今年は記録的な暖冬でした。
その影響で、虫たちが越冬しやすくなりカメムシが平年よりも多く発生しているようですね。
カメムシは、果物の樹液を吸ったりして実った物の商品価値を無くしてしまうため、厄介な害虫です。
果樹の産地ではしっかりと防除を行う必要がある…と警報が出されています。
お茶の樹にはカメムシは影響を及ぼしませんが、カメムシの仲間である『チャノミドリヒメヨコバイ』という害虫が平年よりも多く発生しているような気がします(>_<)
チャノミドリヒメヨコバイの影響
チャノミドリヒメヨコバイは通称『ウンカ』と呼ばれています。
真ん中の緑色の虫が『チャノミドリヒメヨコバイ』(以下、ウンカ)になります。
この写真の個体は成虫で30日ほど生きることが出来るとされていますね。
卵は茎の内部に産み付け、幼虫と成虫問わずお茶の芽から樹液を吸うことから、ウンカが発生すると芽が伸びなくなってしまう被害が出てしまうのです!
また、芽が少し大きくなれたとしても縮れた様な見た目になり、病気を発生させたり樹勢を低下させたりすることもありますね…。
さらに厄介なのが、ウンカを食べる天敵が少なく、繁殖力が強いということ…。
そのため、人の手による防除を行うことが非常に重要なのです。
ただ紅茶やウーロン茶では、わざとウンカに吸わせることもあります。
芽がウンカに吸われると傷が付き、花のような甘い香りを強くする効果があるのです。
しかし、芽が伸びなくなってしまい、さらに芽に傷が付くことから緑茶づくりには向きませんね…。
来週防除予定
黄色の粘着トラップを設置してみたところ、今年はウンカの発生が平年よりも少し多く、ダラダラと発生しているような印象を受けました。
二番茶の芽が影響を受けるだけでなく、お茶の樹を疲弊させてしまう可能性もあるため、今年も防除が必要だと判断しました。
対策を怠るとその畑が発生源となり周囲の畑や農家に迷惑をかける事もあるため、ウンカの防除は徹底して行う必要がありますね…。
もちろん二番茶の芽が生育してくる時期になるので、使用する農薬は分解が早く(残留しにくい)安全性が高い物を選択します(^^)/
安全性とお茶の品質を両立し、お茶の樹が元気に育つために防除を実施していく予定です。
ご家庭での防除方法
ご家庭でお茶の樹を育てていてウンカなどの防除を行う場合は「オルトラン水和剤」を散布することをおすすめします。
オルトランは家庭菜園用の少量パックの物が、多くのホームセンターや農業用品店で販売されているため、手軽に入手しやすい農薬です。
浸透移行性もありますし効果も高いため、防除を行う際はおススメ出来ます。
ただ、天敵への影響が強いデメリットがあります。
おかのや農園では天敵や環境・人に優しく、しっかりと分解されて残留しない「コルト顆粒水和剤」や「ウララDF」という農薬を使用することが多いです。