日々お茶暮らし

お茶で有名な川根地域でお茶づくりをしている茶農家のブログです

お茶の種まき 畑の準備編

ほとんどの野菜は種を蒔き、少しずつ育てて行きます。

しかし、お茶の樹の増やし方は「挿し木:さしき」という方法により行われています。

 

挿し木のメリットは

・親と同じ性質の個体を増やすことが出来る

・早く安価に増やすことが出来る

などがあります。

 

特に一番のメリットは「親と同じ性質の個体を増やせる」という点でしょう!

 

お茶の樹は、実が生りその中には種がありますが、種を蒔いても親と同じ性質の樹には育ちません。葉っぱの形や芽吹く時期など、僅かながらに変化してしまうのです。

 

もちろん、必ず美味しいお茶が育つとも限りません。

苦味や渋味が強すぎてしまったり、うま味や香りが弱かったり…美味しくて品質の良いお茶の樹が生まれることは、滅多にないことなのです。

 

そこで、お茶の品質を一定に保つために、親と同じ性質の樹を増やすことが出来る「挿し木」という方法で、お茶の樹を増やしています。

 

「やぶきた」という品種であれば、やぶきたの枝を挿し木することで「やぶきた」の苗が…。「おくひかり」という品種であれば、おくひかりの枝を挿し木し「おくひかり」の苗を作るのです。

 

そのため特定の品種を作る事ができますし、お茶の品質も一定の物を作ることが出来ます(^^)/

 

果樹でも挿し木などで苗を増やすことがありますね!

近年人気のブドウ「シャインマスカット」も、もともとは1つの苗から「挿し木」などの方法により増やされているのです。

 

 

品種改良では種を…

基本的に苗木を増やす時は「挿し木」という方法が用いられます。

 

では、種を蒔くことは全くないのか…?と思うかもしれませんが、種を蒔くことも当然あります。

 

新しい品種のお茶を作りだす際には、必ずお茶の種からお茶の樹を育てているのです。

種から育ったお茶の樹は親と違う性質を持つことになります。「やぶきた」から採れた種を蒔いても、「やぶきた」にはならないのです。

 

親と違う性質となる…という特徴を利用するのが、新しい品種を作る方法となります。

 

 

ただし、決して簡単に新しい品種を作ることは出来ません。

蒔いて育ったお茶の樹が、美味しいお茶の芽が伸びる樹になるとは限らないため、何年もかけて選抜を繰り返す必要があります。

 

県などの研究機関でも、種を蒔き新しい品種を作るまでには20年以上もの時間が必要になるとされています。

 

農作物の中でも、お茶の品種改良はトップクラスに時間が必要になるのではないでしょうか…。

 

 

違いを楽しむために…

10月にはお茶の樹から殻に包まれた種を採取。

種を蒔き、お茶を育ててみようと思い、今回は種の採取を行ってみました。

 

種を蒔くのは気温が下がる冬になってから…。

しかし、種を集めてから蒔くまでに時間がかかると、種が乾燥してしまい芽が出てくる確率が低くなってしまいます。

 

そこで、種まきは11月の下旬に行うことにしました。

 

土の水持ちを良くし、発芽しやすい環境に整えるために、土に堆肥をたっぷりと!

しっかりと耕して、お茶の種を蒔く準備を整えます。

スペースは家庭菜園を行っている畑の一角。畳半分未満の場所を利用して行います。

 

次に支柱と紐を使って、区画を作成!

「やぶきた」という品種の種を2ヶ所、「おくひかり」という品種の種を1か所から採取。それぞれ分けて育てるため、区画を分けてみました。

 

畑の準備はここまで!

次は種まきについて投稿したいと思います。