多くの作物に被害をもたらすハダニ類。
・ナミハダニ
・カンザワハダニ
・ミカンハダニ
・リンゴハダニ
などをまとめてハダニ類といいますね。
ハダニの体はとても小さいですが葉っぱなどから栄養分を吸収することで、作物に対して被害をもたらします。
また繁殖力が強いのも厄介な特徴でしょう。
お茶の栽培ではカンザワハダニと言われるダニの被害を受ける事があります。
主に4月から5月の頃にかけて発生が多くなる傾向があり、葉っぱから影響分を吸収することで生育を阻害します。
影響を受けた葉っぱは黄色く変色したり形が変形しますね。
また新芽が伸びにくくなる事もあります。
ちょうど新芽が伸びる時期に発生が多くなる傾向があるのも厄介な特徴の1つでしょう。
ちなみにカンザワハダニは、見た目が赤い事から通称「赤ダニ」と呼ばれることも多いです。
その一方で適切に防除を行えば被害が出るほど発生することはほぼ無いですし多くの天敵も存在しています。
実際茶畑でも天敵たちが活動している姿を目にすることが多いですね。
そのため、防除を行う際は天敵たちに影響がない資材を選択することを重視しています。
そんなダニ対策ですが、今回はカンザワハダニの防除として天敵製剤を利用した方法を考えてみる事にしました(^^)/
ミヤコカブリダニ
ダニ類の天敵となるのは主にダニです!
ハダニを食べてくれる肉食性のダニがいるのです(^^♪
有名なのは
・ケナガカブリダニ
・ミヤコカブリダニ
・チリカブリダニ
などになるでしょうか。
まとめてカブリダニ類と言われることもありますね。
ミヤコカブリダニやチリカブリダニは農薬(天敵製剤)として販売されている事もあります!
今回使用したのもミヤコカブリダニを使用した農薬です。
商品はいくつかありますが、インターネットでも購入できる「ミヤコトップ」という資材を選択しました。
ちなみにミヤコカブリダニは生物ですが、農薬として販売・利用されています。
農薬と一口に言っても様々な物があるのです。
今回はこのミヤコトップを利用して、茶畑の外に生えているお茶の木にあえてカンザワハダニ(赤ダニ)を増殖させ、どれほどの防除効果があるのか試してみました。
効果や最適な使用方法を見極めたい
ミヤコカブリダニは「カンザワハダニ」を含めたハダニ類を食べてくれる天敵です。
ちなみにスパイカルという商品名のミヤコカブリダニ製剤ではお茶への登録もありますね。
しかし、お茶の栽培でこのような天敵製剤を利用するのは一般的ではありません。
天敵製剤は主にハウスなどでの野菜の栽培や果樹の栽培で使用されることが多いですね。
そのため、お茶に寄生するカンザワハダニにももちろん効果はあるのだと思いますが、実際に試してみないと分からない事も多いでしょう。
特に
『どれほどの効果があるのか?』
あるいは
『どの時期に使用すると最も良い効果が得られるのか?』
を疑問に感じます。
もともと茶畑や茶畑周辺にいる天敵によっても退治されたりはしているので
「天敵製剤を利用したから効果があった」
と簡単に断言することも出来ません。
もともと生息している天敵「土着天敵」の方が安定して高い効果を発揮してくれるからです。
何よりも天敵製剤は決して安くはないため使い方や時期を間違えれば、お金をかなり無駄にしてしまいます。
そこで何年か継続して試験を行い効果や最適な使用方法を見極めた後、有効であれば茶畑で使用するようにしたいと思っているところです。