8月になると茶畑で見ることが出来る昆虫が一段と増えます!
草地でよく見かけるバッタやカマキリ
夏と言えばのセミ
様々な蝶やトンボ…
騒がしいほど多様な虫に溢れる季節なのですが、同時に害虫となる虫も発生しやすい季節でもあります。
ただし、それほど害虫の被害が発生しないのもこの時期の特徴です!
例えば、カマキリなどはお茶の葉を食べるイモムシ(成虫)なんかを食べますし、トンボも茶畑にいる小さな虫を狙っているのか茶畑の上を飛び回っています。
そのため、この時期の防除は天敵となる虫や彼らのような昆虫に対して優しい農薬を使用するのが鉄則です!
今回は家庭菜園などでも良く芽にすることがある『アブラムシ』を食べてくれる天敵の一種『ヒラタアブ』について投稿します。
一見ハチのようにも…
一見ハチのようにも見えるこちらの虫…
これが『ヒラタアブ』の成虫になります。
ヒラタアブはアブラムシを食べてくれる天敵の一種です!
アブラムシが発生している葉っぱの近くに成虫がやって来ると、アブラムシのすぐ隣に楕円の卵を産み付けます。
そして、孵化した幼虫(イモムシ)がアブラムシを食べてくれますね(^^♪
逆に、成虫は主に花の花粉を食べるとされています。
一見するとハチのようにも見えますし、幼虫はその見た目から作物に害を与えるような存在として見えてしまうかもしれません…。
「退治した方がいいのか…」
そんな思いが頭に浮かぶ事もあるかもしれませんが『ヒラタアブ』はアブラムシをバクバク食べてくれるので非常にありがたい存在です。
アブラムシの発生した場所にピンポイントで卵を産み付けるので、ヒラタアブがやって来てくれれば確実にアブラムシの数が減少していきます。
お茶の栽培でもアブラムシが発生することがありますが、現状アブラムシを対象とした防除は行っていません。
『ヒラタアブ』や『テントウムシ』がアブラムシを食べて駆除してくれるので、農薬を使用した防除を行う必要が無いのは非常に有り難いです。
ヒラタアブを呼び寄せる
『ヒラタアブ』の成虫は花の花粉を食べます。
そのため、作物の周りに花が咲いていたりするとヒラタアブがやって来てくれる可能性が高まるでしょう。
野菜の苗の近くに花を植えたり、もともと花を植えてあるスペースなんかがあると良いかもしれません。
花の種類によっては他の天敵となる虫の住処やえさ場となったりする種類もありますし、虫よけの効果がある物もありますね。
ナスとマリーゴールドの組み合わせなどは、なかなか有名だと思います!
ただ、アブラムシが繁殖してからヒラタアブがやって来るまでには少し時間がかかります。
アブラムシが増殖して、そこへやって来たヒラタアブが近くに卵を産み付けなければ、ヒラタアブはアブラムシを食べてくれません。
また、卵を産み付けて孵化するまでも少し時間がかかりますね。
そのため、もしヒラタアブの成虫を見かけたら、少し様子を見てみることをおすすめします(^^)/
特にアブラムシの近くに白いラグビーボール状の小さな卵が産みつけられていたら、ヒラタアブがアブラムシを食べて退治してくれる確率が高いです!
ただし『ヒラタアブ』や「テントウムシ類」などの天敵の姿を見ることが出来なかったら、速やかに防除を行うことをおすすめします。
アブラムシの繁殖は非常に早く進むため、あっという間に増殖してしまいます。
作物の生育にも影響が出てきてしまいますし、もしウイルス性の病気を媒介したアブラムシがやって来たら作物が病気になることもあるので注意が必要です。
もし農薬を使用した防除を行うとしたら、使用するのは天敵に優しい物を選択することが非常に重要になります。
気門を塞ぐ農薬であれば『粘着くん液剤』が有名ですし、確実に効果が表れて欲しいのなら『ウララDF』や『コルト顆粒水和剤』もおすすめです!
お茶の栽培でも『コルト顆粒水和剤』や『ウララDF』を使用することがありますが、害虫には効果がある一方で天敵や周辺に住む昆虫に対しては優しいので重宝しています!
(ウンカなどアブラムシ以外の害虫を対象とした防除で使用します)
ただし、少し値段が高いのがネックですね…。
まとめ
一見ハチのようにも見えるヒラタアブ…。
成虫はアブラムシのすぐ隣に卵を産み付ける特徴があり、孵化した幼虫はアブラムシをバクバク食べて成長していきます。
ヒラタアブを呼び寄せるためには、まず花を植えてヒラタアブの成虫が住み着ける環境を整えること。
そしてヒラタアブがやって来たら、アブラムシが繁殖していても少し時間をおいて待ってみること…。
この2つがポイントになります!
またアブラムシの天敵は『ヒラタアブ』以外にもたくさんいますね(^^;)
「テントウムシ」は特に有名ですし、アブラムシに寄生する小さなハチもいます。
上手く天敵たちの力を借りることが出来れば農薬などを使用した防除の回数を減らすことが出来るので、天敵たちをしっかりと守りながら農作物を育てていく事が重要です。