日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

ぶどうの涙

突然ですが『ぶどうの涙という言葉は知っていますか?

「ぶどう」は、果物の「ぶどう」のことですが、『ぶどうの涙』とは樹の生理現象の1つです。

 

ちなみに、大泉洋さん主演の「ぶどうのなみだ」という映画もありますが、映画の名前から付いたわけではありません!

 

(ぶどうは、趣味の1つとして育てています)

 

「水あげ」の開始!

ほとんどの植物は、寒い冬の間は”休眠”状態となっています。

1年中緑色の葉っぱを付けているお茶の樹でも、冬の間は休眠をしているのです。

 

具体的にどのような状態なのか…?というと、

芽や根を伸ばさなくなる

養分、水分をあまり吸収しなくなる

このような、状態になっています。

 

葉っぱが冬になると落ちる樹は分かりやすいですね!

葉っぱがなければ、水はほとんど必要ないですし、寒い間は芽を伸ばしていません。茶色い幹や枝が見えるだけです。

 

 

休眠状態で寒さ厳しい冬を過ごした木々は、気温が暖かくなると、芽を膨らませたり、新芽を伸ばし始めるようになります。

 

その前段階、芽が膨らむ季節になると、これらの木々は盛んに水を吸い上げるようになるのです。これを『水あげ水あげ期』などと、言ったりもします。

 

そして、その様子を表しているのが『ぶどうの涙』となるのです。

枝の切り口に水滴が付いています。雨粒や露と勘違いしそうですが、この水滴は「ぶどう」の樹が地面から吸い上げたものです。

 

土に含まれている水を根っこが吸収。根から枝へと送られ、枝の上部まで水があげられているのです。

 

 

まるで「涙を流している」そんな感じもしますね(^_^;)

そこから『ぶどうの涙』と、表現されているのではないでしょうか…。

 

気温が上がると水を吸収するようになり、水が吸収されるようになると、芽も徐々に膨らみ始めます。

 

春に新芽を伸ばすために、1つずつステップを踏んでいるようです。ゆっくり、でも確実に春へと向かいつつあります。