おはようございます。
昨日の冷え込みは非常に厳しく最低気温は-4℃まで下がっていました。
しかし、日中は雲一つない青空と風が穏やかな事もあり非常にポカポカした陽気でしたね(^^)/
最高気温は11℃までしか上がっていなかったようなのですが「体感的には20℃近くあったのではないか」と思ったほどです。
今日からは再び気温が上がる予報となっています。
昨日以上に気温が上がるため、今週前半から中盤までとの寒暖差がとても大きくなりそうですね。
花粉の飛散も多くなりそうですし、体調にはお気を付けてお過ごしください!
蔓延は何としても避けたい
火曜日から昨日までは「赤焼病:あかやけびょう」という病気からお茶の木を守るために防除作業を行っていました。
赤焼病はお茶の木が感染する病気の中では少し珍しい特徴があります。
・他の病気がカビを由来としているのに対して赤焼病は細菌由来の病気であること。
・発生する時期が晩秋や早春など気温の低い時期になるということ。
・強い風を伴った雨で感染が広まり霜が降りる事で病気が発生する可能性が高まること。
これらになるでしょうか。
感染が広まると葉が枯れてたくさん落ちてしまいますし、場合によっては春に伸びるはずの新芽も枯死(死んで)しまいます(>_<)
ただし、他の病気と同じ特徴もあります。
病気が出始めた直後に対策を行うことで感染の広まりを抑えることが出来るので、お茶の木の生育状況や天候などを考慮しながら適切に防除を行います!
今回は2月の上旬と月曜日に強い風を伴った雨が降ったこと。
昨年イノシシなどに荒らされて赤焼病が平年よりも多く発生。病原菌が多く存在している可能性があることから、しっかりと防除を行う判断をしました。
最大の特徴は「細菌由来」という点です。
細菌を退治するためにはよく抗生物質が使用されますが赤焼病も同じになりますね。
今回は農業用の抗生物質「カスガマイシン」と銅剤を組み合わせたカスミンボルドーという農薬を使用して防除を行いました。
銅剤は葉の表面に付着して新しく病原菌が葉の中に侵入するのを防ぐ効果があります。
雨が降らなければ3週間程度、累計で300㎜程度の雨までは効果が続くとされています。
しかし銅剤には病原菌の侵入を防ぐ効果はあるものの病気を直接治す効果はありません。
そこで重要となるのが『カスガマイシン』になるのです。
カスガマイシンは感染して間もなくの病原菌などを退治してくれる効果があります。
すでに発病して葉が変色してしまった物を治すことは出来ませんが発病する前や感染した直後であれば効果がありますね。
とは言え、散布後に太陽の光や微生物などの働きによりどんどん分解が進みます。
効果があるのは数日から十数日程度となるため感染が広まり始める頃に使用するのが重要となるのです。
感染初期の段階で病気を抑えることが出来れば、その後の発生も少なくできるためお茶の木も元気に育ってくれますし、農薬の使用も最低限に抑えることが可能となります。
今回は赤焼病を対象として10a当たり280L程度散布しました。
実は日本と深い関係が…
今回使用したカスミンボルドーという農薬ですが、抗生物質と使用されているカスガマイシンは実は日本ととても深い関係があります!
抗生物質には○○マイシンという名前が付いている事が多いですが、カスガマイシンもこれに当てはめると
カスガ+マイシン
という事になりますね。
もしかしたら「カスガ」という単語でビビッと来る方もいるかもしれません(^^;)
そうカスガマイシンのカスガとは春日の事になるのです!!
カスガマイシンは奈良県の春日大社の土壌にいた微生物由来の抗生物質となるため”カスガ”マイシンという名前が付けられています(^^)/
カスミンボルドー(カスガマイシン)は、実は日本と日本の土と深い関係がある資材になるのです。
最後に
安心して飲んで頂けるお茶を作るために農薬の使用をなるべく少なくすることが重要だと思っていますが、それでもお茶の木を病害虫から守ったり安全なお茶を作るために最低限度の農薬の使用は欠かせません。
使用する農薬を決める時は
・人に対して安全性が高いこと
・確実に分解が進むこと
・天敵となる虫や周辺にいる虫に対して優しいこと
などを重視。色々な情報を調べてから使用するかどうかを決めています。
全て化学的に作られたようなイメージもある農薬ですが、中にはカスミンボルドー(カスガマイシン)のように日本の土壌を由来とした物もあるため、そのような資材を優先的に選択するようにもしていきたいと思います。