こんばんは。
昨日・一昨日は寒くなりましたが、今日は春本番の陽気になりました!
お日さまの光もたっぷりと降り注ぎ、いかにも「春らしい」陽気でしたね(^^♪
今後は暖かな日が続きそうなので、お茶の樹も含めて植物たちが一気に生長していきそうです。
暖かくなりダニも発生
春になると動植物が眠りから覚めますが、中にはお茶の樹に悪影響を及ぼすものも…。
その代表格が『カンザワハダニ』というダニになります!
その他の害虫・病気に関しては、春から初夏にかけての比較的過ごしやすい陽気の時にはほとんど発生しません。
しかし、このダニだけは冬が終わり気温が上がり始めると活動を活発に始めてしまうのです(>_<)
ダニなので、大きさはとても小さいです。
肉眼でもなんとか見ることは出来ますが、ほとんど赤い点にしか見えませんね…。
指の先、黒いまるで囲んだ中央にある赤い点が『カンザワハダニ』になります。
指と比べてると、とても小さいのがよく分かりますね…。虫メガネやルーペなどを使用すると、脚までハッキリと確認できます。
このダニは、春になると卵をたくさん産み始め増殖を開始します。
この葉っぱにはたくさんの『カンザワハダニ』がいます。若い幼虫のダニも確認できましたし卵の姿も…。
「ダニがいるかどうか…」
3月上旬以降は、こまめに何十枚・何百枚もの葉っぱをチェックして、発生状況などを調べてきました。
上の写真は、その中でも特に発生していたものになります。
今年は平年よりも発生数はかなり少なかったのですが、防除を行う必要がある水準でした…。
『カンザワハダニ』は主に葉っぱの裏に生息し、葉っぱから栄養分を吸い取り生きています。
こんなに小さな体ですが、ダニがいると葉っぱの色つやが悪くなり、新芽の伸び方も極端に悪くなってしまいますね(>_<)
特に春に増殖してしまうと、新芽のための影響分が奪われ、芽が伸びてこなくなってしまいます。
また、収穫する芽や葉っぱに付着するリスクも高まってしまいますね…。
初夏を過ぎると『カンザワハダニ』を食べるダニ(天敵)も活発に活動するようになるのですが…。天敵が活発に活動するにはまだ気温が低く、この時期は人の手による対策が必要です。
そこで、ダニ対策として『バロックフロアブル』という農薬の散布を行いました。
特に卵に効果あり
『バロックフロアブル』はダニに効果のある農薬(ダニ剤)です。
卵が孵化するのを防ぐ効果が高く、幼虫などにもある程度の効果があります。
ただ、卵が孵化するのを防ぐため、散布してすぐに効果が出る訳ではありません。
「今後のダニの増殖を防ぐ…」
役割が強い農薬だと思います。
もちろん、人や動物への安全性も高く、天敵(害虫を食べてくれる虫)への影響も少ない特徴があります。
今後ダニが増加し、お茶の樹に影響が出ないように、2000倍に希釈・10a当たり270L程度散布を行いました。
ちなみに確認したダニの数が、防除(農薬散布などの対策)を行う基準以下だった場合は、農薬の散布は行いません!
今回は、基準と同じくらいの発生でした。
農薬を散布するか悩みましたが、今後晴れて暖かな気温が続くと、一気に繁殖しダニが増えてしまうため、農薬の散布を実施することにしました。
安全・安心のために
『バロックフロアブル』は浸透移行性がありません。
※植物が農薬を吸収し、体のどの場所でも効果が出る性質のこと
そのため、薬剤がかかった場所でしか効果が出ない農薬となっています。
散布ムラやかかっていない場所があると効果が出なかったり低下してしまうため、ムラなく散布するのが大変ですね(^^;)
ただ浸透移行性が無いため、収穫する新芽に農薬の成分が残ることはありません!
また、農薬を散布するとしたら新芽が萌芽する前までに行います!
芽が萌芽し生長を始めたら、一切農薬は散布しません(^^)/
農薬の使用に関しては、やはり不安に感じる方も多いでしょう…。
少しでも安心してもらえるように
・安全性の高い物
・環境への影響が小さい物
・特定の害虫にしか効果がない
・物浸透移行性が無い物
これらの自主的に決めた基準に合致した物しか使用しないようにしています!
※上河内地区では「有機リン系農薬」「ネオニコチノイド系農薬」「合成ピレスロイド系農薬」は自主的に使用をしないようにしています!
特にポイントとなるのが
「特定の害虫にしか効果がない」
という点になります。
同じダニでも害虫となる物は退治でき、ダニを食べるダニ(天敵)への影響は少ない・ない物を使用することで、農薬だけに頼るのではなく天敵を活かした農業を進めています(^^)/
また、農薬を使用するとしても必要最低限のみしか行いません。
作業も全て公開し、安心して頂けるように努力し続けていきたいと思っています!