日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

裾刈り作業開始

今日は久しぶりに朝から夕方までしっかりと晴れてくれました(^^)/

 

秋らしい澄んだ青空の下、今日より裾刈り作業を開始です!

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機械は重いですし体力的に少し大変ではありますが、とても達成感を感じる作業です。

作業前は枝葉が茂っている状態ですが、作業を終えた部分はピシッと揃っているため「刈ってやったぜ」という気分になります(^^♪

 

ちなみに裾刈り作業は、裾部分(畝間)を空け歩きやすくすることで次の作業を行いやすくする目的があります!

 

またこの部分の葉っぱは、チャトゲコナジラミと言う害虫が生息しやすかったり、ダニ(カンザワハダニ)の越冬場所となる事もあります。

刈り落とし生息場所を少なくすることで害虫の防除にも繋がるのです。

 

なるべく真っ直ぐに…美しく刈るのが目標ですね!

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作業前

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作業後

いよいよはじまる秋の作業

9月は中旬から下旬へ。

そして心配していた台風による影響ですが、風は穏やかで雨もそれほど多くは無く被害が発生する事はありませんでした。

 

2年ぶりの台風という事で心配していましたが、とりあえずひと安心です。

ただ台風シーズンはもう少しの間続くため、今後も天気の変化などには気を付けて過ごしたいと思います。

 

さて明日からは9月も下旬となりますが、茶畑では秋の重要な作業が始まります。

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伸びた三番茶芽や四番茶芽を刈り落とし、来年の一番茶が伸びる土台を完成させます。

茶畑の雰囲気もガラッと変わっていきますね(^^)/

 

そんな秋の作業ですが、まずは裾刈り作業から…。明日より始めていきます。

伸びた芽が枯れしまう病気「新梢枯死症」

植物が感染する病気は

  • カビ
  • 細菌
  • ウイルス

を由来とします。

 

その中で特に多いのが「カビ」になりますね。

カビが病気の原因となるので、ある程度温度が高く湿度が高い環境ほど病気になりやすいと言えます。

 

そしてそれはお茶の木も例外ではありません。

お茶の木が感染する病気のほとんどはカビ由来であり、梅雨時期から秋にかけて病気が発生しやすい季節となります。

 

特に雨が多く降る梅雨時期の状況、芽の生育状況で病気の発生傾向が変わることになるのです。

基本的に芽が伸びる時期に雨が降り続くと病気になりやすくなると言われていますね。

 

そして病気の怖い所は、感染してから目に見える症状が出るまでに時間がかかること!

早い病気では1週間程度で葉に症状が出てきますが、長いと30・40日程度かかることもあります。

 

一度変色した葉は元に戻ることは無いため、病気の症状により葉の変色が始まるとショックを受けるものです。

 

今回は一見元気に伸びた芽が枯れてしまう「新梢枯死症」について投稿したいと思います。

 

※植物にとっての「治る」は、症状の進行が止まる・周辺への感染が止まることになると思います。一度変色してしまった葉が元に戻ることはありません。

ちなみに治療剤と言われるものは感染して間もなくであれば効果が高いと言われていますが変色した葉は元には戻りません。他の資材であっても同様です。

 

輪斑病菌による症状

新梢枯死症という症状は「輪斑病」と深い関係にあります。

新梢枯死症は輪斑病という病気によって引き起こされる症状になるのです。

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この病気は葉や茎などに出来た傷口から病原菌が侵入し、短期間で発病する病気です。

葉の症状は写真のように年輪のような模様となることがあります。

 

気温が高いほど発病しやすい傾向があるため、二番茶以降から夏本番にかけて発生しやすくなる傾向があると言われていますね。

 

お茶の品種でも違いがあり、お茶の代表的な品種「やぶきた」は特に輪斑病が発生しやすいとされています。

 

この病気の菌が芽に入ることで発生するのが新梢枯死症。

そのため輪斑病がたくさん発生すると新梢枯死症もたくさん発生するとされています。

 

枝が枯れる症状

新梢枯死症の厄介な点は、感染してから目に見える変化が出るまでに時間がかかるという事です。

 

文字通り新しい梢が枯死(枯れて死んでしまう)する病気なのですが、症状が出始めるのは芽がある程度大きくなってから。

一見すると元気に大きくなった芽が急激に枯れて来るのです(>_<)

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新梢枯死症が発生するとこのように伸びた芽が全て枯れてしまいます。

周辺の芽は緑色なのに対して、新梢枯死症になってしまった芽だけ枯れてしまいますね。

 

