日本にはたくさんのお茶の産地があります。
同じ品種でも、同じ製法(例えば深蒸し茶)でも、育てる土地が違えば、味わいや香りは異なった物になります。”テロワール”と言ったところでしょうか(^^)/
静岡県の深蒸し茶と鹿児島県の深蒸し茶…。同じ深蒸し茶でも、その土地の特徴が出ているので、旅先で味わうお茶の味はいつも新鮮に感じます!
さらに日本各地には、「番茶」というお茶の文化もあります。
例えば徳島県の「阿波番茶」高知県の「碁石茶」など、作り方・味わいに特徴があるお茶があるのです。
今回は日本の番茶の1つ
京都の「京番茶」について投稿したいと思います。
2つの意味合いで…
番茶は大きく分類すると2つに分けることが出来ると思います。
1つは
普段使いの安価な番茶です。
スーパーなどで販売されている値段の安い番茶は、秋から冬にかけて行う「ナラシ」という作業で出た茶葉や、一番茶・二番茶を収穫した後に伸びて来る”不揃いの芽や葉っぱ”を使用した物が多いです。
揉み方は、茶葉を蒸してから、揉みながら乾かす…。煎茶の製法によって作られています。
そしてもう1つの番茶は
地域独特のお茶になります。
こちらは、芽の収穫する時期、揉み方・作り方も一般的な物と全く違います。
「伝統のお茶」「郷土のお茶」と言っても良いかもしれません!
例えば「阿波番茶」というお茶や「碁石茶」は、漬物のようにお茶の葉っぱを漬け込んで作られるお茶もあるのです。
地域独特の文化が表れているので、とても面白いお茶です!
ちなみに「京番茶」は、2つ目の地域独特のお茶に当てはまると思います。(安価なので、もちろん普段使いもできます)
京番茶ってどんなお茶?
「京番茶」は、独特な香り…スモーキーな香りがするお茶です。
そんな香りがするのには、お茶の加工の仕方が関わってきます。
「京番茶」は、整枝(ナラシ)という作業で出た、お茶の葉っぱや茎を使用します。
収穫した枝や葉っぱは、一度蒸して乾燥させます。乾燥させることで長期保存できるようになるのですが、まだスモーキーな香りはしてきません。
乾燥させ保存している茶葉を、大きな釜などで茶色くなるまで炒る(焙煎)ことで、スモーキーな香りを発生させます。
京番茶の茶葉はこちら↓
葉っぱの形そのものをしています。色は茶色で、焚火のような、バーベキューの時の炭の匂いのような…煙っぽいスモーキーな香りがプンプンしています。
今回は急須で淹れてみました。
90℃以上の熱湯を使用し、1分ほど茶葉をお湯に浸して待ちます。
お湯を注ぐと、茶葉が浮いてきますが、問題なく淹れることが出来ます。そして、淹れている間、お湯を注ぐとより一層スモーキーな香りが立ってきます(^^;)
淹れたお茶はこんな感じ↓
お湯の色は、茶葉と同じ茶色…。ほうじ茶に似ています。
味はスッキリとして飲みやすかったです…。特に、脂っこい物を食べた後に飲むと、スッキリしそうだなと思いました(^^)/
ただ、独特なスモーキーな香りが強いので「癖がある」とも言えるお茶です。
保存時の注意点
実際にしばらく保存してみて、そして淹れてみて思ったこととしては、想像以上にスモーキーな香りが強いです。
もちろん、そのスモーキーな香りが特徴なのですが、保存時にはにおいが移ってしまうのに注意が必要です!
チャック付きのビニール袋に一握りほどの京番茶を入れて、保存していました。
密閉しているので、香りはシャットアウトできるかな…?と思っていましたが、何とチャックをしっかり閉めた後でもスモーキーな香りが…。
棚に入れて保管していたら、その棚を開けた瞬間…!
スモーキーな香りが漂ってきます(^^;)
しっかり茶筒に入れて、フタをマスキングテープなどでまいておけば、完全にシャットアウトできるかもしれません…。
においが強いので、保存したり、淹れる時はにおいが他の物に移ってしまわないように、注意する必要があると思います。