早くもで今日で4月に突入!
2020年もすでに3か月が過ぎたと思うと、ちょっと早く感じますね…。
ただ、この3か月間はコロナ関連のニュースばかりでした。
今後どのようになっていくのか?
まだまだ先が見通せない4月1日ですが、まずは自分に出来ること
「手洗い」「必要最低限の外出」「食事・睡眠をしっかりとる」など徹底して行っていきたいと思います!
さて4月は新茶シーズンが始まる季節でもあります。
鹿児島県では、場所によってはもう間もなく一番茶(新茶)の収穫が始まる地域があるかもしれませんね(^^;)
また静岡県でも4月中旬頃になれば、少しずつ収穫が始まります!
川根町でも遅くとも4月の末頃には一番茶(新茶)の収穫が始まるのではないでしょうか…。
一番茶(新茶)の収穫は、1年間手入れをしてきた結果が表れる時期になります。
ワクワクとした嬉しい気持ちと、ちょっと心配な気持ちもあるこの頃です!
3月のお茶づくり…
3月に行った作業は
・春肥(2回目)をまく作業
・防霜ファンの稼働
・カンザワハダニの防除
・芽出し肥をまく作業
この4つが代表的なものになります。
他にも草取りを時々行ったりしていましたが、今回は3月に行った4つの代表的な作業についてまとめていきたいと思います。
春肥2回目
3月の上旬に行ったのが春の肥料まき2回目(春肥2回目)になります。
春の肥料まきは一番茶(新茶)の生長に影響するだけでなく、夏や秋それ以降と長期的に影響するものです。
また有機質肥料も含まれた肥料を使用するため「土づくり」にも役立ちます。
土づくりの効果が出てくるのは2年後・3年後となるのはよくあることなので、かなり長期的に影響してきますね(^^;)
そんな春の肥料まき2回目で使用した肥料がこちら…
肥料の変更により、今年から新しく使用を始めた物になります。
この肥料は『ぼかし肥』と化成肥料を混ぜ合わせた物です!!
ぼかし肥は有機質肥料を微生物の力により発酵(分解)させた物で土の微生物をより豊かにするメリットなどがあります。
また普通に有機質肥料を使用するよりも、早く効果が出始める特徴もありますね(^^)/
化成肥料は有機質肥料(ぼかし肥)で不足している成分を補う役割があります。
また光合成を行うために必要な成分『マグネシウム』もしっかりと補えるように調節している肥料になります!
ちなみに植物にとってのマグネシウムは、人間では「鉄分」に当たる物です。
防霜ファンの稼働
防霜ファンは茶畑に設置してある大きな扇風機になります。
お茶の新芽にとって春の霜(遅霜)はちょっと厄介な存在…。
霜の影響に遭うと、生長が大幅に遅れてしまったり、最悪の場合は芽が枯れて死んでしまう事もあるのです。
そこで、芽が萌芽する少し前から防霜ファンを稼働させ、お茶の芽を霜から守るようにします(^^)/
防霜ファンが稼働するのは気温が2℃を下回った時…。
お茶の樹の表面に設置したセンサーで気温を計り、気温が2℃を下回っている時のみ稼働するようにしているのです。
これは気温が2℃を下回ると霜が降りる可能性が高まるため…になります。
今年は気温がグンと下がる日もありましたが、防霜ファンが稼働。さらにちょっと風も吹いていたことから、お茶の新芽が霜の影響を受けることなく生長しています!
酷い場合はたった一晩で芽が全滅することもあるので、収穫までは少しひやひやとした日々が続くことになりますね(^^;)
カンザワハダニの防除
春になり気温が上がり始めると植物の生育が盛んになります。
もちろん虫や動物たちも少しずつ活動を始めるようになるのですが、その中にお茶の樹に影響をもたらす『カンザワハダニ』という害虫が…。
肉眼だと赤い点ほどにしか見えない小さなダニなのですが、もたらす影響は大きいです。
カンザワハダニはお茶の樹液を吸って生活しているため、葉っぱの色つやが悪くなったり、変形することがあります。
また、新芽に寄生すると栄養分を吸収してしまうため芽が大きく育てなくなってしまうのです…(>_<)
それだけでも厄介なのですが、さらに問題なのが春になるとたくさんの卵を産む…ということ!
