今週中頃から冷え込みが厳しい日が続いています。
水も氷るほどの気温なので、営農用水の水抜きを確実にしておいて良かったと安堵しています。もし水抜きしていなかったら、破損していた可能性が高いですね(^^;)
ただ日中は日差しがたっぷりあるためか、真冬よりも暖かさを感じます。
来週までは冷え込みが厳しい状態が続きそうなので、その点に留意しながら過ごしたいと思います。
作業終了
一昨日で無事に防除作業を終える事が出来ました。
赤焼病は雨粒などの水で病原菌が広がり、葉の傷口や気孔から侵入そして感染する傾向があります。
そのため、葉に傷がたくさん出来ているとより感染しやすくなりますし、雨の多さも感染の拡大に影響します。
特にこれからの時期は強い風が吹くことも多くなります。
さらに同時に雨が降ることもあり、時期的に赤焼病が発生しやすい気温でもあるため、一気に病気が広がるリスクがあるのです。
以前は赤焼病を極端に気にすることはありませんでしたが、シカに踏み荒らされるなどした場所から病気が発生し周辺に広がることがあり、頻繁に見られるようになってしまいました。
病気が発生しないように対策はしているのですが、葉に傷を付けられてしまうとその箇所で発生しやすくなってしまいます。
このように葉っぱのほとんどが落葉してしまう事も増えてきています。
単に傷がひどすぎたり枝が折れていたりと病気以外で枯れてしまう事もありますが、一見状態の良さそうに見える部分が後日病気で枯れてしまう事も多いのです。
蔓延すると感染した葉っぱが落ちて生育に悪影響を及ぼすだけでなく、春に伸びる新芽さえも病気で枯れてしまいます。
近年のシカによる被害と共に許容できるレベルを超える事が増えているため、病気の拡大を防ぐことを目的として防除を行うようにしています。
銅剤で感染予防
今回の防除で使用したのは銅剤(ボルドー剤)に分類される農薬です。
いくつか商品があるのですがZボルドーを使用してみました。
銅剤は銅イオンの働きで病原菌を退治する事で植物を守ります。
葉の中に侵入しようとする病原菌を銅イオンで退治するため、手のアルコール消毒と似ているでしょう。
ただし、すでに病原菌が葉の中に侵入し感染していた場合は効果がありません。
また発病し葉が変色している物も治すことは出来ません。
これはどのような資材、どのような栽培方法であっても無理ですね。
銅剤は葉に侵入しようとする病原菌を退治することに特化した資材になります!
効果が続くのは晴れていれば約3週間。雨が降ればその期間がどんどん短くなります。そして病原菌の侵入を防ぐ効果のみなので、感染が拡大する前に使用することが重要です。
感染拡大してからでは効果は見込めないですね。
散布する時期が銅剤の効果を引き出す最大のカギとなります。
特に赤焼病の場合は潜伏期間が20~30日程度とかなり長いため、タイミングを間違えてしまうと約3週間後に後悔することになるのです。
防除の回数はなるべく少なくしたいですが、病気の蔓延もしっかりと防ぎたいところ。
そのためには、効率的な使用と効果をしっかりと得られることが大切だと思っています。
資材の特性、病気の特徴を理解し、その年の天候や畑の状態を考慮しながら作業時期を決めることを心掛けています。
まとめ
赤焼病は潜伏期間が20~30日ほどで傷口などから病原菌が侵入する特徴があります。
銅剤は植物の体の中へ侵入しようとする病原菌を銅イオンの働きにより退治します。あくまでも病原菌の侵入を防ぐ効果しかないので、病気が広がる前に使用することが重要な資材です。