日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

タマネギ栽培 葉の先端が黄色く枯れる症状とは

注意

我が家の本業はお茶です。土や肥料、病気発生のメカニズムなどの知識は通じるものがありますが、本業でタマネギを育てている方と比べると技術も知識もまだまだでしょう。

あくまでも”家庭菜園”での出来事や得られた経験などを投稿させて頂きたいと思います。

 

 

タマネギを栽培していると、葉の先端が黄色く枯れてくる症状が必ずと言っていいほど発生します。

青々としている葉は元気そうなのですが、先端を見ると黄色く変色…。中には、葉の全体が黄色く枯れて地面へ垂れている物もあります。

 

このような症状は毎年のように発生しているのですが、その原因は何なのか…?

 

タマネギの葉の先端が黄色く枯れる原因について投稿していきたいと思います。

 

 

水不足、肥料不足

まず枯れてしまう1つの原因として挙げられるのが『水・肥料不足』です。

 

植物が育つためには水が欠かせません。

乾燥した土では当然枯れてしまうため、水不足や水不足によるストレスの可能性があります!

 

特に長い期間雨が降らず土が乾燥している時は十分に水を吸収することができません。

そのため数週間単位で雨が降らなかった場合は注意が必要です。

 

ただし、タマネギは乾燥に強い作物になるため毎日水やりを行う必要はありません。

 

雨が降らない状況が続いていたり、土がカラカラに乾燥しているようであれば、土がしっかりと湿るまで水やりを行ってみるのが良いかもしれません。

 

 

また、水と同様に肥料不足『肥料切れ』にも注意が必要です!

 

植物は葉を伸ばしたりするときには『窒素』という肥料成分をたくさん吸収します。

ほかにも『リン酸』や『カリ』などの肥料成分も重要になりますが、タマネギは葉を食べる野菜です。

 

そのためリン酸やカリウムよりかは『窒素』の成分が重要になります。

そのほかにもカルシウム(石灰)など微量要素の量も生育に大きな影響を与える事になりますね。

 

 

葉の先端が変色するだけでなく葉っぱの伸びなども悪ければ肥料不足。

 

対して葉の生育は良いが先端が黄色くなった場合は主にカルシウム不足の事が多いので、石灰資材を追肥として施すと葉の先端まで緑色を保ってくれます。

 

石灰資材

私が行っている家庭菜園の場合は、後者のカルシウム不足の事が多いので有機石灰を常に常備してあります(^^;)

 

資材は特にこだわる必要は無いと思います。

もし苦土石灰などの資材が余っている場合は、それを試しに撒いてみるのも良いかもしれません。

 

以前100円ショップで販売されている数百グラムの石灰資材を使用したこともありましたが、使い切りサイズで扱いやすかったですね。

 

肥料の注意点

冬の生長がゆっくりな時期は影響が出なくても、春になり生育が盛んな季節になると肥料不足の症状が出始める事があります。

 

追肥などを行っていない場合は、2月・3月中には一度肥料をあげる必要性があるでしょう!

 

追肥は、分解が早く進み効果も比較的早く出る”化成肥料”あるいは”ぼかし肥料”がおススメです(^^)/

 

 

ただし過剰な追肥は病気を引き起こす可能性があったり、害虫を呼び寄せる事もあるため適切な量を施すことが重要になります。

これは化成肥料であっても有機質肥料であっても同じです!

 

有機質肥料だから大丈夫だろう…」

そう思ってたくさん使用すると、逆に生育を阻害したり病害虫が多発する事もあるため注意してください。

 

また使用する資材としては、水に薄めて使用する『液肥』も良いですね!!

肥料不足と水不足を同時に解決でき、施す肥料成分の量も調節しやすいメリットがあります。

 

 

そして追肥は3月頃までで止めるようにします。

収穫する時期が近くなっても肥料が効いていると保存性が悪くなることがあるため、ほどほどにすることが重要ですね。

 

 

べと病・白色疫病…病気の可能性

もう1つ、大きな原因として考えられるのは”病気”によるものです。

 

タマネギに感染する病気は「べと病」「疫病」「炭疽病」「黒斑病」などなど…15種類以上、感染する病気があります。

 

インフルエンザのように”ウイルス”による病気もありますし、大腸菌のように”細菌”による病気もあります。

 

しかし、植物の病気のほとんどは”カビ糸状菌”によって引き起こされるものになっています。

 

 

カビによって引き起こされる病気は、雨(水分・湿気)の影響を大きく受けます。

お風呂場など、ジメジメした場所にカビが生えてくると思いますがそれと同じです。

 

 

雨がたくさん降ったり湿度が高い日が続いたりすると病気になりやすくなります。

 

日本は温暖で多湿、降雨も多い…。

植物の病気が発生しやすい環境なのです。

 

では、タマネギの症状を見ていきます。

まず分かる情報として、春先に発生しているということ、葉の先端が黄色くなっていることが、わかります。

 

この条件で調べてみると『べと病』『白色疫病』などの可能性が考えれれます。

 

 

また、枯れた葉の部分をよく見ると黒い粒々が…

このような粒々は「カビの胞子」である可能性があります…。

 

そのため葉が黄色くなって枯れ、黒い粒々が出来た場合は病気の影響かもしれません!

 

 

ほかにもタマネギの体に何かしらの異常が発生している場合は、葉に症状が現れるため葉をよく観察することが大切です。

 

このように萎れてしまった株が見られたので引き抜いてみたところ。

 

根っこ付近にカビが生えている株。

虫に食べられてしまった株などが見られました。

 

 

病気を拡大させない方法

もし、葉が黄色くなって枯れた場合は速やかにその部分を取り除くことが重要です!

 

病気だった場合は枯れた部分にできた胞子が健康な葉に感染する伝染源となってしまいます。

取り除くことで伝染源を除去することができるため、まずは取り除くことが大切です。

 

しかし除去してしばらく時間が経過すると、新たに枯れている部分が出てくると思います。

 

一見健康そうに見えている青々とした葉でも、すでに感染している可能性もあるのです。

 

 

そのため病気の発生をなるべく防ぐためには、こまめな観察を行い異常をいち早く発見することが大切です。

病気だと判断出来たら発病した部分を取り除き、場合によっては農薬を使用することも考えます!

 

 

ホームセンターで販売されている資材でも効果がある物はたくさんあります。

私は念のために「ストロビーフロアブル」

または「アミスター」という資材を常備しています。

ストロビーやアミスターはストロビルリン系に分類される殺菌剤の一種です。

 

ストロビルリン系の資材はキノコ由来の成分なので、家庭菜園で野菜を育てている方も安心して使用できるかな…と思います。

 

 

ただ、タマネギに使用できる物なのか「べと病」や「白色疫病」に効果があるものなのか、ラベルを見て記載されている物を使用することが重要になります。

 

最近では、有機栽培でも使用できる農薬も数多く販売されるようになり農薬自体の安全性もとても高められています。

なので、自分で調べて安心して使用できる物を選択するのが良いかな、と思います。

 

 

日々の観察から

タマネギの葉の先端が枯れてしまう原因は、『水・肥料不足』など生育環境によるものと『病気』によるもの、大きく二つの原因が考えられます。

 

ただし、どちらにも共通することとして早期発見が何よりも大切です!!

 

日々観察を行い、変化があった場合は調べて対応する。

病気の場合は蔓延すると大きな影響が出てしまうためとにかくスピードが大切です。