日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

茶草場の維持に大きな問題発生

こんばんは。

今日は気温が上がり暑い一日となりました。日差しもたっぷりと届き植物の生育を後押しするような環境であったと思います。お茶の芽も明日朝にかけてググっと大きくなってくれるかなと期待しているところです。

ただ全体的に見ると芽はまだ小さいままです。一昨日までは若干気温が低かったので思っていたよりも芽が生育しなかったのだと思います。道沿いなどの一部分はずいぶん芽が大きくなりましたが、そうでない場所との差が今年は特に大きいですね。

 

茶草場消失の危機

茶草場におけるシカなどによる食害は3年ほど前から問題になってきました。内容としてはニホンジカカモシカが茶草場にあるススキやササ、各草花を食べてしまう事でそれらの植物の生育が抑えられたり消失してしまう被害です。

ただしシカが嫌うのかワラビは繁茂しています。ワラビが悪いわけでは無いのですが、茶草場の環境としては多様な植物があった方がいいですし、農業生産的には敷き草として利用できるススキ(カヤ)やササがある程度あった方が良いですね。また斜面を保護する力もススキやササの方が強いので、それらの植物が消失してしまう事で斜面の崩落なども発生しています。

 

茶草場を代表する草はススキなのですが、この時期のススキは本来であれば葉が伸びてきてこんもりとした状態になっています。

しかし今年は緑色の葉っぱをほとんど見ることが出来ず茶色い部分が見えたままです(本来であれば緑色の葉っぱに覆われ茶色い部分は見えなくなっています)

葉っぱが少しでも伸びればすぐに食われてしまうため葉がなかなか伸びず茶草らしさは一切ありません。このように何度も食われてしまえば当然生長に影響が出てしまいます。さらにシカの唾液か何かに生育を低下させる効果があるのか、次第に株が弱ってしまい最後には消失してしまうのです。

 

現時点での食害は今までにないくらいのペースで進んでいます。それも全ての箇所の茶草場で食害が進んでいるため、早ければ今年にも茶草場の環境が失われてしまうのではないかと危惧しているところです。

 

シカの捕獲なども進められていますが、増殖スピードの方が速く被害は拡大する一方。今回は畑という人工物の近くの話ですが、山林でも食害が進行し木が枯れてしまったり若木が育たなかったりしています。

このままでは深刻な状況となってしまうので何とかして生息密度を減らさなければなりません。が、捕獲を進めると言ってもそう簡単なものでもありませんしなかなか難しいです。