芽の先端や葉っぱへの水分供給が断たれることで枯れてしまうのです。

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新梢枯死症は芽の下の方、基礎部分に輪斑病菌が侵入し発病することで引き起こされます。

 

少し分かりにくいですが、黒く変色しているのが分かると思います。この部分がダメになると水分の供給が出来なくなってしまい、結果として芽全体が枯れてしまうのです。

 

メインで育てている品種は「やぶきた」

そのためどうしても輪斑病が発生しやすく、さらに梢枯死症の発生もありますが、来年以降の生育に影響が出るほどの状況にはなっていないのは幸いなことです。

 

輪斑病により注意

新梢枯死症の発生を抑えるためには、輪斑病の発生を抑える必要があります。

 

輪斑病は葉に傷ができその傷口から病原菌が侵入し発生する病気になるため、ナラシ作業などの後に防除をすると効果的に抑えらえるとされています。

 

ちなみに主に使用される資材はストロビルリン系の殺菌剤になりますね。

これはキノコ由来の農薬なので安全性も高い資材です。

 

丁寧なナラシ作業や浅刈り作業は炭疽病やもち病など他の病気を抑える効果がありますが、逆に輪斑病を発生しやすくさせてしまうため、その点が大きなデメリットでした。

そのため、ナラシ作業をした後に防除することで輪斑病の発生を抑えることが重要となります。

 

しかし、近年は二番茶収穫後に浅刈りを行うだけで防除はしていませんでした。

この防除をすることで、結果として病気の発生をより減らすこと、使用する資材や作業を減らす事にも繋がる可能性もあるため、来年の改善点としていきたいと思います!

来週の準備と台風対策を・・・

台風が接近中。

その影響もあってか、今日のお昼過ぎから上河内地区でも雨が降り始めました。

 

数日前までは日本海側を通りそうな予報でしたが、現在では九州・瀬戸内海・近畿と通り、太平洋側へと抜けていきそうですね。

静岡県内でも大雨の予報が出ているため、今日は台風への対策と来週から始める作業の準備を行う事にしました。

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裾刈り準備

来週からはついに伸びたお茶の芽をカットする作業が始まります。

 

お茶の木を刈り整え、2022年の一番茶(新茶)が伸びる土台を完成させることになるのです(^^)/

 

基本的にお茶の木の表面を刈り整えるのですが、その作業を行う前に裾部(お茶の木と木の間)に伸びた枝葉を刈り落とす必要があります。

この作業を裾刈りと呼びます。

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裾刈りでは裾部に伸びた枝葉を刈り落とし、畝間をスッキリとさせます。この作業を行う事で茶畑の中に入っていきやすくなりますし、ナラシ作業で刈る枝葉も地面に落としやすくなりますね。

 

そのため、お茶の木を刈り整える作業を行う前に裾刈り作業を行う必要があるのです。

 

今日はその作業に使用する裾刈り機などの動作の確認を行いました。

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1つのエンジンで二つのバリカン、そしてタイヤを稼働させるため、他の機械に比べて構造が複雑です。

 

駆動部分も多いためグリスアップをするなどの手入れをするとともに、ちゃんと稼働するのかを確認を行いました。

作業を始める時になって上手く稼働しない…そうなるとかなりの時間を失ってしまいますしね(^^;)

 

この作業を来週から始め、週末には終えられるようにする予定。そして25日・26日辺りからお茶の木を刈り整えるナラシ作業をいよいよ始めていきます。

芙蓉とススキと茶畑

台風14号が接近中。

昨日までは低気圧に変化しそうな予報でしたが、今現在の予報ですと台風で上陸しその後も移動していきそうですね。

 

天気予報を確認するごとに進路などが変わっているのでこまめな確認が大切だと改めて実感しています。

 

ちなみに昨年は上陸した台風がなかったような気がします。

近くを通った台風はありましたが、比較的穏やかな台風シーズンでしたね。

 

しかし今回はもろに台風の影響を受けそうなので、気を引き締めて台風に備えたいと思います。

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秋の一コマ

今日は久しぶりに朝から夕方まで晴れました!

少し雲が多く、風も生暖かいような変な風でしたが、過ごしやすく秋らしい1日でしたね(^^♪

 

やはり晴れてくれると気持ちが良いものです。

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茶畑近くの空き地に芙蓉が生えているのですが、その花も見頃に。ススキの穂も充実し、秋らしさを一段と醸し出しています!

