日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

作業性の向上と病気の予防を目的とした草刈り

6月も早いもので3分の1が経過しましたね。

3分の2が経過する頃には二番茶のシーズンが終わっているか、終盤になっていると思うので、今後も時間の流れが早く感じるのではないかと思っています。

 

一か月ほど前は一番茶シーズンが終わりになった頃。その後、様々な管理作業を行いましたが、この一カ月間だけを振り返ると早くもあり遅くもあるように感じます(-_-;)

まずは無事に一番茶後の管理を終えられたこと、そして二番茶の生育が進んでいる事に感謝したいですね。

 

病気予防などを兼ねて

先日、茶畑に接した部分の茶草を刈りました。

茶草場全体の草刈りは一年に1回。9月中旬頃に行うのですが、茶畑に接した部分は2回ほど行います。

作業前は少しお茶の木に草がかぶさっている状態ですが…

作業後は少しスッキリとした状態になります。

刈った草が枯れていないため、数日するとよりスッキリとした見た目になるでしょう。

 

この草刈りの目的は

・作業性の向上

・病気の予防

この2つです。

 

作業前の状態だと収穫時に草が混入してしまう可能性が高まります。より気を付けながら作業をする必要が出てくるため集中がより必要になります。

 

またマダニの被害にも遭いやすくなるでしょう。

気温が高めなので上の服装は半袖になることもあるのですが、マダニのことを考えると良くはありません。かと言って厚着をすると熱中症などの危険性が高まります。そもそも厚着をしていたとしてもマダニを完全に防げるわけでもないですが。

 

そこで草を刈り、マダニが服に付くこと自体を減少させるのが狙いの一つになります。

 

もう1つは病気の予防。

草がお茶の木に覆いかぶさっていると風通しと日当たりが悪くなります。

 

冬であれば問題ないのですが、気温が25℃前後あり雨の日や多湿の日が続くと病気が発生する可能性が高まりますね。特に二番茶シーズンですともち病という病気に注意が必要です。

この病気は新しい芽の葉っぱや茎部分に発生し、もちが膨らんだような症状が出ます。この症状は次第に黒くなり、発生が多いと芽や葉っぱ自体がとろけた様になり無くなってしまいます。

 

当然収穫は行えませんし、葉が失われることでお茶の木自体も弱ってしまいます。病原菌の密度が高くなり、次に伸びる芽が病気になる可能性も高まりますね。

 

もち病の特徴として高湿度な環境であるほど発生しやすくなります。

同じ品種のお茶の木であっても、平地ではあまり発生せず湿度がより高めな山間部の方が発生しやすくなるのです。

もちろん平地でも長雨になれば発生しやすくなりますが、そのような天候になればもともと発生しやすい山間部で大きな被害が出る事があります。

 

そこで芽が伸びる時期に合わせて草刈りを行い、風通しと日当たりの改善を行うのです!これで葉が濡れている時間を短くできれば、多少ですが病気が発生する可能性を低くすることが出来ます(^^;)

 

とは言え最後は天気次第。どんな対策をしていたとしても、2日3日と雨が降り続けば病気が発生しやすくなってしまいます。

今年の天候状況はそれほど悪くないので、二番茶の収穫が終わるまで病気が蔓延しない事を願うのみです。

一番茶収穫から47日が経過した早生の畑

午前中を中心に青空が広がり、お昼過ぎからは雲が優勢。夕方からはにわか雨が降るという天気が続いているこの頃。昨日も一部地域で強い雨が降りましたが、上河内地区はギリギリ雨雲が避けて行きました。ただ、夜の間に少しは降ったようですね。

今日は夕方に少し雨が降りましたが、本降りには至りませんでした。

もっと降ることを覚悟していましたが、明日以降広範囲で雨が降る予報が出ている事を考えると、ここで雨量が抑えられるのは有難い事なのかなと思っています。

 

今年は気温が低めなこともあり、多湿な状況が続くと「もち病」が発生しやすくなります。もともとこの季節に発生しやすいのですが、気温が20~25℃程度だとより発生しやすくなってしまうでしょう。

 

やや気温が高めの方が「もち病」に関しては発生が抑えらえるので、今年はお茶の木をより注意してみて行きたいと思います。

 

