日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

タマネギ栽培 べと病対策として農薬を散布しました

今週は本当に気温の変化が大きい!!

月曜日は時雨となるほどの寒さになった一方で、昨日水曜日は3月下旬から4月上旬並みの暖かさに…。

 

今日は風が冷たくなったものの、平年と比べると暖かい陽気となっています。

また雨の日も平年と比べると多いですね…。静岡県では冬の間は雨が降る日が少なく、降ったとしても降水量が少ないことが特徴なのですが、今年はまとまった雨が降る日が多いです。

 

気温が高く雨が多い(湿気がある)環境はカビが生えやすくなります。

植物の病気のほとんどは『カビ』を原因としているため、最近の様な陽気が続くと病気が発生しないか心配です。

 

特に家庭菜園で育てているタマネギは『べと病』という病気に弱く、ひどい場合には枯れてしまう事もあります。

 

昨年は収穫直前に雨が多く降り病気に感染。

一部収穫出来ない物も出来てしまい、さらに保管の最中に腐ってしまい全滅…。自家製のタマネギはほとんど食べることが出来ませんでした。

 

この病気は水によって病気が広がるため、雨が多かったり湿気が多いと発生しやすいです。

最近はまとまった雨が降る日が多かったため、べと病を中心に病気の感染を防ぐために農薬の散布を行いました。

 

殺菌剤「シグナムWDG」を散布

今回のタマネギ防除に使用した農薬は『シグナムWDG』という農薬です。

この農薬は病気の菌を退治する「殺菌剤」に分類される物になります。

 

タマネギの苗を購入した際

「べと病などの病気に対して効果が高い」

とおすすめされたので苗と一緒に試しに購入してみました。

農薬は顆粒状になっていて、散布する作物に合わせて水で薄めて使用します。

そのため、農薬の量を計算し薬剤を作る手間がかかってしまいますね…。また、農薬を散布するための専用スプレーも必要です。

使用できる作物や対象としている病気、薄める濃度や散布回数などは、農薬の袋の裏側などに必ず書かれています。

 

農薬を使用する時は、この表示をよく読むことが大切です。

使用する時はこの表示をしっかりと守り、農薬を使用しなければいけません!

 

たとえば対象ではない農作物に使用したり、薄める濃度を表示の数字より濃くしたり、使用回数をオーバーするなどは仮に家庭菜園であっても「農薬取締法違反」になるため注意して使用する必要があります。

 

今回はタマネギに使用しますが、対象の作物名にもタマネギがあります。また、病気にも「べと病」の表記がありますね。

そのため、タマネギの栽培で使用できる農薬となります。

 

使用方法は1500倍に希釈して散布。

1Lの液を作るとしたら、水1Lに農薬1.5gを溶かすことになります。

 

またラベルからは

・農薬の散布から収穫までに何日空ける必要があるのか…?

⇒使用時期

 

・使用できる回数

などが分かります。

 

ちなみに「シグナムWDG」というのは商品名になり、成分名ではないため注意が必要です。

たとえば頭痛薬の「イブ」や「バファリン」は商品名で、成分名は別に表記されていますね!これと同じです。

 

同じ成分を使用した農薬でも異なった名前で販売されていることも多くあります。しかし「使用できる回数」は成分ごとに決められているため、名前だけでなく成分名にも目を向ける必要があります。

 

農薬散布

今回は農薬の液が1Lほど欲しかったので、1.5g分の農薬を計量し1L少々の水で薄めました。

農薬の薄める倍率はラベルに書かれているため、それをしっかりと守り濃くしないようにする必要があります。

 

濃くし過ぎてしまうと農薬取締法違反となり、安全性や周囲の環境への影響が出る可能性が高まるため、私は僅かに薄めに作ることが多いですね。

 

ただし、薄めすぎてしまうと効果が得られなかったり、耐性菌(農薬に強い菌、農薬の効かない菌)を増やす可能性が高まるため、薄くし過ぎるのもNGです。

しっかりと基準を守ることが重要になります。

 

近年の農薬は安全性が高い物が多くなってきましたが、使用時にもきちんとルールを守ることが安全な農作物を作る際の重要なポイントとなります。

農薬を使用する際には、きちんとした知識や技術が必要なのです。

 

1500倍に薄めた農薬は、スプレーでタマネギに散布していきます。

タマネギの葉は水をはじく特徴があるため、ちゃんと農薬がかかっているか分かりにくいですね…(^^;)

 

ムラが出来ないように、葉の上から下までしっかりと散布することが重要になります。

また、すでに枯れている葉っぱなどがあったら農薬を散布する前に取り除き、その後に農薬を散布すると効果的です。

 

最後に

昨年のタマネギ栽培では、せっかく育てたタマネギをほとんど食べることなく、病気によりダメにしてしまいました…(>_<)

 

雨が多く病気が発生・蔓延しやすい環境でありながらも、農薬の散布をするなど対策を怠ったことが原因です。

 

そこで今年は、無事に収穫を迎えることが出来るように、栽培の基本を忠実に守り農薬の散布や肥料の施用を行う事にしました!

 

今回の農薬散布で、今後べと病などの病気を少しでも防ぐことが出来たら良いなと思います。