3月下旬に行う予定の肥料まき…。
今までは春にまく肥料ということで『春肥(はるひ・はるごえ)』と言われる肥料を、2回施してきました(^^)/
そして今回は『芽出し肥(めだしごえ・めだしひ)』と言われる肥料をまいていきます!
どのような肥料なのか?その役割や『芽出し肥』の特徴について、投稿していきたいと思います。
化成肥料が主体
今回まいていく『芽出し肥』は、今までの肥料が有機質メインであったのに対して、化成肥料がメインとなります。
なぜ、化成肥料がメインとなるのか?
その理由は、ちょうど今からの時期に、お茶の芽が伸びていくことに関わっています!
お茶の樹は、昨年の秋までに作ったり吸収した栄養分を葉っぱや枝、根っこに蓄えています。その蓄えている栄養分を、春になると新芽に送り込み、芽を生長させていくのですが、栄養分をたくさん使うため樹には負担がかかります。
新芽に栄養分を送り込む…ということは、収穫後の樹は疲弊してしまっています(>_<)
そのような状態は、樹にとっては辛いです…。
人間でも同じですね。激しい運動をした後には、ストレッチをしたり水分補給などをしますし、出産時には”産後ケア”も大切になります。
また、樹の中に蓄えた栄養分だけでなく、土の中に含まれている栄養も吸収して、芽の生長に使用していきます。
そこで、お茶の樹が新芽を伸ばしやすくするために、土に栄養を補給する目的と収穫後のお茶の樹のケアのために、すぐに効果が表れる化成肥料を使用するのです!
お茶の樹の新芽を収穫するだけして、樹には負担をかけっぱなしにする…。搾取するような育て方では、お茶の樹は健康に育ってくれない…という考えのもと、樹に負担のかかる新芽が伸びたりする時期には、効果が早く表れる化成肥料を使用しているのです。
また、有機質肥料だけでは不足してしまう”微量要素”と言われる、栄養分を補給する目的もあります。
化成肥料・化学肥料の特徴(有機質肥料との比較)
化成肥料は、有機質肥料と比べて「効果が早く表れる」「重さ当たりの肥料分が多い」という特徴があります。
まず「効果が早く表れる」という特徴を説明します。
有機質肥料は微生物に肥料が分解されて、植物が吸収できる形に変化するのに対して、化成肥料は元から植物が吸収できる形になっているため、有機質肥料のように分解する時間は必要ありません。そのため、早く効果が出るのです!
ちなみに、有機質肥料でも化成肥料・化学肥料でも、植物が吸収する形は同じです。
「重さ当たりの肥料分が多い」という特徴は文字通り、まいた肥料の中にどれだけの肥料分が含まれているのか、ということになります。では、詳しく説明していきます。
例えば、肥料成分の1つ「窒素」を10kg欲しがる野菜があったとします。
有機質肥料の中には、窒素成分が10%含まれているとした場合、100kgもの有機質肥料をまく必要があります。
対して、化成肥料・化学肥料には窒素成分が20%含まれているとします。その場合、まく肥料は50kgになります。
有機質肥料と比べて化成肥料・化学肥料は『半分の量で足りる!』ということになるのです。
肥料の種類によっても違いますが、窒素成分に注目した場合、有機質肥料はほとんどの物で10%以下しか含まれていないのに対して、化成肥料では多いものでは30%、40%ほど含まれている物もあります。
そのため「重さ当たりの肥料分が多い」と言えるのです。
多くてもダメ、少なくてもダメ
このような特徴をもつ化成肥料であるからこそ、適切に使用するには知識と計画が重要となります。
大量に使用してしまえば、植物にとっては逆にダメージとなります。環境や土にも良いとは言えません(-_-;)
逆に少なくても、植物が疲弊してしまったり、栄養不足となることがあります。
そのため、必要な時期に必要な量を施すことが大切です(^^)/
これは、有機質肥料でも共通して言える事でもありますが、化成肥料の場合は特に気を付けています!
実際に畑に肥料をまいていく時には、このような物を作ってから行います。
畑の面積を正確に測り(測量を行います)その畑にまく肥料の量を決めて行きます。(数字は、20kg入った肥料の袋を何個まいていくかを示しています。例えば「2.5」は2袋と半分、ということになります)
『芽出し肥』は早速、明日から少しずつまいていきます。
一番茶(新茶)の収穫前にまく最後の肥料…。一番茶だけでなく、その後のお茶の樹にも影響が大きい肥料なので、しっかりと行っていきたいと思います!