47日が経過

二番茶は一番茶の収穫が起点となり生育が始まります。目安として45~50日程度経過すると二番茶が収穫できるようになる…とされています。

 

そこで今年の一番茶開始の日から経った日を数えてみると本日で47日でした。ちょうど目安のど真ん中になりますね。

47日が経過した畑は早生品種の「おおいわせ」と手摘みで収穫した一部分だけです。上の写真はその「おおいわせ」の畑になります。

 

まだ少し小さいように感じますが、確実に大きくなってきました\(^o^)/

収穫開始予定まで3日は確実に確保できるため、二番茶開始予定日までには程よい大きさに育ってくれそうです。

 

ゆっくりと進める事に…

ちなみに上河内地区での収穫開始予定は14日。一番茶収穫から51日目の日に二番茶を始める予定です。

今年は気温が低めなことが影響し生育に時間がかかっています。そのため、いつもよりも一番茶と二番茶の間が長めとなりました。

 

また大半の畑は現時点で一番茶の収穫から40日程度しか経過していません。

収穫の頃合いまで10日以上の生育時間が欲しくなることを考えると、二番茶が始まったとしてもどんどん収穫が進むことは無いと思います。

 

芽の生長を待ちながらゆっくりと収穫を進める事になりそうです。

刈り込み用の機械4点セット

二番茶まで一週間を切ったという事で、野イモのツルや草取りをもう一巡行い始めました。

二番茶シーズンは野イモ(自然薯)のツルが伸びてきます。収穫時に混入してしまうと、機械に絡みつきトラブルの原因になることもあるため注意が必要な植物です。

 

また秋になると取り残した株にムカゴが出来ます。それが地面に落ちると野イモが増えてしまいますね。野イモのツルは手作業で取り除くため作業量が多くなりますし、イモがある程度育つとイノシシに狙われ茶畑が荒らされる原因にもなります。

 

そのため、根っこあるいはイモから丁寧に取り除くことを意識しています。まあ途中でツルが切れてしまう事も多いですが(^^;)

ちなみにツルの生育が早いため、取り除いた後に他の株の物が伸びて来る事もあります。野イモのツル取りは収穫前にも確認をするため3回程度は行う事になりますね。

 

根っこから取り除けるときの手応えというか感覚はとても心地よいです(^^♪

本当に気持ちが良いので、もし機会があれば味わってみて欲しいと思います。

 

一番茶後に使用した機械

一番茶の収穫後に使用した、お茶の木を刈り込むための機械たちがこちら。

手前から

刈ナラシ機(バリカン式)

浅番刈機(浅刈りなどに)

大型剪枝機(中切りなどに)

そしてタイヤが付いている物が

裾刈り機(自走式)

になります。

 

刈ナラシ機はお茶の木の表面の枝葉を刈り整えるための機械です。

柔らかい葉っぱや芽を刈り落とす用途で使用しますね。使用頻度も高めの機械になります。

 

浅番刈機はナラシよりも少し低い位置で枝葉を刈り落とす時に使用します。

葉っぱが残るか残らないか…くらいの位置まで刈り落とす時に使用したり、中切りや深刈り作業の一段階目、枝葉を大まかに落とす時などにも使います。

 

大型剪枝機は中切りや深刈りなどの、低い位置で太めな枝を切る時に使用する機械になります。太い枝を切るため刃は頑丈に作られていますしエンジンも大きいです。使用頻度は低めですね。

 

そして裾刈り機。こちらはお茶の木と木の間、畝間部分の枝葉を刈り落とす専用の機械になります。この中ではナラシ機と共に使用頻度が高いですね。一番茶と二番茶の収穫後、そして秋のナラシ作業前に使用します。

 

この4種類の機械はこれでワンセットのようなもの。お茶の木を刈り込んだり形を整えたりするために必要な物です。

 

機械の手入れ

今回はこれらの機械の整備として、汚れを洗い落とす事にしました(^^)/

刃には茶渋などの汚れが付いているため、作業が終了したら必ず洗いキレイな状態で保管するようにしています。

 

浅番刈機と大型剪枝機に関しては来年まで使用する予定が無いため、燃料を抜きグリスアップや油を刺して来年の一番茶後に備えますね。

 

