日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

この時期になると多くなるシカなどによるチャノキの食害

こんばんは。

今日は朝からずっと曇り空、気温も低めでさらに風も少しあり肌寒い一日であったともいます。防霜ファンも今朝は全て稼働していたようですね。

 

ただ、今朝は若干雲が空を覆っていた事と風があったことにより霜が降りるまでには至りませんでした。風が無く晴れていれば結構冷えていたことが予測されるので

そして今後は最低気温が下がりそうな予報が出ています。特に今週中頃から後半にかけては要注意となるでしょう。まだ、萌芽前であるためそこまで心配はしていませんが、この時期になると気温が下がりそうな予報が出るとヒヤヒヤしてしまいます。

 

この時期増加するチャノキの食害

3月になるとなぜかニホンジカニホンカモシカによるチャノキの食害が増加します。

果菜類と比べるとチャノキの食害は一般的ではないですし、いまいちイメージしにくいかと思いますが、茶畑の外周付近や畝間近くの葉っぱを食われてしまうのです。

上の写真は食害を受けた箇所、下の写真が通常の状態です。

食害を受けた所もまだ葉っぱが残っているのであまり違いが無いようにも見えるかもしれませんが、上から葉っぱ2枚程度食われてしまっています。また、これ以上に食害が進み枝と一部の葉っぱが残るのみで緑色に見えない所も出てきてしまっているほどです。

 

そのような状態になると当然生育にも影響が出てしまいます。

葉っぱが失われることで光合成に支障が出るだけでなく、蓄えた栄養分の供給も減ってしまうため今後伸びる芽の生育や品質が低下します。またシカの唾液に植物の生育を抑えるような効果があるのか、やや長い期間に亘って生育を低下させる事もありますね。

 

そんな食害が最近増加傾向にあります。

青草が少ないあるいはほぼ無いのは1月頃も同じなので、なぜこのタイミングで被害が増えるのか、今と真冬とどのような違いがあるのか少し気にはなっているところです。

 

簡単に思い浮かぶのは、休眠から目覚め水上げをするようになり食味などが変化しているのか、単純に季節の変わり目などの季節的な影響があるのか…。はっきりとは分かりませんが、両者の違いがやや気になっています。

まあ、食害を受けるとチャノキの生育に影響が出てしまうので、食害は回避できるのがベストなのですが…(^^;)

もしもの時に備えて… 「山」の字のようなお茶の芽

こんばんは。

今日は風が強い一日。特にお昼ごろから夕方にかけて強い風が吹き、木が折れてしまうのではないかと思うほどでした。強い風が吹いたため久しぶりに枯れ枝が落ちたりして、大きめの枝は拾って道端へ取り除きつつ茶畑へと向かう事となりましたね。

 

なお、今回の強風は北ややや東よりの方向から強く吹いてきた傾向があるように思います。いつも強い風が吹く方向とは違うため久しぶりに枝が落ちたりしたのでしょう。

気温はそれほど低くなかったと思いますが、風が強かったため動かないと体温を奪われる一日であったと思います。

 

この時期のお茶の芽

昨日から防霜ファンのスイッチを入れることとなりましたが、入れたから終わりではなく今後時間をかけてセンサーと温度計の調節を行ったり見回りを行い遅霜に備えていきます。ほとんど表舞台には出てきませんが、非常に重要な作業なのです。

 

その一方、遅霜などのリスクに備えているのは我々だけでなくチャノキも…。収穫ではお茶の芽を取ってしまうのですが、本来であれば新しく伸ばした体の一部であり光合成を行う重要なところになります。

つまり、遅霜などの影響を受けてしまい芽が枯死してしまうと体を作り出すのに支障が出てしまうのです。

ですがチャノキもそのようなリスクに備えています。

上の写真ではぷっくりとした芽があるのが分かると思います。注目して頂きたいのはぷっくりと膨らんだ芽の両脇です。

 

分かりやすく印をつけるとこの部分になります。

実はこの部分も独立した「芽」なのです。

小さいので伸びたとしても長さはそれほどありませんし開く葉っぱの枚数も少なくなります。そして何よりも真ん中のぷっくり膨らんだ芽と比べると生育もやや遅いです。

 

真ん中の膨らんだ芽が最も優先して育つ芽になるのですが、両脇の芽は何らかの影響により生育しなくなった場合に備えていると言えますね!

 

なお、お茶の栽培においては真ん中の最も膨らんだ芽が育ち収穫出来ることがベストです。品質面でも生産量の面でも、この真ん中の芽がダメになってしまうと出来が低下してしまいます。

防霜設備の設置や葉面散布などによる耐凍性の向上を狙うなどし、最もよく膨らんだ芽が無事に育ってくれるような努力をしているのです。

防霜ファンのスイッチオン

こんばんは。

3月も折り返しを過ぎ間もなく下旬に突入しようとしています。上旬の頃はまだ冬らしさを感じる日も多かったですが、下旬になると一気に春らしさが増してきますね。草花の開花や発芽、萌芽も進みますし、生命力あふれる季節がやってこようとしています!

