こんばんは。
昨日は雪の影響で茶畑が白くなりましたが、本日はきつい霜が降り2日連続で白い茶畑となりました。
今日の霜は昨日の雪とは違い、最低気温が低下することで多分降りるだろうとは思っていました。気温も久しぶりにグンと下がり氷点下に。なお氷点下となったとは今月だと今日が初めてになります。2月27日以来の氷点下となった一日でした。
平年であればすでに防霜ファンのスイッチを入れ霜から芽を守る期間に入っています。しかし昨年くらいから防霜ファンのスイッチを入れる時期を遅くしており、今年は昨年以上に遅い稼働開始を予定しているところです。温暖化の影響により萌芽の時期や収穫時期は早まっているので、普通に考えれば防霜ファンのスイッチを入れる時期も早めるべきなのでしょうが、逆に遅くしているのにはいくつかの理由があります。
一つ目は収穫時期の早さを求めなくなったこと。
昔は収穫時期が早ければ早いほど高値で取引される傾向があり、なるべく早く出荷するような方向に力を入れていました。ただ、近年は早く出すことによる価格のメリットが大きくないため、収穫時期の早さではなくもっと地域の特性に合った方向に力を入れるようにしています。
二つ目は寒さに当てて生育を抑えたいためです。
温暖化の影響により昔と比べれば萌芽の時期や収穫時期が早まっています。ただ、年によっては寒の戻りなどもありますね。芽の生育は早い時期から始まりやすくなっている一方で、寒の戻りや遅霜の影響を受ける可能性は低くなるどころか高くなっているのです。萌芽前の段階であればある程度の寒さに当たると生育が遅れることはあっても枯死する可能性は低いので、生育が早く進み過ぎないようにあえて寒さに当てる判断をしています。
三つ目はコスト面や効率面です。
早い時期から防霜ファンのスイッチを入れれば、その分寒い日に当たる事も多くなり稼働時間が多くなります。稼働時間が多くなればそれだけ電気代がかかりコストが上がることになります。ただこのコストに関しては、お金を掛けただけ何か返ってくるわけでもありません。
前提として萌芽した後の芽はしっかりと霜から守る必要があり、この時期であれば霜の被害を避けることが出来ると言う大きなメリットがあります。しかし萌芽前のそこまで霜から芽を守る必要のない時期に防霜ファンを動かし芽を守ろうとしてもほとんど効果は無いため、そんな時期に防霜ファンが動いてしまうのは効率が良いとは言えません。
早い時期から防霜ファンのスイッチを入れてもほとんど無意味なお金の掛け方となってしまうケースの方が多いため、電気代が上がってきている昨今においては効果の薄い時期から防霜ファンを動かすのは避けるようにしています。
数年前までであればすでに防霜ファンのスイッチを入れていた時期になるため、今回のように霜で白くなった茶畑をこの時期に見ることは無かったと思います。天候の影響と防霜ファンの扱いの変更により久しぶりに見ることが出来た白い茶畑でした。