日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

シカの影響で崩壊した斜面の手直し

こんばんは。

今日から寒気の影響で気温が低下する期間に入りましたね。今日はそこまで冷え込みは厳しくなりませんでしたが、風が強く冷たい状態であり夕方以降、気温がどんどん下がってきているように思います。

天気予報を見ても氷点下まで下がるのは確実でしょうし、週末にかけて厳しい寒さとなることは避けられそうになりですね。

 

なお、今夜から明日にかけては風が強く吹く予報が出ているので気温が下がったとしても霜が降りることは多分無いかと思います。問題は明日の夜から明後日の朝にかけてです。気温が下がり風も弱まるため、きつい霜が降りるような条件となっています。

防霜ファンのスイッチも入れてありますし、まだ萌芽前なので大事にはならないと思いますが、それでも心配になりますね。

 

崩壊した斜面

昨日はシカによる食害の話を投稿しましたが、影響があるのはチャノキだけではありません。周辺環境にも多くの被害が出ています。

そのうちの1つが茶畑周辺の茶草場での被害です。ススキなどの植物が食われてしまう事により生育が低下したり場合によっては枯れてしまったり。植物の中にはその姿を見ることが出来なくなってしまった種類もあるほどです。

 

そして、植物が生育低下したり枯れてなくなると斜面を保護する力も弱まります。そこへシカなどの動物が斜面を歩くので、少しずつ斜面が崩れ崩壊してしまうのです。

こちらの場所は特にその被害が大きく、幅50cm近く斜面が無くなってしまったところもあるほどです。作業をする上でも支障があるどころか、かなり危険性が高いと言えますし、このまま崩壊が進めばチャノキにまで達してしまうのは確実でしょう。

そうなると人力での復旧は厳しいので重機を利用してチャノキの改植をしつつ、斜面も再度整えていく必要が出てきますね。

 

このまま放置しておくことは出来ないため、軽くではありますが土留めを作る事にしました。

 

手直し

利用するのは以前伐採した木の枝や幹。杭や土留めとして利用することで、斜面の崩壊を止めるあるいは崩壊のスピードを抑えることを目標としています。

今回は崩壊した部分が大きいため、段々の土留めにする必要があり地味に大変でした。

また地味に木の消費量が多く、手直しすることが出来たのはほんの一部分だけになってしまいましたね。

さらに、このような土留めを作ったとしてもシカが何度もこの場所を歩けば簡単に壊されてしまいます。実際、昨年もほかの場所で同じような土留めを作りましたが、一年も持たずに壊されてしまいました。

 

斜面をより強力に保護できるようカヤ(ススキ)の植え付けもしていきますが、これも一筋縄ではいきません。しっかりと根付く前にシカに喰われてしまうと引き抜かれて枯れてしまいますし、根付いたとしてもその後食害を受けると生育が思ったように進まないです。

ほんの10年ほど前まではこのようなことは無く、近年シカなどが急速に増加していることで発生してきている問題です。被害は年々拡大する一方ですが、対策は一筋縄ではいかないのでなかなか大変な問題であると言えます。

 

なお、山林の方でも低木が食われてしまい生育できなかったり(若い木が育たないので山林の更新に支障がある)樹皮を食われてしまう事で生育が低下したり場合によっては枯れたりするなどの影響も出ています。

植物の中には食害によりその姿を見ることが出来なくなってしまった種類もありますし、山林などの環境面でも大きな影響があることは確実でしょう。適切な対策、対応が必要である状態だと言えますね。