これらの機械はお茶の木の管理には欠かせません。

茶畑やお茶の木ばかりに目を向けるのではなく、使用する機械や道具もしっかりと手入れをするように心がけています。

6月14日から二番茶開始の予定になりました

ついに二番茶の開始予定日が決定。

2022年は6月14日から始める予定となりました。もちろん雨が降れば延期となりますが、とりあえず1週間後が始まりの予定という事で今後は動いていきます。

 

と言っても、二番茶までに行う大きな作業は終了しています。

現在は草取りを主に進めていますが、こちらもある程度は目途が付いたところ。草刈りも半日あれば十分なので、今後は二番茶の芽の生育を待つのが主な仕事となりそうです。

今はまだ収穫するには小さい芽ですが一週間もあれば葉が新しく一枚開き、現在開いている物もある程度は大きくなってくれると思います(^^♪

 

とは言え、風になびく程度の大きさにはなって欲しいので、少し早く収穫するような形になりそうです。

 

また写真の畑は比較的生育が早い場所になります。これ以外の場所はまだ半分か半分以下の大きさの畑が多いため、収穫が始まったとしても少し芽が育つのを待つことになるのではないかと思っています。

 

まあ気温が高く芽の生長が進み、収穫を急ぐよりかは良いですね(^^;)

こちらは「おくひかり」の芽。

一番茶は最終日に収穫を行ったのでもう少し生長に時間がかかると思いましたが、充実した芽が萌芽してくれましたね。見た目からもある程度重さがあることを感じられる芽です。

 

2022年の二番茶は気温が低めなことで生育がゆっくり進んでいますが、全体的に良い芽が育ってきていると思います!

あとは収穫が終わるまで病気が出ずに済むことを願うのみです。

2022年の二番茶はゆっくりな生長に

午前中を中心に清々しい青空が広がった本日。遠くの景色も霞んでいない本当に澄んだ空気でしたね。

 

しかし、お昼頃からは雲が目立ち始め、夕方には雨がパラつくこともありました。

朝から晩まで晴れる事が少なくなってきていますし、週間天気予報を見ても雲がどの日も目立つため雨の季節がすぐそこまでやって来ているのでしょう。

またこの頃になってトンボなども目立ち始めたので、見られる昆虫の観点からも季節が進んでいる事を実感します。

 

一番茶シーズンはまだ羽化していないのかほとんど見ません。

しかし、5月末ごろから徐々に増加。カワトンボがまずは目立ち始め、夏本番から初秋にかけてはミヤマアカネを中心に、たくさんのトンボが飛んでいるのを見るようになります。

 

今年はゆっくりな生長です

2022年の二番茶は、今のところかなりゆっくり生長していると思います。

 

5月も気温が低めの日が多かったですし、6月も比較的涼しめの日が多いように感じます。実際に上着を着て作業をしてもそれほど汗をかかなかったですし、今日も半袖では少し寒さを感じたほどです。

 

それらが影響しているのかは分かりませんが、二番茶の萌芽までそこそこ時間がかかりました。そして、萌芽してからもなかなか葉が開ききらないように思います。

茶畑もすでに青々としてきましたがまだ芽は小さいですね。

芽の長さもそこまでありませんし、葉っぱも開ききっていない状態です。

 

ただ、何か異常があるわけでは無いです。

気温を中心とした気象条件が生育に影響し、いつもよりもゆっくりな生長になっているのだと思っています。

 

気温が高い日が続けばその年は早く生育するでしょうし、気温が低めで生育がゆっくりな年も当然あります。

生育がゆっくりであれば育つのを待っていれば良いので、生育が早く進み過ぎるよりは良いかな…と思います。二番茶の収穫も芽の生長を待ってゆっくり行えますしね(^^♪

 

あと一週間くらいで収穫できるかなと思っていましたが、今のところの生育を見るともう少し時間がかかりそう。また収穫が始まったとしても、その後芽の生育を待つ期間が欲しくなりそうです。

雨の日を有効活用! ススキの植え付けと茶草場整備

こんばんは。

昨日は夕方ごろから弱い雨が降り出し、夜には一時的に音を立てて降る事もありました。

 

そして今日は朝から夕方までずっと雨が降りました。

ただ、そこまで雨量は多くないですね。午前中は雨風が少し強まることもありましたが、お昼頃からは霧雨のような雨となりました。

 

今回の雨はとある作業を行うのに最適!

