早いもので11月も今日で終わりに…。
いよいよ明日からは12月が始まります。
2019年も色々な出来事がありましたが、本当にあっという間に時間が過ぎたように感じます。内容が盛りだくさんなほど、時間が過ぎる感覚が早くなるのでしょうか…。
残り1か月で2019年も終わります。
2019年の残り僅かな日々を…1日を大切にしていきたいと思います!
農閑期に向かう11月のお茶づくり
お茶の栽培で特に忙しい季節は4月下旬から10月にかけて…。
代表的な作業があるのは2月中旬から11月にかけてとなります。
12月から2月頃にかけては、余裕が持てる季節。いわゆる「農閑期:のうかんき」となります。これは、この時期の気候とお茶の樹の生育によるためです。
お茶の樹は冬の間は休眠状態になります。
呼吸や光合成は行っていますが、新しく芽を伸ばすことは無いですし、根っこなどの生長も一旦停止するのです。
お茶の樹は暖かい地域が原産なので、寒い時期には生育が停滞します。
11月は秋から冬に向けて季節が変化する季節です。
そのため、お茶の樹も休眠期へ移り変わる時期になります。
ただし、越冬の準備に向かうのはお茶の樹だけではありません!
一部の害虫も冬を越すために準備しているため、11月は越冬する害虫からお茶の樹を守るのが主な作業となります。
使用する資材は「マシン油」と言われる分類の農薬になります。
有機農業でも使用できる安全性の高い農薬で、害虫の気門(空気を吸ったり吐いたりする穴)を塞ぐことで退治する農薬です。
資材の原理的には、アブラムシ対策のために牛乳を使うのと同じです。
ただし、牛乳ではカビの原因となったり、安全性の試験が行われていないため、安全だと断言することが出来ません。
そのため、牛乳などではなく安全の確保された「マシン油」系の農薬を使用しています(^^)/
対象とする害虫は主に2種類
1つは「カンザワハダニ」という赤っぽい色をした小さなダニになります。茶農家は、赤い色をしていることから赤ダニと呼ぶことも多いですね!
少し分かりにくいと思いますが、赤色の小さな点がカンザワハダニになります。
このダニは葉っぱや芽から栄養分を吸うことで生きています。
ただし、栄養分を吸われてしまうと、葉っぱの色があせたり縮れた様な形になったり…。新芽の場合は、芽が伸びなくなってしまう事もあります。
そして、春気温が上がるとともに繁殖していきます。新芽の伸びる大切な時期と被害を受ける時期が同じなのです。
また、一度春に発生するとその後の生長にも影響が続いてしまいます。
そこで大切になるのが冬越し前の防除です(^^♪
冬の間は繁殖などはしないため、この時期にしっかりと対策を行うことで、翌年春の繁殖も抑えることが出来ます!
あまり繁殖しなければ農薬の削減にも繋がるため、この時期の防除は非常に大切です。
もう1つは「チャトゲコナジラミ」という害虫の幼虫です。
黒い点がチャトゲコナジラミの幼虫になります。こちらも、ダニと同じくとても小さいです!
また、ダニと同じく葉っぱから栄養分を吸うため、お茶の樹にも影響が出ます。大量のチャトゲコナジラミがいると、葉っぱが黒く煤けたようになる「すす病」という病気を引き起こすことも…。
すす病が出てしまうと、光合成が出来なくなってしまうため、影響は大きいです。
こちらもダニと同じく、越冬前に対策をすることで翌年春以降の繁殖を抑えることが出来ます。
そのため、11月の防除が害虫対策では非常に重要となるのです。
その他
代表的な作業は防除作業のみ…。
その他は、お茶の生育や畑の状況などに合わせて作業を行います。
特に草取りなどは、畑に生えてくる草の状況に合わせて…。
また、イノシシなどにより被害が発生した場合は、お茶の樹や土をなるべく元に戻るように直します。
この作業は体力的にも精神的にも大変ですね…(>_<)
あとは、しっかりとお茶の樹の生長を確認することが大切です。
11月の茶畑は見た目的は大きな変化がありませんが、春に伸びる新茶の芽の準備は進んでいます。
11月末頃までには、翌年の春に伸びる芽の準備が終わるため、非常に大切な時期なのです。
今後は本格的な冬に向けてお茶の樹も休眠が深まっていく時期に…。
しっかりとお茶の樹の手入れを行い、より良いお茶が作れるようにしていきたいと思います。