹茶を飲むことはできません。
しかし、だからと言って庶民がお茶を口にすることが出来なかったわけではありません!抹茶は飲むことが出来ませんが、『番茶』を飲むことはできたのです。
番茶というのは、お茶の葉っぱをそのままの形で乾燥させたような、簡素なお茶です。今では番茶として緑色の物も販売されていますが、当時の番茶は『茶色』をしていました。
写真は京都で購入した「京番茶」というお茶です。しっかり「茶色」をしていますね(^^)/
京番茶以外にも独特の番茶が作られている地域もあります。これらは大体茶色をしていますし、香ばしい味が特徴のほうじ茶も茶色です。
このような「茶色」のお茶が庶民の間では広く親しまれていたため、お茶の色ということで『茶色』という言葉になりました!
今では「お茶の色と言えば緑色」ですが、『昔は茶色』だったのです。そのため、茶色という文字に『茶』という字が使われているのです。
その他の説
今回紹介したのはあくまでも色々な説がある中の1つです。本当は違う由来があるのかもしれませんし、どれが正しいのかは分かりません…。
しかし、個人的には確信に近い説ではないかな…と思っています。
では『番茶の色』の他にどのような説があるのか、簡単ではありますが一部紹介したいと思います。
①樹の色
お茶の葉っぱは葉緑体が含まれているため、もちろん緑色です。しかし、お茶の樹全体が緑色をしている訳ではありません。
枝や幹の部分は緑色ではなく「茶色」です。
②実の色
お茶は芽や葉を収穫する作物ですが、花も咲きますし実も成ります。
お茶の実はどのような色をしているのか…というと
「茶色」をしています。
この2つの説のように、お茶の樹の一部が「茶色」をしていることが『茶色』の由来となった説もあるのです。
「茶」という字が使われている『茶色』
お茶は緑色をしている、という印象が強い現在であるからこそ、ふと疑問に思いました。