 

台風が過ぎ去ったら、秋の重要な作業がいよいよ始まります(^^)/

伸びゆく四番茶芽

今日は久しぶりの青空が!

雲が多く太陽を隠してしまう時間も多かったですが、1日を通して良い天気ではありましたね。

 

気温も上昇し久しぶりに汗ばむ陽気に。

それでも27℃程度までしか上がらないので、気温の面からも秋らしさを感じます。

 

正直言えば秋らしい雲の少ない澄んだ青空が広がって欲しい所ではありますが、少しでも青空が広がり日差しが届いてくれると有難いと感じるこの頃です。

 

四番茶芽

お茶の木は夏の間に伸ばした三番茶芽をしっかりと成熟させ、今年最後に伸びる芽である「四番茶芽」の生長が始まりました。

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濃い緑色の葉は三番茶芽で生長した葉っぱになります。先端から伸びている黄緑色の芽が四番茶芽となるのです。

 

同じ芽が上へ上へと伸びているように見えるお茶の木ですが、実は同じ芽が絶えず上へ伸びている訳ではありません。

 

生長し始めた芽は葉を開きながら上へ伸びていきます。

しかしある程度大きくなると一旦生長がストップするのです。

 

その後、開いた葉を成熟させ、ある程度時間が経過すると再び先端から芽を伸ばし始めます(^^)/

これを繰り返すことでお茶の木は生長してゆくのです。

 

 

ちなみに上河内地区ではこの四番茶芽が今年伸びる芽となります。

(お茶の木の生育は気温に左右されるため、地域によって違いがあります)

 

この芽を主に収穫して作られるのが秋冬番茶となりますが、上河内地区では秋冬番茶の収穫・製造は行わず、刈り落として土に還します。

 

これからの茶畑へは冬へ向かうため少しの寂しさも感じる四番茶芽の生育シーズンです。

秋冬は野生動物との戦い

草刈り作業が月曜日で終了したので、今日からは草取り作業を開始しました。

この時期になると種を付ける草が多くなるため、翌年以降の草取りを楽にするためにも丁寧に行います。

 

特に地面にベタっと広がるタイプの草はたくさんの種を付けるため、しばらく見ないうちに大量に繁殖している事も(^^;)

草を0にする必要は無いのですが、増えすぎてしまうと草取りも大変になってしまうため適度に行った方が良いですね。

 

ちなみに今日の天気は曇り時々雨。

意気揚々と草取りに向かいましたが、茶畑へ向かっている最中から雨が降り出しました。

 

小雨程度のうちは草取りを行いましたが、本降りになるとさすがに濡れてしまうので、心半ばで撤退することにした1日でした。

 

野生動物との戦いのシーズンに…

草取りをしている最中に見つけたのがこちら。

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枝が伸びているお茶の木に不自然な隙間が出来ています。そして若干ですが泥が付いている葉っぱもありますね。

 

これは野生動物がお茶の木を踏みつけて歩いた跡になります(>_<)

主にニホンジカやイノシシ、ニホンカモシカなどの大型の野生動物になりますが、お茶の木を踏みつけたり根を掘り起こしたり、枝を跳ね上げたりすることがあるのです。

 

今回の被害はニホンジカニホンカモシカによるものでしょう。

(イノシシは土を掘り返す痕跡もあるので比較的判別しやすいです)

 

ニホンジカカモシカは少し前まではほどんど見ることがなかった動物になりますが、ここ数年で一気に生息頭数が増加。

結果としてこのような被害も発生するようになってしまいました。

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近くに歩きやすい畝間があるのに、お茶の木を踏みつけて歩いている点が非常にイラっと来ます。

 

病気が心配

枝を折られたり曲げられたりする被害であれば、ある程度は元に戻すことが出来ます。これは直接的な被害になりますが、実はその後発生するかもしれない病気による被害の方が深刻です。

 

肉眼では見えなくても葉っぱには多くの傷が付けられてしまっています。その傷口から病原菌が侵入することで、病気になってしまう可能性が高まるのです。

 

冬であれば「赤焼病」と言う病気が…。夏であれば「輪斑病」と言う病気が心配になります。

この2つは葉に出来た傷口から病原菌が侵入し発病するとされている病気で、葉に傷がたくさん付いていると病気が発生しやすくなる、場合によっては多発する傾向があるのです。

 

以前幼木園をイノシシに荒らされ、荒らされた部分から「赤焼病」が発生し周辺に広まってしまった苦い経験もあります。

 

今回は何事も無いと良いのですが…。