作物の葉っぱなどを害虫に食べられてしまうことを「食害」と言うのですが、お茶の樹にも食害を与える害虫がいます。
今回はお茶の樹の葉を食べてしまう害虫の1つ『チャノコカクモンハマキ』についてまとめていきます。
幼虫が葉を食べる…
お茶の葉を食べてしまう害虫は何種類かいるのですが、チャノコカクモンハマキはよくハマキムシと呼ばれていますね。
ちなみに、同じような虫に「チャハマキ」という虫もいます。
彼らは葉をくっ付けて内部で食害を進めているため、葉をまく虫⇒ハマキムシと呼ばれるようになったのだと思います。また「葉とじ」なんて呼ぶこともありますね…。
葉を食べるのは幼虫の間になり、初夏から秋にかけて発生する害虫です。
葉っぱをくっ付けるようになるのはある程度大きくなった幼虫になります。不自然に葉っぱがくっ付いているため、すぐに見分けがつくでしょう。
内部にはこのようなイモムシがいます。
適切な防除
ハマキムシは収穫する芽や葉っぱに発生してしまうと、収穫する部分が減少してしまう事になります。
また葉をくっ付けて内部を食害する傾向があるので、イモムシそのものや排泄物(糞)が混入するリスクもあります。
これでは安全性が保てないためハマキムシが発生し、なお且つ収穫も行われる二番茶シーズンは防除を行うことが重要です。
ただし収穫する芽でもあるため、使用する農薬は安全性が高く散布後速やかに分解される物を選択するようにしています。
そして三番茶芽における防除も重要です。
上河内地区では三番茶芽の収穫は行いません。
しかし、収穫しないとしても葉を食べられてしまうため、光合成を行う部分が失われることになり多発すると生育に悪い影響が出てしまうのです。
ただし、収穫は行わないのでハマキムシの発生が少なければ防除は省くことがあります。
防除をするとしても天敵たちが活発に活動してくれている時期でもあるため天敵となる虫や周辺に住む昆虫に対して優しい物を選択しています。
もちろん、人に対して安全であること、確実に分解され残留しにくい事は絶対的な条件です。
頭が黄色っぽいのが特徴
ハマキムシは「チャノコカクモンハマキ」と「チャハマキ」の二種類がいます。
成虫であれば見分けがつきますが幼虫の状態だと非常によく似ていますね…(-_-;)
ただし、全く見分けることが出来ないわけではありません。
この写真はチャノコカクモンハマキの幼虫になります。
頭が黄色っぽい特徴がありますね。
対してチャハマキの幼虫は頭が黒や焦げ茶色っぽい色をしているので、その部分で見分けることが可能となります。
葉っぱのくっつけ方でも判断することは出来ますが、実際に虫の姿を確認して判断するのが最も確実です。
家庭での防除
ご家庭で育てているお茶の樹にハマキムシが発生してしまったら、手で取るのが最も簡単で確実な防除方法になります。
対象の発生であれば問題にはならないと思いますが多発すると葉っぱをほとんど食べられてしまうため速やかに防除するのが大切です。
育てているお茶の樹が少ない場合は手で取る方法が最も手軽になりますね。
ただし手で取るのに抵抗がある場合は農薬を使用するのが良いでしょう。
お勧めなのは「アファーム乳剤」という農薬です。
天然由来の成分を元に作られた農薬で散布後速やかに分解するため安全性は高い農薬になります。
大きくなった幼虫には効果が弱くなってしまう農薬も多いのですが、アファーム乳剤であれば大きくなった幼虫にも効果があるのもメリットの1つですね。
ハマキムシが発生して葉を食べる被害が発生しているのを確認してからでも対策を行うことが出来ます。
まとめ
お茶の葉を食べる虫の1つにハマキムシと言われる害虫がいます。
ハマキムシは「チャハマキ」と「チャノコカクモンハマキ」の二種類がいます。
どちらも幼虫の状態では姿が非常によく似ているのですが、チャノコカクモンハマキの幼虫の頭は黄色っぽい色をしているのに対してチャハマキは黒や焦げ茶色っぽい色をしているので判別することが可能です。
僅かな発生であれば問題ないのですが大量に発生するとお茶の樹の生育に悪い影響を及ぼすことがあるため、適切に防除を行うことが重要になります。