日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

化粧刈り作業によるチャノキ表面の変化

こんばんは。

今日の川根町上河内地区は朝から曇り空。晴れさえすれば彗星を見ることが出来るかなと思っているのですが、チャンスが得られない日々が続いています。明日も一日を通して雲が広がり雨が降りやすそうな予報が出ているため、現時点での天気予報を見る限りでは日曜日の夕方からの晴れに期待したいですね。

 

化粧刈りビフォーアフター

先日無事終了した化粧刈り作業ですが、その作業によるチャノキ表面の変化を投稿していなかったので振り返りつつ投稿したいと思います。

 

秋は来年の一番茶へ向けて伸びた枝葉を刈り落とし表面を刈り整える時期になります。

ただ、枝葉の量が多いため一度の作業ではきれいに整えることが出来なかったりもしますね。そのため一般的には2回程度に分けて作業を行ったり、秋冬番茶として収穫を行いその後ナラシ作業をするなどの傾向があるのです。

一回目のナラシ作業を終えた後は上の写真のような状態になります。これでも十分整えられたようには見えますが、よく見ると飛び出ている葉っぱがあるのが分かるでしょうか。刈り落とす枝葉の量が多いため、どうしてもこのように葉っぱや葉っぱの一部あるいは芽が残ってしまう事があるのです。

 

このような状態になっていると大きく二つの問題を引き起こすことがあります。

一つは一番茶の収穫時に古い葉っぱが混入するリスクが高まること。混入するリスクはは決して高いものでは無いのですが、化粧刈りをしないと混入の可能性は高まりますし何よりも快適に作業が行えなくなるため、飛び出た葉っぱなどがあると地味に気になってしまいます。

 

もう一つは病気の発生です。これから冬にかけてと春先には「赤焼病」という病気が発生しやすくなります。これは細菌由来の病気であり、葉っぱに出来た傷口から病原菌が侵入・感染し病気となるものです。刈り残った飛び出た葉っぱには傷がたくさんついている傾向があるため、より病気になりやすい部分と言えるでしょう。

そのため傷がたくさん付いているであろう葉っぱは刈り落としてしまったり、切り口をきれいにすることが病気の発生を抑えることにも多少は貢献してくれると思っています。

 

これらの問題を回避するために化粧刈りこと二度目のナラシ作業を行うのですが、作業後には下の写真のような見た目へと変化します。

見比べるために再度作業前の写真も載せました(下)

こうして見比べると化粧刈りを終えた状態の方がチャノキの表面がきれいに整えられているのが分かるかと思います。

 

劇的な変化があるわけでは無いですし、作業をしていてもそこまで達成感があるわけでもありません。しかし作業をすることで多少なりともチャノキに変化は見られ効果も確実に得られます。地味ながらも重要な作業と言えるでしょう。