日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

赤焼病の症状 葉脈に沿っている典型的な例

お茶の木も病気に感染することはありますが、そのほとんどは「カビ」由来の物となります。

 

カビなので温度と湿度が高くなる発生しやすくなる傾向がありますね。

特に雨が多くなる梅雨時期から台風が過ぎ去る秋までの間が発生しやすい期間になるのです。

 

他の作物でも梅雨がやってきたり、長雨になると病気になりやすくなります。

 

これは高い気温と湿度が合わさりカビが生えやすい環境が整うこと。

雨などにより病原菌が周辺に広まることが影響しているからですね。

 

冬はカビ由来の病気はほとんど発生しません。

 

しかし唯一の例外があります(>_<)

 

それは赤焼病という病気です。

赤焼病は細菌性の病気になるためカビ由来の病気とは少し違った特徴を持っています。

 

その一つは発生しやすい時期で、主に秋と春に発生が多くなりますね。

特に春になると病気が出やすくなる特徴があります。

 

これは、この時期の気象が大きく影響しているからです。

 

この時期には強い風が吹くことが多くなります。

強い風によって葉っぱが擦れ合い小さな傷ができ、その傷口を介して病原菌が侵入してくるため春に発生しやすくなってしまうのです(-_-;)

 

特に強い風を伴って雨が降る時は要注意ですね。

 

 

典型的な例

以前撮影した赤焼病になってしまった葉っぱがこちら。

表側。

裏側。

 

葉の所々が黒く変色している事が分かると思います。

また表側だけでなく裏側も変色していますね。

 

表側だけが変色している場合は寒さの影響なども考えられますが、裏側も変色している場合は病気の可能性が高いです!

 

今回の場合は葉っぱの縁と中心の太い葉脈の変色が目立っていますね。

赤焼病は葉脈に沿って病気が広がる特徴もあるため、葉っぱを見ながら発生時期や症状の出方などから病気を判断していきます。

 

ちなみにこのように病気が発生してしまうと、どんどん病気が進行。

この葉っぱは枯れて落ちてしまいます。

 

病気によって葉脈が働けなくなってしまうため、仮にこの状態で病気の進行がストップしても葉っぱは枯れてしまいますね。

 

 

また病気に感染し葉が変色するほど症状が進むと、新たな葉っぱに感染が広まる伝染源にもなってしまいます。

 

さらに病気の進行が新芽まで広まってしまうと、春に伸びるはずの芽もダメになってしまうのです。

 

赤焼病の場合は潜伏期間が20~30日程度とされています。

そのため健全そうな葉っぱに見えても、すでに病気に感染している可能性もあったりしますね。

 

 

最後に

もしご家庭でお茶の木を育てている場合、お茶の木の葉っぱにこのような変色が見られたらすぐに取り除くことをおすすめします。

 

これは、新しい葉っぱが病気になることを防ぐためになりますね。

 

またサンボルドーなどを散布して病原菌が葉っぱに侵入するのを防ぐのも良いと思います。

 

サンボルドーは同材の一種で有機農業でも使用できる資材です。

ただし、病原菌が葉っぱに侵入するのを防ぐ効果はあっても病気を治す効果はありません。

 

また効果が続くのは3週間程度。

雨が直接当たる場所であれば降水量300㎜程度までしか効果が続きません。

 

赤焼病は主に2月中旬から4月頃にかけて発生が多くなるので、この期間は注意してお茶の木を見てあげてください。