日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

「新茶」ってどんなお茶? お茶の収穫回数と新茶について

こんにちは!

今日は朝から快晴!気温も暖かく、穏やかな風が吹いています(^^♪

 

まさに「春!!」といったようなお天気で、実に気持ちが良い…ウトウトとしてしまいそうな陽気です!

 

天気もよく、桜の見ごろの時期でもあるので、昨日・今日とでお花見をした方、あるいはしている方も多いのではないでしょうか…。静岡県でも、昨日ようやく満開の発表がありました!

 

新茶前線

桜前線も徐々に東北地方へと北上しているこの頃、南の方からは「新茶前線」が北上しつつあります(^^)/

 

日本で作られるお茶(新茶シーズン)は、

沖縄→鹿児島を代表とする九州→四国や紀伊半島静岡県南部→静岡県北部、宇治、狭山→日本海側の地域や東北へと、桜前線と同じように南から北上していきます。(畑・地域の環境にもよりますが…)

 

4月になると、すでに沖縄県では新茶は収穫し終えているでしょう!

これからは鹿児島県などで、新茶が出回っていく時期になると思います。

 

5月になると、お茶屋さんなどには『新茶』と書かれた、のぼりやポスターが目につくようになってきますね(^^;)

 

今回は、『新茶』とはどのようなお茶なのか?

本格的な新茶シーズンに突入する前に、お茶の収穫回数などから、しっかりと解説していきたいと思います。

 

 

お茶の収穫サイクル

まず『新茶』を説明するために、お茶の収穫回数について説明していきます。

 

お茶の樹からは年に数回、お茶の葉っぱや芽を収穫していきます。

お米や果樹のように、年に一回だけしか収穫できない…という訳ではありません。

 

収穫のサイクルを表したのがこちら↓

緑色の「一番茶」や「二番茶」と書かれている文字が、収穫のタイミングです。(収穫の回数は、産地や栽培方法によっても違います。この図はあくまでも一例です

 

春になるとまず収穫するのが『一番茶』(いちばんちゃ、と言います)

その後に収穫するのが、『二番茶』となり、『三番茶』や『四番茶』と続いていきます。

 

四番茶」を収穫できるのは温暖な気温であることが条件なので、鹿児島県など地域が限られますし、『二番茶』の後に『三番茶』を収穫しない地域や、栽培方法もあります。

 

※おかのや農園、そして上河内地区では、収穫は「二番茶」までしか行っていません。三番茶として収穫できる芽は、そのまま生長させています。

 

 

そして、冬に入る前に一度お茶の樹を刈り、表面をキレイにならすのですが、この時に収穫して製造したお茶のことを『秋冬番茶(しゅうとうばんちゃ)』と言います。

 

※『秋冬番茶』も栽培方法や経営によって、作ったり作らなかったりします。作る場合は、葉をきちんと収穫しますが、作らない場合は、お茶の樹と樹の間に葉っぱを落として、土づくりなどに利用します。

 

 

新茶=一番茶

では、『新茶』について説明していきたいと思います。

 

一言で説明すると

新茶』とは、『一番茶』のことになります!

 

『新茶=一番茶』であり、何か特別なお茶…という訳ではありません。

 

その地域で、その年に一番最初に収穫して作ったお茶。一回目の収穫シーズンのお茶のことを『新茶』というのです。

 

 

そのため、地域によって『新茶』が作られる時期は当然異なります!

沖縄県のような一年を通して暖かい地域では、3月には作られますし、寒さの厳しい日本海側の地域などでは5月になってから、という地域ももちろんあります。

 

静岡県でも、牧之原や御前崎のような、海に近い地域では4月の下旬頃にお茶の収穫が始まることもありますし、川根のような山間部では、5月になってから…。同じ県内でも差があるのです(^^;)

 

 

そのため「何月に作られたお茶」というように、特定の時期があるわけではありません。

日本各地にあるお茶の産地、環境や土地柄も様々なので、新茶(一番茶)が作られる時期も様々なのです!

 

ちなみに『二番茶』や『三番茶』は、当然『新茶』として販売することはできません!

 

 

新茶のススメ

新茶は長い冬を耐えて、春になって芽を伸ばした葉から作られます。

そのため、『二番茶』などと比べると、うま味が強かったり、香りが良いなどの特徴があります。

 

夏から秋、そして冬にかけて蓄えた栄養分…。この栄養分がたっぷり詰まっているのが新茶なので、他の時期のお茶と比べても、うま味成分が強かったりするのです。

(二番茶などが、決して不味い訳ではありません。他の時期のお茶にも、それぞれ魅力があります)

 

 

また、地域の違い(テロワール)が表れやすいのも『新茶であると思っています。

気温が低かったり、昼夜の寒暖差が大きい地域では、じっくり育ったお茶が新茶になります。逆に温暖な地域では、スクスクと育ったお茶が新茶となるので、同じお茶の芽でも地域によって個性がでます(^^)/

 

 

本格的な新茶シーズンはもう間もなく到来…。

今からドキドキ・ワクワクが、止まりません(^^;)