12月になって今日で3日。昨日12月になったように感じるほど、師走の時の流れは速いなと思います。
12月になると、主だったお茶畑の作業はなくなり、農閑期となります。
体をゆっくりと休めたり、経理などの事務作業、肥料・農薬の検討や勉強などなど…屋内で仕事をすることが多くなる季節です。
また、少し特殊な作業として、畑での作業を行いやすくするために道路の整備や石垣を直したり、土木作業を行うことがあります。
もちろんお茶の樹の手入れも行いますが、茶畑周辺の環境を整えるなど、お茶の樹と直接関係がない作業を行う事が多くなる季節です。
そんな中で、お茶の樹の手入れとして行う作業があります。
それはお茶畑に草を敷く作業です(^^)/
いわゆる「茶草場農法」というものですね…。
秋に刈ったカヤ(ススキ)を集め、幼いお茶の樹が育っている畑を中心に敷いていくのです!
カヤで環境保全
茶畑の周りには、あえてカヤ(ススキ)などの草を生やしてある場所があります。
斜面の角度が急過ぎる場所にお茶の樹を植えても安全に農作業が行えません。しかし、何も植えないと雨が降ったときに土砂崩れなどの危険性が増します。
そこで、カヤ(ススキ)を植えて土が崩れないようにしたり、植物や昆虫の住処となるように環境を整えているのです。
そして、カヤを植えた斜面は少なくとも1年に一度草刈りを行う必要があります!
そのままにしておくと、木が生えてきてしまったり、生育が強い植物ばかりが生えてきてしまい、植物の多様性が保たれません…。
1年に1回程度刈ることで、背丈の低い草にも光が当たるようになり、様々な種類の植物が生きていけるようになるのです。
そんな作業を行うのは9月中旬から下旬にかけて…。
カヤ(ススキ)から穂が出始める時期を狙って作業を行います。
ただし、草を刈って終わりではありません!
しっかりと乾燥させた後、有効に使っていく…それが茶草場農法です(^^)/
カヤ集め
おかのや農園では、9月に刈った草を12月頃に集めて、幼木園(植え付けて1~5年ほどの畑)に敷いていきます。
しかし、敷くためには刈った草を集めるのが欠かせませんね…。
今回は刈ったカヤ(ススキ)を集めることにスポットを当てて投稿します。
9月に刈ったカヤなどの草は、そのままの状態で乾燥させています。斜面にそのままにしておくことで、しっかりと乾燥するからです。
刈った直後は緑色の状態ですが、乾燥が進み2か月もすると茶色に変化…。重さも、水分が飛ぶためずいぶんと軽くなります。
そして、乾燥した草を集めていくのですが、意外とこの作業は大変です(^^;)
急な斜面での作業なので、踏ん張る必要があり下半身に力を入れる必要があります。何度も斜面を歩き、草を少しずつ集めていくため、シーズン始めは筋肉痛が必須です…。
機械化は出来ない作業なので、人力で少しずつ行っていきます。
集めた草は、軽トラックの荷台に…。
たくさん載っているように見えますが、重さとしては100㎏はないでしょう…。
何度も斜面を歩き、てんこ盛りになるほど集めるためには1時間程度の時間はかかります。
また、集めた草は乾燥していて軽くなっています。
運転中に飛んでしまったり、荷崩れを起こさないようにロープで抑えて、畑へと運ぶのがカヤ集め作業…。
斜面のカヤなどを集める
↓
軽トラックの荷台に積み込む
↓
ロープで縛り畑へと運搬
この流れを何度も何度も繰り返し行っています。
カヤ集めの注意点
実はこのカヤ集め…意外と危険な面もあります。
まずは、滑りやすい…ということ!
乾燥したカヤの表面はツヤツヤとしていて、とても滑りやすいです。
さらに、それがあるのは傾斜の急な斜面。
ちょっとした油断で、滑って転んでしまいます。
なるべく気を付けていても、シーズンに1・2回は転んでしまうもの…。
まずは、転ばないように足元に注意しながら行いつつ、転んでしまった場合もケガをしないように注意するなど、集中しながら作業を進めています。
次に危険な点はカヤが硬いということ…。
カヤ(ススキ)の茎部分は、かなり硬くなっています。木の枝ほどではありませんが、かなり頑丈です。
そのため、肌を出した状態だと、擦り傷の様な傷がたくさん付きます。
長袖、長ズボンでの作業…。もちろん手袋もして、ケガをしないように作業を進めます。
そして最後に注意するのが、生き物がいる可能性があること…
特に怖いのが、ハチやムカデなどの刺されると非常に痛い生き物…。
ハチは時期的に遭遇することはほとんどないため、大丈夫だと思っていますが、絶対ではありません…。また、ムカデに関しても、あまり目にすることはありませんが、茶畑の中にも生息しています。
それが、草に隠れている可能性もあるため注意が必要ですね!
そしてヘビが隠れている事も、可能性としてはゼロではありません。
画像はマムシ…。日本にいる毒蛇の代表格です。
枯れた草と同化しているため、少し分かりにくいと思いますが、写真中央部分にいます!
このように色合いが似ているため、発見が遅れたりする場合があるため注意が必要です。
ちなみに私は、生き物の中でヘビだけはどうしても苦手です(>_<)
動物園に行っても、ヘビのコーナーだけは行きません!!もちろん、ヘビタッチなども行いません!!
このように油断していると危険な状態に陥ってしまう事があるため、こまめに休憩をしながら集中し行うことが重要ですね!
集めはカヤ(ススキ)は、軽トラックで運び、畑に敷いていきます。
次回は敷く作業ににスポットを当てて投稿したいと思います!