日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

一番茶前の手直し

こんばんは。

今日の川根町上河内地区は朝方には雨が降り、その後は青空が少し広がりました。ただその状態は長続きせず、お昼頃からは再び雲が空を覆うようになり夕方には再度雨が降り出しましたね。最近はこのような天気が続いているため一日を通した晴れの日が恋しくなります。

 

お茶の木の手直し

一番茶シーズンが着実に近付いてきたこの頃。肥料まきなど畑での主要な作業はすでに完了していますが、茶畑周辺の整備やシカなどに荒らされてしまった所の手直しなど細々とした作業はまだあります。

 

特に最近増えてきたのがシカによる被害。お茶の木を踏み付けられたり葉を食べられてしまったり、斜面を何度も歩くことで崩れてしまうような被害が春になり再び増え始めているところです。

少し分かりにくいと思いますが、上の写真だとちょうど中央部分を縦方向に歩いている痕跡が見られます。お茶の木を踏み付けて歩くのは決して楽ではないと思うのですが、このような形で踏み付けて歩かれてしまうことで枝が折れたり曲がったりする地味に厄介な被害が出てしまうのです。

 

このような被害が出た場合、出来る範囲で元の形に戻るように手直しを行います。ただ完全には戻りません。折れた枝を元通りにすることは不可能ですし、枝の位置が大きく変わってしまうため穴が開いたような状態となってしまいます。また、一部の枝は飛び出たままになってしまうので、そのような枝葉は刈り落とす必要が出てきます。

冬であれば本格的に芽が膨らんでくる前であるため多少の挽回は出来ますが、今の時期は萌芽前の芽がぷっくりと膨らんだ状態。良い状態の芽も刈り落とす必要が出てきてしまうため、全体で見れば刈り落とす量は少ないですがショックではあります。

かと言って、そのままにしておけば収穫時に混入するリスクを高めます。品質の低下などを招くため手直しは必須の作業となります。

 

このようなシカの被害は10年ほど前までは一切なく、5年ほど前から急激に増えてきました。近年シカの生息域が拡大し生息頭数も大幅に増えていることが影響しているのですが、お茶の木の被害だけでなく茶草場の草が消失してしまったり、山の若い木々が喰われて生長しなくなってしまったりと環境への影響も拡大する一方。対応などもしていますが事態を好転させるほどの状態にはまだ至っていないため、大変なのですがより力を入れていく必要があるのかなと思います。