日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

お茶の花

こんばんは。

最近はずいぶんと寒くなりました。

 

タツも先日設置しましたが、朝晩は電気を入れるようになってきました。

もう少し寒くなれば、いよいよ温風ヒーターも出そうと思っています。

 

今日はお昼頃から雨が降り出しましたが、雨が降りだすとともに気温もガクンと下がりました。

春は一雨ごとに暖かくなったり季節が進みますが、秋も雨が降るごとに寒くなったり季節が冬へ進んでいるように感じます。

 

 

お茶の花

お茶の樹も1年に一度花を咲かせます。

季節は秋から初冬にかけて…。

 

ちょうど今現在からもう少し寒くなる頃までが、お茶の花の開花時期になります。

 

夏を過ぎると、まず花芽が誕生します。

最初は米粒にも満たない小さな大きさしかありません!

 

それが徐々に生長し、つぼみが膨らんでいきます。

最初は全体が緑がかっているのですが、膨らむごとに表面が白っぽくなっていきます。

 

つぼみが完全に膨らむと、いよいよ開花(^^)/

白い花びら、黄色の雄しべが何本も伸びた花を咲かせます。

 

伸びた雄しべの先端は黄色になっています。

広がり方を見ると、何となく花火と似ているような感じも…

お茶の樹はツバキ科の植物なので、椿やサザンカと雰囲気が似た花となります。

観賞用として、お茶の樹とツバキやサザンカをかけ合わせた品種もあるようです!

 

ちなみにお茶の花の直径は100円玉程度になります。

 

 

なるべく花が咲かないように…

お茶の樹の栽培では、なるべく花が咲かないように管理するのが重要です。

 

と言うのも、お茶の樹を栽培して得るものは花や実ではなく、新芽や葉っぱだからです。

 

 

農作物は、収穫する物や成長段階によって肥料の成分や量を変える必要があります。

植物は「花や実を付ける生長」と「葉を茂らせたり、体を大きくする生長」の2つに生長段階を分けることが出来ます!

 

例えばトマトやナスなどの実を収穫する野菜は、植え付け直後は体を大きくし、ある程度大きくなったら花や実を付け始めます。

 

体を大きくするためには窒素肥料を多めにあげて、花や実を付ける時はリン酸肥料などを多めにあげるなど、肥料を調節することで元気に育つようにしているのです(^^♪

 

もし花や実を付ける時になっても、窒素肥料を多めにあげてしまうと花の数が減少するなどの影響が出てしまいます。

 

逆にホウレンソウなどの葉物野菜の場合は、花や実を付ける必要はないので、基本的には窒素肥料を多めにした肥料で育てるのです。

 

 

お茶の樹も新芽や葉を収穫する作物です。

つまり葉物野菜などと似ていることになります。

 

肥料も窒素肥料を多めにした設計で、なるべく花を咲かせないように育てるのが基本となっています。

 

また、お茶の樹で花がたくさん咲くのは、樹が弱っている証拠とも言われています…。

次の世代へ命を繋ごうと実を付けるために、たくさん花を咲かせるのです。

 

例えば、夏の時期に気温が高く推移したり、肥料が不足していたり、病害虫の被害に遭ったり…

このような影響を受けると、お茶の樹にはストレスがかかり、元気に育つことが出来なくなってしまいます。

 

そして、種をたくさん実らせるために花をたくさん咲かせるのです。

 

 

ただし、お茶の樹も植物なので全く花を咲かせない訳ではありません。

全く花が咲かないのは、とても不自然です…

 

どんなに健康的なお茶の樹に育てていても、少しは花を咲かせます。

 

茶畑が白く見えるほど花が咲くのは問題ありと言えますが、チラホラと見える程度であれば全く問題はありません!

健康的に育っていると言えるでしょう(^^♪

 

 

お茶の花にまつわるあれこれ…

全く花が咲かないのは不自然と言いましたが、ごく一部には花やつぼみを一切見ない茶畑もあります。

 

このような畑は、品評会(お茶の品質などを競うコンテスト)に出品するような畑です。

 

全国規模の品評会に出品する場合は、畑の状態をチェックされることもあるそうで、付いたつぼみや花・実などを全て手で取り除くそうです。

以前、川根地域でお茶農家をしている人の品評会に出品する茶園を見せてもらった時に、1つずつ手で取りぞくと聞きました!

 

 

最後に…

お茶の花を見るようになると、季節が秋になった…そして冬に向かいつつあることを実感します。

 

今の時期にしか見ることの出来ないお茶の花!

畝間の下の方の枝にポツポツと見れる程度ですが、小さく可愛らしい花が咲くので、この時期の楽しみです。

 

ただし、たくさんの花が咲いてしまうと、お茶の樹が弱っているサインとなるため、たくさん咲かないか…少し不安にもなります。