日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

野イモのつる取りと遅れ芽取り

こんばんは。

今日の川根町上河内地区は朝から10時頃まではしっかりと晴れてくれました。昨日以上に晴れてくれたので、外出してから「布団を干してくれば…」と少し後悔をしたところです。

 

ただ、お昼前からは雲が広がり夕方には雨が降り出しました。

明日の朝にかけて大雨になる予報もあるということなので、夜間ではありますが雨の降り方には注意したいと思います。

 

野イモのつる取り

二番茶の収穫開始まで1週間は切ったと思います。今主に行っているのは「野イモのつる取り」と「遅れ芽の摘み取り」です。

 

野イモ(自然薯)のつる取りは、その文字の通り伸びてきたツルを取り除く作業です。そのままにしておくと収穫時に混入してしまうため異物の混入となりますし、機械に絡みつきトラブルを起こすこともあるので注意が必要になります。

また、イモ部分が大きくなるとイノシシが畑を掘り返しお茶の木もダメにしてしまう可能性を高める一面もあるのです。

 

そのため収穫前にしっかりと取り除く必要があるのですが、作業時に心がけることとして地下部分(根っこやイモ)ごと取り除くのが重要になります。

地下部分が残っていると再度ツルを伸ばすためまた作業を行う必要が出てきます。それだけでなく、秋になるとムカゴを付け野イモを増加させることもあるため、野イモのつる取りでは地上部よりも地下部を取り除くことを意識して作業を行うのです。

今の時期は根が伸び始めたばかりであり、比較的抜きやすい時期だといえます。そのため、地下部までしっかりと取ることをとにかく意識して作業しています!

この時期にうまく取り除くことが出来れば野イモの密度を減らすことになるため、次年以降の作業を楽にすることにもつながりますね。

なお地上部は野イモに非常によく似た「〇〇トコロ」「○○ドコロ」という植物もあります。こちらはまだ茶畑で見る数は少ないですが、根の張りが強くイモもゴチャゴチャした形をしているため地下部ごと取り除くのが難しい植物です。

ツルを見つけたら根本付近を掘り返しながら取り除くようにしています。

 

遅れ芽取り

野イモのつる取りを行う流れで、遅れ芽の摘み取りも行っています。

このように周囲の芽と比べて少し大きくなっているのが「遅れ芽」です。

大きくなっているのに”遅れ”と名前が付いているのは、二番茶の芽ではなく一番茶の芽であるためになります。一番茶の収穫時やナラシ時には育ってきてなかった芽が遅れて育ち、このような生育の違いを生み出しています。

 

遅れ芽の数は少ないのですが、収穫時に混ざると水分量の違いからダマになる原因となったり品質低下を招くため事前に取り除いています。

また病気になっている物も多く、ほかの芽に病気を広げてしまう可能性もありますね。

写真の遅れ芽は「もち病」という病気が発生していました。ちょうど今の時期に発生しやすい病気であり感染から発症までの期間も短く、多発した場合は二番茶の収穫が出来なくなってしまうため要注意の病気です。

 

遅れ芽を取り除くことによる防除効果は僅かなものかと思いますが、そのままにはしておけないですね。

今年は雨が続き病気が発生しやすい条件が整っていますし、生育がゆっくりなので病気に侵されやすい期間が長くなっています。平年と比べても病気の危険性が高い都市であるといえるため注視していきたいと思っています。

 

二番茶開始まで残り僅かとなりましたが、このような作業をしながら二番茶芽の生育を待っていきます。