 

そしてこの土日は結構暖かな気温であったと思います。手元の温度計で最高気温は20℃となり、この気温の恩恵を受けた植物も多いのではないでしょうか。

お茶の芽も本格的に膨らみつつあるため、本日から防霜ファンのスイッチを入れることに。見回りをしつつ設定の調節をしていく必要がありますが、今後は一定の気温を下回ると防霜ファンが動き始めるようになるのです。

 

萌芽シーズンが近付いてきたことを作業面からも感じます。

 

その一方で、先週は朝晩の冷え込みが若干強く霜の朝を迎えた日が多かったです。

日が当たり始めるとすぐに融けてしまうのですが、それでも白くなるほどの霜が降りていましたね。このような霜が萌芽後に降りると高確率で芽が凍ってだめになってしまうでしょう。が、まだお茶の芽は萌芽していないため枯死するようなことは無いと思われます。霜が降りなかった場合と比べると生育が遅れる可能性はありますが。

 

今後は防霜ファンの稼働もあり茶畑が霜で白くなるようなことはほぼ無いと言っていいでしょう。防霜ファンなどの防霜設備が役に立たないほどの寒気が入ってくれば霜が降りてしまう事があるかもしれませんが、もしそうなったら生育に影響が出てしまうのは必須です。

 

防霜設備があれば多少の霜の影響は回避できますが、最終的にはきつい霜が降りないことを厳しい寒波がやってこないことを願う事しか出来ません。無事に収穫できる時を願いつつ芽が育つのを待ちます。

法人設立 登記申請をしに静岡へ

こんばんは。

今日も朝晩の冷え込みはそこそこ厳しくなったものの日中に関してはしっかりと日差しが届き気温も上昇、過ごしやすい一日になったと思います。

先日、木の芽が膨らんできていること一部の山桜で芽が出始めたことを書きましたが、本日その木を見てみると花が咲き始めているのも確認できました!

 

山桜なので個体差があり早い時期から咲くものもあれば遅く咲くものもあります。その木は毎年早い時期に咲くのですが、今年に関しては特にその傾向が強いように思います。ほかの桜の木のつぼみを見るとまだ固そうな状態なので、今年は桜の開花にばらつきが生まれそうな気がしているところです。

 

そんな春の訪れを告げるような光景を目にした今日は静岡市の法務局へ法人設立の登記申請の書類を提出しに行ってきました。単に提出しただけなのですが、今日は一粒万倍日、虎の日、天赦日といろいろ重なった日。私自身は特段信心深くはないのですが、せっかくなのでゲンを担いで本日提出することを前提に準備していたのです。

なお一粒万倍日など色々重ならなくとも3月以降に設立をする予定であったため良い機会であったかなと思います。

ただ、経営の形態は目的ではなく手段でしかありません。今回法人設立の判断をしたのも、その方が今後のお茶づくりや農地や山林の維持をする上で利点が多いからだと判断したためです。

 

会社の登記が完了すればその後の手続きなどで少し忙しい日が続きますし、今後法人として経営をしていくので少なくとも一年(正確には一期)は慣れないことが多くなり大変になるかと思われます。

ただ一年目に関しては今までの経営規模と変わらないため、ゆっくり育てていくには良い機会かなと思っているところです。

カンザワハダニの防除開始

こんばんは。

今日は手元の温度計で最低気温が0℃、最高気温が15℃となりました。朝は寒さ厳しく厚着をしないと外に出るのがしんどかったですが、日中に関してはこの時期らしく過ごしやすかったかなと思います。

ただ、昨日と今日は若干風が強かったです。気温が高い分(真冬と比較して)そこまで体温を奪われるような感覚にはなりませんが、この時期は強い風が吹くと花粉が飛びやすくなるのが少し辛いですね。

 

まだまだ花粉飛散前の木が見られるので、もうしばらくは頑張って対応していきたいものです。

 

カンザワハダニの防除

今日からカンザワハダニ、通称赤ダニの防除を開始しました。

ただ、チャノキの表面上ではほとんど姿を確認できません。痕跡が見られた葉っぱもあるにはあるのですがダニの姿は見られなかったので、先日の激しい雨で流されてしまったり水滴で窒息したのでは無いかと思われます。

※チャノキの表面は越冬する場所として適していないので、この時期にはあまりいない傾向もあるにはあるのですが…。

 

何か所か確認したところチャノキ表面上は防除が必要となるような水準では無いように思いました。が、道路沿いの裾部分では姿がそれなりに見られましたし動きも活発であったため今後増殖する可能性が高いと判断、全面的な防除ではなく場所を絞って重点的な防除方法で実施することにしました。

なお冬越しするダニはチャノキの表面の葉っぱではなく裾部分の葉っぱで越冬する傾向にあるとされています。それも南側を中心とした日当たりの良い部分や道路沿いなどの気温が上がりやすい場所で越冬していることが多いですね。

