日々お茶暮らし

お茶で有名な川根地域でお茶づくりをしている茶農家のブログです

病害虫対策! 高品質で安全なお茶を作るために…

高品質で安全なお茶づくり。健康的なお茶の樹を育てるためには、適切に病気や害虫からお茶の樹を守る必要があります。

 

そのために欠かせない作業が防除作業。つまり農薬散布です。

 

今回は、その内容について投稿したいと思います。

 

 

「無農薬栽培・有機栽培=安全」ではない

タイトルにもあるように、安全な農産物を作るためには、適切に農薬を使用することが重要です!

 

「農薬は使わない方が安全じゃないの?」

と思う方も多いと思いますが、実は無農薬栽培や有機栽培だからと言って、その農産物が安全であるとは断言できないのです!

 

植物が病害虫の被害を受けるとそれらに対抗しようと、自分自身で対抗するための成分を作り出します。

また、病気のほとんどは『カビ』を原因とするのですが、穀物の病気(カビ)の一種には、発ガン性のあるものもあるそうです…。

 

そのため、農薬を使用しなければ、別のリスクが生まれることとなってしまうのです。

 

もちろん、農薬の使用のルールを守らなかったり、過剰に使用するのは論外です!!

ルールをきちんと守り、適切に必要なだけの農薬を使用することで、安全性の高い農産物を育てることができます。

 

 

※無農薬栽培や有機栽培を否定するわけではありません。学校や研究者の方、農業者(有機栽培を行っている方も含め)の方から様々な話を聞いたうえでの、私なりの考えです。

 

 

今回の病害虫対策『ダニ』

気温が高くなってくると増えてしまうのが『ダニ

「ダニ」と言っても、血を吸うダニではなく、肉眼でかろうじて見えるくらいの小さなダニたちがお茶の樹に悪影響を与えます。

(カンザワハダニ、チャノナガサビダニなど…)

 

2枚の写真のうち、1枚がダニの被害を受けた葉っぱ。もう1枚は、正常な葉っぱです。

違いがわかるでしょうか…?

上の写真が、正常な葉っぱで、下の写真がダニの影響を受けた葉っぱとなります。

 

葉っぱの開いた時期の差もありますが…

正常の葉っぱは、葉がしっかりと開き、濃い緑色をしてツヤツヤと光沢があります。

 

逆にダニの被害を受けてしまうと、葉っぱが少し縮れたようになり、色もあせてしまいます。被害が新芽に出ると、芽が伸びなくなる症状も出ます。ひどい場合には、葉っぱが枯れ落ちてしまう事も…(-_-;)

 

なぜ、このような被害を受けるのか…?

それは、ダニがお茶の樹の汁を吸ってしまうからです!

 

ダニは主に葉っぱの裏側や小さな芽に住み着いているのですが、お茶の葉っぱから汁を吸い生活しています。

 

お茶の樹から見れば、大切な樹液を吸われてしまうので、芽が伸びなかったり、葉が痛んでしまうのです。これは、相当なストレスとなります。

 

天敵も守りつつ

作物に被害を与える虫のことを害虫と言いますが、その害虫を食べたりする虫のことを益虫(えきちゅう)あるいは天敵(てんてき)と言います。

 

今回の「ダニ」の場合は、被害を与えるダニ(害虫)を食べるダニ(天敵)がいるのです。

「ダニ」とっても、被害を与える害虫と作物を守ってくれる天敵の2つのグループに分けることができます。

 

そのため、農薬を散布する際には、天敵には影響のない物を選択するのが重要となるのです。

 

最近の農薬は、特定の虫や病気だけにしか効果がない物が販売されています。

例えば、同じ「ダニ」でも害虫には効果があり、天敵には効果がない物などです。私たち人間にとっても、周辺の環境にも優しいため、農薬を注文するときは、このような農薬を選択しています!

ただし、少し値段が高いのが難点ですが…(^^;)

 

 

今回の病害虫対策『もち病』

山間部などでよく発生する病気があります。

気温が上がり始める初夏。雨が降ったり、湿度が高い日が続くと発生しやすくなるのが『もち病』という病気です。

新しく開いた葉っぱに感染し、白い餅のような症状が現れます…。

この病気は、山間部などで発生しやすい病気とされているものです。

 

山間部は寒暖差が大きかったり、霧などが発生することで、湿度が高い環境となっています。そのような環境は、カビが発生しやすいですね…(^^;)

 

寒暖差が大きいことや霧の発生は、品質の良いお茶が育つ条件なのですが、同時に病気が発生しやすい環境であるとも言えます。

 

そのため、お茶の樹をしっかりと病気から守ることが、栽培するときの要です(^^)/

 

この「もち病」という病気は、新しく開いた葉っぱに感染してしまいます。

発生し始める時期は、ちょうど今頃…。

気温が上がり始めることが、発生のスイッチとなるようです。

※一番茶の収穫時には発生がなく、全く影響がないのでご安心ください!

 

新しい葉っぱに感染する…ということで、ちゃんと対策を行わないと、収穫時に混入してしまったり、多発すれば収穫が出来なくなることもあります…(>_<)

 

また、発病してしまった葉っぱは落葉します。多発すれば、たくさんの葉っぱが落ちてしまうため、来年の一番茶に影響を及ぼすこともある病気です。

 

 

健康的なお茶の樹を育てるために

農薬を適切に使用すれば、安全性の高いお茶、農産物を生産できます。

 

もちろん、病気にならないように土づくりを行ったり、たくましいお茶の樹を育てることも大切です。

しかし、病気や害虫の被害を受けた時にはきちんと対策を行わなければ、お茶の樹は疲弊してしまいます。

 

私たち人間も、病気になったり怪我をした時は、治療や手当をすることが大切ですね!

お茶の樹やその他の農産物も人間と同じです。

 

適切に、しっかりとルールを守り農薬を使用する…。

病気や害虫からお茶の樹を守ることが、健康的なお茶の樹を育て、安全で品質の良いお茶を作るカギとなります。