※卵が産んである葉っぱ・ダニがたくさんいる葉っぱを探し出して撮影した物になります。
冬越ししたダニ(越冬ダニ)は、春になり気温が上がり始めると、まず卵を産むようになります。
そして新芽が伸び始める頃に、爆発的に増殖してしまうのです…。
何も対策をしないと新芽が伸びてこなくなる可能性が高まりますし、新芽に寄生するため収穫時に混入してしまうリスクもありますね。
そこで3月中旬に『バロックフロアブル』というダニ剤を散布しました(^^)/
バロックフロアブルは、カンザワハダニの卵が孵化するのを防いだり、幼虫が脱皮して大きくなるのを防ぐことで、ダニを少なくする農薬になります。
天敵・環境・人への影響は極めて低い優しい農薬です。
ただし浸透移行性がないため、散布ムラなどがあると効果が低くなる場合があるので注意が必要です。
ちなみに農薬の散布は新芽が萌芽する前までに済ませます。
新芽が萌芽してからは農薬の散布は一切行いません!
芽出し肥まき
3月の下旬に行ったのは『芽出し肥』をまく作業です!
芽出し肥は、新芽が伸びる時にも吸収されますが、どちらかというとお茶の樹が収穫中・収穫後に栄養不足に陥らないようにするための肥料になります。
お茶の収穫は、栄養分が詰まった芽を収穫することになります。
体の一部を持ち出すため、何も対策をしないとお茶の樹が疲弊してしまったり、栄養不足に陥ってしまう事があるのです。
人に例えるなら「出産」のようなものかもしれません…。
そこで、お茶の芽が萌芽する頃に『芽出し肥』をまき、収穫中・収穫後に栄養不足に陥らないようにするのです(^^)/
芽出し肥も今年から変更された新しい物です。
この肥料は、お茶の生育に必要な栄養分がバランスよく含まれているお茶専用に作られた化成肥料になります!
また化成肥料は早く効果が出ることが特徴の1つなのですが、この肥料は「緩効性」の化成肥料になります(^^♪
緩効性の化成肥料は、有機質肥料と同じくジワジワゆっくりと効果が続く物です。
ゆっくりと効果が続くことで、大雨が降ったときに肥料が流亡し周辺の環境へ悪影響を及ぼしたり、お茶の樹が肥料過剰になったり栄養不足になることを防ぐメリットがあります!
土の状態・お茶の樹の状態をよく見ながら、使用する肥料とまく量を調節することが重要となりますね!
4月のお茶づくりは…?
本来であれば4月の上旬までに『芽出し肥』という肥料をまくのですが、今年は暖かな気温により3月下旬に前倒ししました。
そのため3月はちょっとハードな月でしたが、4月に行う作業は平年よりちょっと楽になりましたね…(^^;)
今月に行う代表的な作業は『茶工場の掃除』です。
お茶はお茶工場で加工して作られる物になります。農産物であり、同時に加工品でもあるのです!
そのため、加工するお茶工場はシーズン前にしっかりと掃除を行うことが重要となります(^^)/
今年は4月の中旬頃になるでしょうか…。
一度お茶工場の掃除を徹底して行い、キレイな状態にして一番茶(新茶)シーズンを迎えることになります。
他には茶畑の『草取り』『落ち葉などの除去』を行います。
草取りは春に伸びてきた草を取る作業…。落ち葉の除去は、冬から春の強い風により舞ってきた落ち葉などをお茶の樹の表面から取り除くものになります。
どちらも収穫時にお茶以外の物が混入するのを防止する作業です!
日毎に変化する茶畑・お茶の樹の様子を感じながら、手作業で実施していきます(^^♪
そして、早ければ4月の下旬頃には、一番茶(新茶)の収穫を迎えることになるかもしれません。