おはようございます。
昨日は1日を通して冷たい雨が降った天気となりました。ここまで、まとまった雨が降ったのは、今年になって初めてのことです。
一雨降るごとに季節が1つ進んでいるように感じる今日この頃。
いよいよ、平成も残り2か月、新元号の発表も1か月後となりましたね!
平成生まれの私にとって年号が変わるというのは初めての経験…。そして、二十歳の年に改元を迎えるということで、何かと節目の1年になりそうです。
今後の天候は、気温の高い日が続くということもあり、今年の一番茶(新茶)の収穫・製造は全国的に早くなりそうな傾向があります。
今年の上河内地区の一番茶(新茶)は、平成に収穫製造した物(4月中)と新元号になってから収穫した物(5月)が作られることになりそうです。
約2か月後に迫った一番茶(新茶)の収穫に向けて、現在は2回目の春の肥料を施しています。
2回目の肥料
春肥(春にまく肥料)は、2月上旬と2月下旬から3月上旬にかけての2回に分けて行います。
なぜ、2回に分ける必要があるのか?
それは『根へのダメージを回避する』ことが、一番の理由です。
春肥は”有機質肥料”がメインの肥料となっています。有機質肥料は、長い期間に亘って効果が続く肥料なのですが、成分の含有量(肥料に含まれている肥料成分の量)が少ないです。
例えば、お茶の栽培では重要となる肥料成分『窒素』で「5㎏分」施したい場合は…
・有機質肥料は100㎏ほど(窒素含有量5%の場合)
・化成肥料は12.5㎏(尿素など:窒素含有量40%の場合)
と、有機質肥料を使用する場合は、たくさん施す必要があります。一般的に、有機質肥料の成分の量は10%以下の物がほとんどです。
たとえ有機質肥料を100㎏まいたとしても、決して多過ぎではありません!逆に、有機質肥料にこだわった栽培をする場合は、たくさんの量を施す必要があるのです。
2回に分ける必要性
では、なぜ春の肥料を2回に分ける必要があるのか…?ということですが、有機質肥料をメインにしているからです。
有機質肥料を使用する場合は、たくさんの量を施す必要性があります。化成肥料と比較すると圧倒的に量は多いです。
もし1回の肥料まきで春の肥料を施した場合、大量の肥料が根元に施されることになります。すると、根や茶の樹自体にダメージを与えてしまう可能性が…(-_-;)
例えるなら、一気飲みを強要しているようなものです…。
そこで、ダメージを回避するために2回に分けて行っているのです。
手間はかかりますが、有機質肥料をメインで使用する場合は、この手間をかける必要性があるのです。
有機質肥料メインにこだわる理由
お茶の肥料として有機質肥料を使用した場合、お茶の品質が良くなると言われています。
化成肥料をメインにすれば、肥料まきの回数が減り手間も減ります。肥料にかけるコストも下げることが出来ますし、臭いなどを気にする必要もなくなります。
でも、あくまでも有機質肥料をメインにしているのには『品質の良いお茶を作る』というモットーがあるからです!
ただし、有機質肥料だけでは肥料分に偏りができてしまうため、化成肥料も使用しています。
適した量を適した時期に、最適な物を肥料としてまく!この点を意識してお茶づくりを行っています。
2回目の肥料はどんな肥料?
今回まいているのは、2回目の春の肥料。
前回1回目の肥料は100%有機質の肥料で、長い期間に亘って効果が続くことを目的としています。
2回目の肥料も、ほとんど同じ目的を持っています。少し違うのは、今回の肥料は有機肥料と化学肥料をブレンドしてあるということ(配合肥料、といいます)です。
マグネシウムという微量要素、有機質肥料だけでは不足してしまう肥料分を補うために、ブレンドしてあります。割合としては有機質肥料が70%です。
白い粒々が化成肥料ですね…。それ以外の部分は、魚粕(ぎょかす)という有機質肥料がメインになっています。
魚粕(ぎょかす)という肥料は、『魚』という文字が含まれているように、魚の”あら”や骨を利用した物です。
見た目は、「ふりかけ」っぽいですね…(^^;)
触った感じとしては、しっとりとしていて、粉っぽいのが特徴です。また、ちょっと臭いもします。
最近は、昼夜の寒暖差が大きく、霧がよく発生します。
ちょっぴり幻想的で静かな朝霧に包まれながら、2回目の肥料まきを行っていきます。