日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

茶草場の維持管理~土留めの作成と雨を活用したカヤの植え付け~

こんばんは。

今日の川根町上河内地区は昨日の暖かさから一転、やや肌寒さを感じる雨となっています。気温的にはそこまで低くないのですが、今まで暑いくらいの日が続いていたので少し寒く感じるのだと思います。

 

雨脚は強くなったり弱くなったり。小康状態になることもありますが、雨が降っている時間帯の方が長いですね。

明日にかけてこのような天気が続くため、私的に行いたい事や役仕事の書類作成などを進めて行きたいと思います。

 

荒れる茶草場

ここ数年ニホンジカなどの動物が急激に増えている事により、茶畑や山林への影響が出始めるようになりました。そして、それは茶草場も例外ではありません。

 

特定の植物が食われて無くなってしまったり、何度も斜面を歩くことで植物が消失し土が少しずつ崩れてきているような場所もあるのです。

写真の場所のように、土がズルズルと滑り落ちているような場所は至る所で見られます。場所によってはある程度角度が付いていた斜面が直角に近くなったり、部分的に崩落している事もあるほどです。

 

このままの状態では茶草場が荒れる一方。土が徐々に崩れてしまいますし、大雨となった時はこの部分を起点に大きく崩れてしまう可能性もあるでしょう。

斜面の上部で作業する場合は、足を滑らせるなどして転落する可能性も高くなっていると言えます。

 

そこで昨年から少しずつではありますが、茶草場の維持管理を目的とした土留めの作成およびカヤ(ススキ)の植え付けを進めています。

 

土留めの作成

まずは斜面に土留めを作成する所から。

そのままの状態では土が少しずつ崩れる一方なので、支えとなる物が必要となります。

使用するのは伐採した雑木の枝の細い部分など。先をとがらせて杭にしたり、太めの物は土がこれ以上落ちないように横へ渡し土留めにします。

このような資材を購入するとそこそこ値が張るので、自分のところで手に入れないとやっていけいないですね(^^;)

 

今年作成した土留めは20か所を超えています。

昨年は6か所ほどだったので、それだけ被害が増えている事になります。いたちごっこになる可能性もあるでしょうが、何もしないと荒れる一方なので微々たる効果であるとしてもやっていくしかありません!

 

ただし、ずっとこのままの状態にしている訳ではありません。

元の茶草場になるようにカヤを植え付け、植物が斜面を保護している状態にしていくのが最終的な目標です。

 

カヤの植え付け

土留めが朽ちても斜面を守っていけるように、カヤを植え付け育てて行きます。土留めはカヤが根を張りやすくする役割もあったりしますね。

カヤの大きな株を掘り返し株分け。それを植え付けても良いのですが、ポットで一定期間育ててから植え付ける方が活着が圧倒的に良いので、昨年夏からこの方法でカヤの植え付けを行っています。

 

植え付け作業を行ったのは雨の前になります。

水やりを行うのは大変なので、水やり作業を省けるように雨が降る前の日を狙って作業を行ったのです。

根が乾燥してしまうと活着が悪くなります。

新しく伸びている葉っぱもすぐに萎れてしまうため、一目瞭然で違いがわかるほどです。素掘りのカヤ苗ではこのような状態になりましたが、今回は果たしてどれくらい活着してくれるのか…。ポットで一定期間育てる方法へ変えてから2回目の本格的な作業となるため、成功するのかどうか不安に感じる気持ちも少しはあります。

 

結果が分かるのは約1か月後くらいでしょうか。

今出ている葉っぱがより大きくなったり新しい葉が伸びてくれば、植え付けから活着までの段階は成功と言えるので、それまではゆっくりと待ちたいと思います。

 

なお今回のカヤの植え付けでは本数が足りず、全ての土留めの場所で植え付ける事は出来ませんでした。

作業後に新しい株の育成も始めたのですが、今までの倍の数を準備しているところです。それでも僅かに足りないと思いますし、今後新たに被害が出て土留めやカヤが必要になることも十分考えられます。

 

この作業は今後何年も継続しながら行い、茶草場を荒らすことなく維持していけるように頑張りたいと思います。