雨のひと時を有効に活用できた一日となりました。

被害と茶草場整備

近年ニホンジカなどの野生動物が増加し、茶畑やその周辺にも頻繁にやって来るようになってしまいました。昔と生息頭数が大きく違うため、今までは発生していなかった被害や影響が出るようになっています。

 

お茶の木への影響では無いのですが、頻繁に動物が歩くことで斜面の一部が崩れかけたり、植物が無くなってしまう事が発生しています。

そのような状態では大雨が降った時に、より大規模に崩れるきっかけとなる可能性もありますし作業中に足を踏み外してしまう可能性もあるでしょう。土壌が流亡してしまう事もあります。

 

そこで、それらの影響を低減させるために茶草場の整備を細々と進めてきました\(^o^)/

ほだ木にしなかった雑木の枝を利用して土留めを作り、そこへススキを植えるような作業ですね。木の土留めも2・3年はもつと思うのですが、やはり植物が生えていた方が安心感がありますし、茶草として利用することも出来るためススキを植え付けるようにしています。

 

ただ、一部の場所ではせっかく植え付けたススキを動物が抜いてしまったり、踏みつけて上手く根付かないこともありました…。

 

植え直しを行う予定でいたのですが、せっかくやるならば「まだ手を入れていない部分もやろう!」という事で、一番茶後の管理が落ち着いた先日、春に行えなかった場所の土留めを作成。今日ススキの植え付けまで行えました。

 

雨を有効活用

やはり植物を植え付けた際は、水をあげると活着が良くなります。特に水を多く欲したり、生育が盛んな時期であればより水やりの必要があると思います。

 

ただ、ススキを植え付けたのは傾斜のある場所。何度も往復して水を運ぶのは大変ですし、ポンプや動噴を利用するのも面倒です(-_-;)

 

そこで、土の水分が増える雨の日を狙って行うことにしました。

雨が降っている状況であれば水やりをしなくても同じ効果が得られますしね。

 

また直射日光がきつかったり気温が高いと根が乾いてしまいます。根が乾くと活着が悪くなったり枯れやすくなるため、根が乾いてしまう事も防止できるでしょう。

カッパを着ると熱気がこもり汗をかきやすくなるのですが、今日は気温が低く作業はしやすかったです!

 

今回植え付けたススキの一部もシカなどに引っこ抜かれてしまう可能性が高いですが、それでも一部が根付いてくれれば茶草場をより強く豊かにしてくれるでしょう。

今後の生育に期待したいと思います。

 

プランターに蒔いたお茶の実のその後

面白いお茶の木を探して種まきをしたプランター

この頃動きが見られたため、そのことについて投稿したいと思います。

 

プランターのその後

季節が進み終わりかけていた春野菜の片づけを行ったこの頃。特に今年はプランターで栽培していたさやえんどうの結果が良かったです。

 

タマネギも収穫は行えましたが、全体的に小型の物が多かったですね。病気を避けるため早生品種を中心に育てたのですが、やはり一部で病気が発生してしまいました(^^;)

そんな春の家庭菜園でしたが、プランターでの栽培はさやえんどうだけを育てていたわけではありません!

地中には秋に集めたお茶の実も蒔かれているのです(^^)/

 

お茶の実から芽が出始めるのは初夏から梅雨明けにかけて。

そのため、初夏頃までに収穫を行う作物を育てていると区画を有効に利用することが出来ます。また植物が植えられている事で乾燥を防止する事も出来ますね。

 

そんなさやえんどうも収穫出来なくなり先日片づけを行ったのですが、すでにお茶の芽が出てきていました!

まだ葉っぱが開ききっていません。羽化したての昆虫のような状態になります。

 

また上の写真は比較的早く芽を出したものになりますが、

ようやく芽を出し始めたものも多いです。

そして、梅雨明け頃にかけて芽が出るため今後も芽が出てきてくれる事でしょう!

 

お茶の木は挿し木で増やすのが基本です。種だと親と違う特徴を持ったお茶の木になってしまいます。同じ木から採取した実であってもそれぞれ特徴が違うのです。

 

それが面白い点でもありますし、品種改良を行う際には必要な工程にもなりますね。

 

今回のお茶の木たちもしばらく育て、もし面白そうな木があったら残してみようと思います(^^)/