そのため、この時期防除が必要になるのかの判断も裾部分を重点的に確認し、そこでの生息頭数や活動状況を考慮し決めています。

今年は昨年と比べると全体的な生息頭数は少なめかと思います。

ただ、暖冬傾向であったためすでに活発に動いていましたし、場所によっては繁殖しつつあるような痕跡も見られました。雨のお陰で多少発生が抑えられていると思われるので、逆に今年が少雨傾向だったらかなり繁殖していたのではないかと思われます。

 

この時期に防除し発生を少しでも抑えることが出来ればその後の管理が楽になりますし、何よりも天敵たちの力も借りやすくなります。カンザワハダニの発生がピークになるのは5月から6月にかけてなのですが、多発させた状態だと天敵が活動するようになっても生育に影響が出てしまう事が多く、チャノキの生育に悪影響が出てしまう事も…。そのためには、まだ天敵たちが活動し始める前のこの時期の対策が重要なのですが、過剰な防除はせず、かと言って甘く見て対策をしなかったことにより多発することがないよう適度に手を入れることを心掛けています。

本格的に動き始めたお茶の芽

こんばんは。

昨日は朝から雨が降り始め、午後には激しく降る天気となりました。雨が降っていることで少し肌寒さを感じる気温であったと思いますが、お茶の生育の観点から見ると良いお湿りになってくれたことでしょう。

 

春の肥料まき後の雨であるというのもポイントが高いです。これはチャノキに限りませんが、植物が肥料などの成分を吸収するためには水分が欠かせません。個体のまま吸収するのではなく成分が水に溶けそれを吸収するような形になるため、肥料を施したとしてもその後乾燥傾向にあるとあまり効果が出なかったりすることもあるのです。

 

また、単純に芽が育つ時期には水分か必要になるという傾向もありますね。

3月末頃からは萌芽が始まり一番茶の芽が本格的に伸び始めます。この芽が伸びていく時期が乾燥気味であると芽の生育が悪くなり収穫量が減ったり、品質がやや低下することもあるのです。

多少、雨が少ない程度であれば問題が無いようにしっかり土づくりを行っていますが、それでも適度に雨は降ってほしいものです。

 

本格的に芽が動く時期に

今日は朝から夕方までしっかりと青空が広がりました。若干風が強く、やや冷たさを感じましたが寒くは無く、この時期らしい気温だったかなと思います。

雨が降り晴れて気温が上がるとなると、植物は本格的に生育を開始するようになるでしょう。実際、目に見えてわかるほど芽やつぼみが膨らんできている山桜などの雑木を目にすることもあるほどです。

 

そしてそれは、チャノキも例外ではありません。

もう完全に休眠から目覚めている時期になりますし、分かりにくくともジワリジワリと芽が膨らませています!

 

道路のすぐ横など温度が上がりやすい場所は特にその傾向が見られますね。

今日は少し用事を片付けチャノキの状態を確認する一日としました。

 

この時期注意したいのはカンザワハダニ(通称赤ダニ)の発生状況です。5月頃になると天敵たちの活動も活発になり、赤ダニの発生が自然と抑えられるようになっていく事が多いのですが、4月頃までは気温が低いことなどが影響し増殖してしまう事があります。

小さい体ながらも芽や葉っぱから樹液を吸ってしまうため生育に与える影響は大きく、芽が伸びなかったり縮れて変色した姿となってしまうのです。

 

赤ダニは今年は全体的な発生は少ないような印象を受けましたが、越冬しやすい場所ではそれなりに発生が見られました。すでに活発に動き始めていたので、下手をすると今後増殖する可能性が高いと思われます。

そのため明日からはダニの防除(部分的に予定)と葉面散布を実施していこうと思っています。

浅耕作業も無事に終了

こんばんは。

今日は朝から夕方まで気持ちの良い青空が広がりましたが、夕方からは雲が広がり始め低気圧が近付いていることを実感させる空模様となりました。明日の日中は雨が降り続きそうですし、なかには激しく降る時間帯もある予報が出ているので、土をしっかりと湿らせる雨となってくれるのは確実でしょう。

肥料を混ぜ合わせた土も良い感じに馴染むと思うので、本日で浅耕作業などを終えることが出来て良かったなと思っているところです。

これにて春の肥料まきは完全に終了。

今後、気温が上がり季節が進むにつれて肥料が分解されたりチャノキが吸収するようになり、目に見えるような変化は無くともジワジワと効果が出ていく事でしょう。

 

春の肥料まきは一番茶などの出来に影響するだけでなく、その後の生育や土づくりにも欠かせない作業になります。一回だけ一年だけでは結果が出てこないですし、続けた効果が出てくるとしてもその変化はとても些細なものです。

それでも、お茶の出来を決める要因の一つになりますし、生産者の個性が出る部分でもあるため特に力を入れて取り組みたい分野になります。