日々お茶暮らし

お茶で有名な川根地域でお茶づくりをしている茶農家のブログです

越冬する害虫からお茶の樹を守る!

今日は風が強い1日となりました。

そのため、スギの葉っぱや枝が道路に…。太い枝は通行の邪魔になるため、道路の隅などに片付けたりしながら、車を走らせる必要がありました。

 

川根地域では、冬になると強い風が吹くことが多くなるため、風の吹き方から季節の進み具合を感じた1日でした。

 

 

越冬する害虫

お茶の樹に害をもたらす虫たち…。

活動が盛んになるのは6月から9月頃の気温の高い時期です。

 

冬から一番茶(新茶)シーズンにかけては、害虫の活動はある程度は抑えられています。病気に関しても、この時期に関しては発病しにくいですね!

 

ただし、冬の間に虫や病気が無くなるわけではありません。

害虫は、冬の間は葉っぱの裏などに住み着き、ジッと冬が過ぎるのを待っているのです…。

 

特に、葉っぱから栄養分を吸収し、お茶の樹を疲弊させてしまう「ダニ類」や「チャトゲコナジラミ」が代表的になりますね。

 

今の時期にきちんと対策をしておくことで、翌年以降発生を少しでも減らすことに繋がるため、冬越しする害虫を対象として農薬散布を行います(^^)/

※詳しくは翌日投稿したいと思います。

 

この作業が、秋から冬にかけて行う一番メインとなる作業!

年間のお茶の樹の代表的な管理作業としては、この作業が一番遅い時期に行うものとなります。

 

 

カンザワハダニ

お茶の樹に害を与えるダニは数種類います。

その代表格と言えるダニが『カンザワハダニ』です。

 

とても小さな害虫で、葉っぱの裏などを主な住処にしています。

しかしながら、葉っぱから栄養分を吸収し生きているため、発生してしまうとお茶の葉っぱが変色したり縮れたようになってしまうのです。

赤い小さな点が「カンザワハダニ」です。

指と比べてもその小ささが分かると思います。この葉っぱには2頭生息していますね。

 

こんな小さな虫なのに、葉っぱに1頭いるだけでも生長に影響が出てしまいます。

特に新芽が伸びる時期に発生すると、芽が元気に伸びず非常に小さな状態で生長が止まる、収穫時に混入する可能性も高いです。

 

そのため、事前にきちんと対策を行う必要があります。

 

冬越ししたダニが春になると大々的に繁殖してしまうため、冬越しの時点で数を減らすことで、春の繁殖を抑えることに繋がるのです。

 

 

ただし、農薬だけで防ぐわけではありません。

カンザワハダニを食べてくれるダニがいるのです。(カブリダニ類)

 

害虫を食べてくれたり、退治してくれる虫のことを『益虫』というのですが、この益虫をしっかりと保護することが重要だとされています。

そのため、農薬も害虫のダニにのみ効果がある物を使用して、環境への影響を少なくすることに力を注いでいます。

 

お茶づくり的にも、このような農薬を使用することはメリットがあるため、きちんと農薬の特性について調べたうえで選択をしています。

 

 

チャトゲコナジラミ

この時期のもう1つの重要な害虫が『チャトゲコナジラミ』です。

こちらも、幼虫のうちは葉っぱの裏に生息し、栄養分を吸収…。お茶の生長に悪影響を与えてしまいます(>_<)

 

特に大量に繁殖してしまうと、葉っぱが黒く煤けたようになる病気『すす病』を引き起こすこともあり、影響が大きいです。

 

ちなみに、冬の間は幼虫の状態で越冬し、春になると成虫となり空を飛ぶようになります。成虫になってからも葉っぱや新芽から栄養分を吸収してしまうため、非常に困った害虫です…。

黒い点がチャトゲコナジラミ…。ダニと同じく、非常に小さいです。

 

こちらも、ダニと同じく益虫を守りながら、農薬を使用することが非常に重要となります。

 

 

マシン油を使用します

マシン油という農薬があります。

「マシン」と名が付いているため、機械の動きを滑らかにするようなギトギトした油を思い浮かべる方もいるかもしれません。

 

少しサラサラとして、粘り気もある油ではありますが、ご安心を!!

きちんと試験が行われた安全性が確保された農薬です。

 

害虫の気門(空気を取り入れる所)を塞ぐことで効果が出る農薬で、有機農業でも使用が可能になっています。

 

家庭菜園でアブラムシを退治するために牛乳や片栗粉を使用する…原理はあれと全く同じです。

 

ただ、牛乳や片栗粉では安全性の試験が行われていないため、客観的に「安全だ」と断言することが出来ません(>_<)

牛乳などは口に入れることが出来る物なので安心は出来るかもしれませんが、安全とは言えないのです。

 

牛乳をこぼし雑巾で拭く…しばらくすると雑巾に雑菌が繁殖し非常に臭くなりますね…。

 

結果として害虫を退治する効果はあるかもしれません。しかし、安全性が確保されていないため、安全な農産物を作るためには使用することは出来ません!

 

 

そこで使用するのが「マシン油」という農薬です。

農薬は、安全性に関して非常にシビアな試験が行われ、結果が出ないと農薬として販売することが出来ないようになっています。

 

そのため、効果的には牛乳と同じでも、安全性がしっかりと確かめられているため、このような農薬を使用するのです。