日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

一目瞭然「やぶきた」の中に混ざった「さやまかおり」

こんばんは。

昨日は雲が広がる時間帯が多かった1日となりましたが、今日のお昼過ぎからようやくこの時期らしい青空が広がりました。日曜日に雨が降り、その後はやや厚めの雲が広がる時間が続いていましたね。

気温の変化は大きくなく過ごしやすかったですが、落ち葉が濡れた状態であり道路が滑りやすかったので、雨のあとはなるべく晴れて欲しいと思った1日となりました。

 

なお今後はしばらく晴れの日が続き、次の日曜日に再び雨となる予報が出ています。この予報通りになれば適度な雨をもたらしてくれるので有難さを感じますが、紅葉シーズンの終盤であるため落葉が進む可能性もあるでしょう。

紅葉の見ごろは次の土曜日辺りが1つの区切り。26日頃となると葉が落ちた木が目立ってくるのではないかと思います。

 

一目瞭然な状態に

晩秋から冬にかけては茶園周辺の整備を行う事も多いです。写真の畑でも覆いかぶさるように生えていた木の一部の伐採を行いました。

茶畑を上から見下ろしたような構図となっていますが、茶畑の一部で色が違っているのが分かるでしょうか?多くの部分はやや白っぽく見えますが、一部分だけ緑色がはっきりとしていますね。

 

実は色の違いは品種の違いとなっています。以前にも投稿したことがある内容ではありますが、かなりハッキリと分かる写真を撮れたので再度投稿することにしました(^^;)

赤い丸の部分が色が違うところ、つまり品種が違う部分になります。

赤い丸の部分には「さやまかおり」という品種が植えられており、そのほかの場所は「やぶきた」となっています。

 

なぜ違うのか

では、なぜ色が違ってみるのでしょうか。

「葉の色が違う」と思われる方もいるかもしれませんが、葉の色に関してはほぼ違いはありません。

 

この違いをもらたしているのは「芽の伸び方」の違いになるのです。

上の写真は「やぶきた」と「さやまかおり」を並べた物になります。

注目して頂きたいのは葉の付いている角度です。「やぶきた」の方はやや角度が大きく「さやまかおり」は狭いですね。「さやまかおり」の方が葉が立っている状態と言えるでしょう。

 

また面積当たりの芽の数も違います。「さやまかおり」の方が面積当たりの芽の数が多く、写真の畑では約2倍ほど芽の数が多くなっています。

 

この違いが遠目で畑を見た時に色の違いとなって表れるのです!

もちろん日の当たり方にもよりますが、葉の付いている角度が大きい「やぶきた」では太陽の光の一部が反射して光って見えます。しかし「さやまかおり」は葉が立っているため反射が起きにくく、さらに光を吸収する葉の数も多いため緑色が濃く見えるのです。

お茶の品種は極端に葉の”色”に違いが出る事はありません。どちらかというと芽の伸び方や葉のツヤ、形などに違いが出る事が多く、品種を見分ける時はこれらの特徴を判断材料としていますね。

それでも似ている物が多いので実際に見たことが無かったり育てていない品種だと判別が難しいのですが、その微妙な違いが面白かったりします。