6月末に二番茶の収穫が終わり、今月は来年の一番茶に向けたお茶の樹の手入れが始まります!
その第一弾として行うのが「肥料ふり(肥料まき)」です(^^)/
二番茶後の肥料の目的
二番茶後の肥料は、
お茶の収穫で疲弊してしまったお茶の樹をケアすること
三番茶芽をしっかりと育てること
この2つの目的を達成するために行います。
有機質肥料では、すぐに効果が出ないため、二番茶後の肥料は化成肥料を主体とした物を使用しています。
白っぽい粒状の肥料です。
お茶の生長に欠かせない窒素肥料を主に、必要な栄養素がバランスよく配合されています。
成分のバランスが良いこと、すぐに効果が出て使いやすいことが、化学肥料を使用するメリットです。
しかし、化学肥料ばかり使用していると、土の中の微生物たちに悪影響が出てしまいます(>_<)
そこで川根町上河内地区では、春や秋の肥料は有機質メインの肥料を…。収穫直後など、すぐにお茶の樹をケアしなければならない時は化学肥料を使用しています。
今回は、収穫直後ということでお茶の樹は疲弊してしまっている状態…。
人に例えるなら
『運動直後』と言ったところでしょう。
運動して水分を失った後は、きちんと水分補給をしなければ健康に問題が出る時があります。それと同じく、お茶の樹も養分補給が必要となります。
そのため、化学肥料を使用しているのです!
ちなみに果物栽培などでは、収穫の後にまく肥料の事を「礼肥」と言ったりもするそうです。
薄くまく!
化学肥料は、早く効果が出て、含まれている成分量がハッキリわかるので使いやすい肥料です。
しかし「早く効果が出る」ということは、肥料分が溶け出すのが早いということ…。使い方を間違えば、植物の体にダメージを与えることもあるのです。
例えば、有機質肥料・化学肥料問わず、一か所にドカッとまとめて肥料をまいてしまうと、『肥料やけ』と言って根っこにダメージが発生する場合があります。
一か所にまとまらないように、畝間全体へ薄くまくことがポイントとなります(^^)/
また、このまき方は根っこへのダメージを防ぐだけでなく、肥料がべちょべちょになってしまう事も防ぐことが出来るのです。
梅雨時期である今、肥料をまくとすぐに水分を吸収しふやけた状態となります。
ふにゃふにゃで柔らかく、少しべたつくようになってしまうのです。
この状態で肥料をまいた場所を歩くと、靴の裏に肥料がくっついてしまいます(-_-;)
快適とは言えない状態になりますし、せっかくまいた肥料も少しですがムダにしてしまいます。
このようになってしまうのを防ぐためにも、畝間全体に薄くまくことが大切となるのです。
さらに、畝間全体にまくことで、土と混ざりやすくなります。
一か所にまとまった状態では、肥料の塊が出来てしまうことも…。これでは、土と肥料が混ざった状態にはなりません!
この3つの問題点を回避するために、畝間全体へ薄くまくことがポイントとなるのです。
雨に注意しながら
肥料が水分を吸収してしまうと、ふにゃふにゃの状態になったり、肥料の粒同士がくっつくことがあります。
そのため、肥料は雨が降っている状況下では、まくのが難しいです。
しかし、現在は露の真っ只中…。急な雨により肥料が濡れてしまわないように、軽トラックの荷台に乗せてある肥料袋にはシートを被せます。
シートを被せることで、肥料が雨に濡れてしまうのを防いでいるのです。
三番茶芽を育てるとは…?
最初に述べた二番茶後の肥料の目的『三番茶芽をしっかりと育てる』ですが、なぜ三番茶芽をしっかりと育てる必要があるのかを解説していきます。
まず、三番茶芽ですが、これは二番茶の次に伸びてくるお茶の芽のことを言います。
ちなみに、二番茶芽で作られたお茶が「二番茶」となるように、三番茶芽で作られたお茶は「三番茶」となります。
栽培方法や地域にもよりますが、この三番茶を収穫する場合もあります。
しかし、川根町上河内地区では、三番茶の収穫はおこなっていません!
収穫せずに育てることで、お茶の樹はたっぷりと光合成を行えます。しかも、光合成により作られた養分は、枝や根っこ、葉っぱに蓄えられます。
蓄えられた養分が使用されるのは冬を越えてから…。
翌年の春、一番茶(新茶)の芽が伸びる時に、三番茶芽によって作られた養分が使用されるので、品質の良いお茶の芽が育つのです(^^♪
品質の良い一番茶を作るには、三番茶芽が元気に光合成できるようにしっかりと育てることが、とても重要!健康的な葉っぱが育つように、適切に肥料をあげたり、病気などから守ることが必要となります。
梅雨時期なので天気は変わりやすい…。
ジメジメと蒸し暑く、体力的に大変な季節となっているのですが、良いお茶を作るためには、これからの時期が勝負!
約10か月後の一番茶(新茶)へ向けて、少しずつ手入れを進めて行きます!