日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

日焼け防止 芽の伸びが良い畑は2回に分けてナラシ作業

こんばんは。

今日の最高気温は手元の温度計で26℃となった川根町上河内地区です。なお朝の気温は16℃であり、最高気温と最低気温のどちらも5℃程度一気に下がったように思います。

 

気温の数字はこの時期らしいものですが、今まで暑い傾向にあったため体感的にはどうしても一気に寒くなったように感じてしまいますね。

気温の低下とともに空気もカラッとし始め、秋の過ごしやすい陽気となることが増えてきたこの頃です。

 

チャノキも日焼けします

下の写真の畑は「おくひかり」という品種になります。

芽が上へと伸びやすい傾向のある品種なのですが、今年もとても良い芽伸びとなっていますね!

 

ただ、このように芽が長く伸びた状態の畑で一気に刈り落としてしまうと、表層に出てきた葉っぱが日に焼けてしまうことがあるのです。

表面に出ている葉っぱは直射日光を浴びているため日光に対して強い状態ですが、芽が伸び相対的に下の方になってしまった葉っぱは段々と日が当たらなくなり、日光に対して弱くなってしまいます。

 

ナラシ作業ではその下の方の葉っぱを表層に出してくるため、芽の伸びの状態によっては表層に出てきた葉っぱが日に焼けてしまうこともあるのです。

 

我々もそうですが、長袖の状態から一気に半袖になったりするときつい日焼けをすることがあると思いますがそれと同じになりますね。

日差しに問題があるのではなく、環境や状況が一気に変わることが問題なのです。

 

日焼け防止

そこで葉が日に焼けてしまう可能性の高い畑では被害を回避するために主に二つの対策が行われます。

 

一つは曇りの日に作業を行い徐々に日光に慣らしていく対策です。

作業当日だけでなくその次の日もしっかりと曇っている方が良いですが、天候任せの方法であるためそれほど確実ではありません。曇り予報が出ている状況で作業を実施、しかし晴れて強い日が当たった場合は最悪です。

 

確実に天気が曇になりそうであり作業自体もその日に終わらせることが出来るのであれば有効ですが、天候任せという不確定な要素もあり面積もあるとなかなか難しいかと思われます。

 

そのため、人為的にできる二つ目の方法が一般的な日焼け対策となります。

もう一つの対策は期間を開けて2回以上に分けて刈り落としを行う方法になります。

 

一回目の作業は最終的な目標位置よりも高い位置で刈り落としを行い、1週間程度期間を設けある程度日に慣らしたのち二回目の作業を行う方法です。

「おくひかり」の畑では芽伸びが良かったため、後者の方法で日焼け対策を行う事にしました。

作業前はこのような状態でしたが、日焼け防止のためやや高い位置でいったん刈り落とし

最終的には下の写真のような状態となります。

畑の色合いも少しずつ変化しているのが分かると思います。

一度の作業で濃い緑色の写真の状態まで刈り落としてしまうと、確実に日焼けの被害が出ていたことでしょう。

 

それぞれ近くから見るとこんな感じです。

このように段階的に刈り落としていくことで、葉を日光に慣らし日に焼けないようにするのです。

 

さらに今回は幸いなことに、作業時は薄曇り程度の空模様。そして明日は雨のち曇りの予報となっています。日焼け対策となる天候であるため有難いですね。

 

実際に何日か経過してみないと日焼けの被害が出てこないので、現段階では日焼けしないことを願うのみ。ですが、平年と比べるとしっかり対策をしましたし、天候も味方をしてくれているため大丈夫かなと思っています。