日々お茶暮らし

お茶で有名な川根地域でお茶づくりをしている茶農家のブログです

揺らぐ、日本一の茶産地 「静岡」の茶業の現実…

今回は、先日投稿した「日本一の茶産地静岡県 何が日本一なのか?」の続きとして、投稿していきたいと思います。

 

産出額の推移

静岡県といえばお茶』というような、イメージを持つ方は多いと思いますが、実は静岡県の茶業は徐々に衰退しつつあるのです!

 

それが最も分かりやすいのがこちら↓

お茶の産出額の推移を表したグラフです。

 

静岡県のほかに、生産量第二位の鹿児島県、そして有名産地である三重県京都府、福岡県も載せて比較してみました。

 

平成4年ごろをピークに静岡県内の茶の産出額は年々減少中です…。最も多かった年と現在を比べると、約1/2まで落ち込んでしまっている、という現実があります(゚д゚)!

 

理由としては、

・ペットボトル茶の普及による価格の安いお茶の需要が増えた

 

・高級なリーフ茶(急須で淹れて飲むお茶)があまり売れなくなった

 

・安いお茶の需要が多くなった

 

などなど、様々な要因が重なり、静岡県の茶の産出額は減少してしまっています。

 

しかし、鹿児島県ではわずかに増加傾向ですし、京都や三重、福岡では大きく変化はしていません!

 

少なくとも産出額の面では、そう遠くないうちに静岡県が日本一の座から転落してしまうと思います…。

 

茶畑の面積は…?

静岡県に入ると、必ずと言っていいほど見かけるのが茶畑!

 

その静岡県の景色の代表ともいえる茶畑、その面積の推移を次は見て行こうと思います。

 

その推移を表したグラフはこちら↓

年々、減少しつつはありますが、それでも二位の鹿児島県に倍ほどの差をつけるほどの面積を誇っています。

 

茶の栽培面積は、まだまだしばらくの間は日本一の座にあると思いますが、今後も減少が続いていくでしょう。

 

特に傾斜のキツイ山間地の茶畑は、品質の良いお茶が生産できる環境ではあるものの、作業が大変で大きな機械の導入も難しいため、高齢化や後継者不足の影響が徐々に出てきています。

 

私の地元である川根地域も、所々に荒廃茶園(お茶の生産を止めてしまい、荒れてしまった畑。耕作放棄地)が目立つようになってきています。

 

荒茶の生産量

そして最後は荒茶の生産量です。

 

どれだけの量の、お茶を生産しているのかを知ることができる荒茶生産量。『荒茶の生産量日本一お茶の生産量日本一』であると思うので、産出額・面積・生産量の3つの中で、最も存在感の強い日本一だと思います。

 

では、その推移をまとめてみました!

こちらも静岡県は、徐々に減少しつつあります。

 

しかしその一方で、鹿児島県は徐々に生産量を増やし、平成の間にかなり追い上げていることが、ハッキリと分かります。

 

鹿児島県は温暖な地域であるため、1年間に4回以上お茶の収穫を行うことができます。

 

また、大きな機械を導入することを前提に、畑を整備しお茶を育てている畑も多く、機械化が進んでいるため、広い面積の茶畑を少人数で管理することができるのです!

 

ペットボトルのお茶の原料としての需要も多いため、鹿児島県のお茶の生産量は増えているのです。

 

荒茶の生産量も産出額と同じく、もしかしたらそう遠くない将来、静岡県は日本一の座から落ちてしまうかもしれませんね…。

 

最後に

ちなみに今回紹介したグラフは、「静岡県経済産業部農業局お茶振興課」が作っている『静岡県茶業の現状』という冊子に乗っているデータを基に、作成をさせて頂きました。

 

静岡県内でお茶のことについて学んでいると『お茶の業界が厳しい』という声をよく聞きますし、大きな問題として取り上げられています。

 

また「日本一の茶産地の座が危うい!!」ということで、様々な方法でその座を守ろうと、取り組みが行われています。

 

しかし、私個人としては『日本一の茶産地』という称号にこだわるあまり、お茶を飲む消費者の存在をないがしろにしてしまっては、本末転倒だと思います。

 

日本一は、確かに惹かれる言葉ですが、お茶は人が淹れて飲むことで、初めてお茶として価値を持つものだと思います。

 

消費者のこと、飲んでくれる人のことを第一に考えたお茶づくり、そしてお茶の販売を目指していきたいと思います。