梅雨時期の貴重な晴れの期間となりそうな今日からの日々。本格的に浅刈り作業を始めました。
浅刈り作業はチャノキの表面を刈り整えるナラシ作業よりも低い位置で、しかし深刈りのような葉をすべて落としてしまうような低さではない位置で刈り落としを行う作業になります。
作業の目的としては
・込み合った枝葉を刈り落とし芽数が増えすぎるのを防止する
・病害虫の被害を受けやすい部分を落とすことで被害を低減させる
これらになります。
また刈り落とした枝葉は畝間から生える草の量を抑えたり、水分の蒸発や激しい雨が降った際の土壌の流亡を防いだりする効果もあります。分解が進めば腐植となり土にとっても良い効果をもたらす利点もあります。ただ、これらの利点はあくまでも浅刈りをしたことによって生まれるものであるため利点ではあっても目的ではありません。
あくまでも浅刈り作業による目的はあくまでも上記の二つになります。
ちなみに利点ばかりを書きましたが当然欠点もあります。
まず、枝葉を刈り落とす量が多いためその年の天候によっては生育に悪い影響が出ることがあります。
また、毎年継続して行っていると収穫量が減ってしまうという研究結果もあるようです。ただし、こちらに関してはあまり参考にはしていません。というのも1,000㎏/10aの生葉を採るような場合で、それが浅刈りを繰り返すことにより800㎏/10aになるというようなものなので、多くの生葉を収穫している場合であれば考慮する必要がある点になるかと思っています。
この作業を行うと黄緑色の葉っぱの部分はほとんど刈り落とされるため茶畑は濃い緑色へと変化します。茶畑を見ていると濃い緑色の畑、黄緑色の畑、そして深刈りや中切りをした茶色い畑と大まかに3色に分かれている光景を目にすることが出来るのです。
ただ、作業によって作られる光景であるため日に日に変化していきますし、チャノキも生長するため深刈りや中切りの茶色い畑も徐々に黄緑色に変化します。一日違えば同じ景色を見ることは出来ないため、一期一会な光景であるかなと思います。