日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

天敵チャハマキチビアメバチとチャノコカクモンハマキに関して思うこと

こんばんは。

今日の川根町上河内地区は朝から雨が降ったり止んだり。降る時はやや強めの雨となっています。

雨がしっかりと降っているので外作業は行えません。事務作業や役仕事を行いましたが、体を休めるには良い機会となりました。

 

今年はチャノコカクモンハマキが多め

順調に育ってきている夏のお茶の芽ですが、ここ1週間から2週間の間に一部畑のほんの一角でチャノコカクモンハマキの食害が目立ち始めました。

 

チャノコカクモンハマキとは、蛾の一種であり幼虫の間にチャノキの葉っぱを食べて生育に悪い影響を及ぼす害虫になります。同じような被害をもたらす蛾としてチャハマキというのもいるのですが、名前だけでなく食害の傾向や姿にも若干の違いがあります。

上の写真がチャハマキ下の写真がチャノコカクモンハマキになります。

オスとメスでも姿に若干の違いがあるので、それぞれ分かりやすい写真を選びました。

 

教科書的には静岡県ではチャハマキの方が発生量が多く、チャノコカクモンハマキは少なめだとされています(鹿児島では逆の傾向があるとされています)

しかし近年様子を見ているとチャハマキの発生は少なめであり、チャノコカクモンハマキの方が多く発生しているように思いますね。特に今年はその傾向が強く出ています。

 

チャハマキに関しては下の写真のチャハマキチビアメバチ

こちらが主な天敵となっているため、発生が抑えられているのでしょう。今年の夏も多少成虫の姿を確認しましたが食害の後は極めて少なく、彼らの姿を度々見かけました。ほかにも天敵となる虫はいるのですが、チャハマキチビアメバチに関しては比較的見つけやすい大きさなので度々見ることが出来ているのでしょう。

 

しかし、チャノコカクモンハマキの発生が多くなってきたのはここ数年の事であるため、まだ天敵の力が不足気味なのではないかと思われます。

十数年前に入ってきたチャトゲコナジラミという害虫の時も(中国から新たに入ってきた害虫です)侵入してきて間もなくの数年間は爆発的に増加していましたが、今ではシルベストリコバチを中心とした虫や昆虫病原糸状菌など、様々な天敵の働きによりしっかりと抑えられています。

そのため、近年発生が多くなりつつあるチャノコカクモンハマキに関しても数年間は様子を見る必要があるかなと思っているところです。

 

チャノコカクモンハマキの発生が多くなってきた原因は正直わかりませんが、今まで鹿児島県の方で発生が多い傾向にあったのならば気温上昇が影響しているのではないかと思われます。

 

今のところ、生育を脅かすような状況にはなっていないので大丈夫だとは思いますが、今後どうなるかはしっかりと注視していきたいと思います。