日々お茶暮らし

お茶で有名な川根地域でお茶づくりをしている茶農家のブログです

茶畑が荒れてしまうと…? お茶の耕作放棄地について

近年の農業は個人でやるなど個人事業主スタイルから、農業法人など会社に勤める雇用型のスタイルなど、多様な形になってきました。

 

特に農業法人に勤め農業を行う方は、年々増えてきていますね!

農業に新たに参入する企業もあり、農業界にとっては明るいニュースの1つだと思います。

 

しかし、農業の仕事に就く人以上に農業をやめてしまう人の方が多いのも現実…。

後継者不足や高齢化の問題は、農業にとって特に深刻な問題となっています。

 

もちろん茶業界も例外ではありません!

特に山間部では高齢化の傾向が顕著に表れ、耕作放棄地も少しずつ増えてきているように感じます。

 

ちなみに『耕作放棄地』というのは、農業をやめたことで荒れてしまった畑のことです。

機械が導入出来たり、ある程度まとまった面積だったり、日当たりが良いなど、条件が良い畑であれば借りる人もいるのですが、傾斜が急で作業が行いにくかったり面積が少ないなどの条件だと、借りても付かず荒れてしまう事が多いです。

 

耕作放棄地の問題は、茶業界だけでなく農業全体、日本全域どんな地域でもある問題でしょう…。

 

お茶の耕作放棄

お茶畑といえば「かまぼこ型」の形を思い浮かべる方がほとんどでしょう!

しかし、お茶の樹は自然とあのような形になるわけではありません。

 

お茶の樹にまんべんなく光が当たるようにしたり、作業を行いやすくするために、かまぼこ型に整えているのです(^^)/

 

収穫をしたり『ナラシ』という作業を繰り返し行うことで、茶畑の景色を保つことができます。

お茶の樹が「かまぼこ型」をしているのは、自然とそのような形になるのではなく、景観のために行っているのでもなく、お茶を作るために必要な作業を行った結果なのです。

 

茶畑の広がる景色は”人の手によって作られた”と言っても過言ではないでしょう。

 

では、もしお茶の栽培をやめてしまったら…。

茶畑・お茶の樹の手入れをやめてしまったら、どのようになるのでしょうか…?

 

茶畑の管理をやめて数年経過した畑の様子がこちらです。

遠くから見ると、何を育てているのか分かりません。

もちろん「カマボコ型」の名残は全くありませんし、鬱蒼としたやぶのようにも見えます。

お茶の樹の手入れをやめてしまうと、お茶の樹は上へ上へと枝を伸ばします。

大人の背丈は軽々と越してしまうほどの大きさにはなりますね。大体、2mほどにはなるでしょう…。

 

どんなに晴れた日でも荒れた茶畑の近くでは薄暗く感じますし、覆いかぶさってくるような圧迫感もあります。

 

しかし育てられてきたお茶の樹では、4m5mとその後も大きくなるわけではありません。

あまり背丈が大きくなる木ではないですし、畑にはたくさんのお茶の樹が植えられているので、枝が込み過ぎてしまいます。そのため、荒れた茶畑のお茶の樹が2~3mを超えることはあまり目にしません。

 

ちなみに、お茶の樹の手入れをやめて2年もすれば、このような状態になってしまいます。

さらに数年が経過すればツタなどの植物が伸びてきて、お茶の樹はツタに覆われてしまう事に…。そのような状態になると、より藪らしさが増し近寄りがたい雰囲気も増加します。

 

 

近年では、山間部の山の斜面にある茶畑だけでなく、平坦な土地の茶畑も荒れているのを目にすることが多くなりました。

 

山の傾斜のキツイ茶畑では「作業をするのが大変」「手間がかかる」「労力の割に採算が悪い」などの理由から、借り手が付かず荒れてしまいやすいです。特に近年はお茶の値段が低下していることで、荒れた畑の面積は毎年増加しています。

川根地域でも、荒れてしまった茶畑を遠目に見ることが出来ますね…。

 

そしてその流れは比較的作業が行いやすい平坦な茶畑にも…。

お茶以外の作物を育て始める方もいますが、農業自体から離れ畑を荒らしてしまう事が多くなりつつあります。

 

キレイに管理された茶畑の近くに荒れた茶畑があると、そこだけ雰囲気が大きく違って見えますね。

 

耕作放棄地のデメリット

お茶の耕作放棄地も含めて、このような荒れてしまった畑には共通のデメリットがあります。

 

それは野生動物の住処になってしまう事…。

この荒れた茶畑周辺でも目にしましたが、イノシシなどが土を掘り返した跡や足跡などが残っていました。

 

お茶の木であれば高さ2mほどの藪になりますし、そのほかの畑でも草だらけになれば、野生動物が体を隠せる場所となります。

 

耕作放棄地を住処にして、周辺の畑を荒らしたりするなどの農業被害はもちろん発生。

さらに、車との衝突事故や街中へ出てくるなどのリスクも高まるのです。

 

鬱蒼とした状態になってしまうため、すぐ近くにイノシシなどが潜んでいる可能性も捨てきれない…。そのため、耕作放棄地の近くにいる時は、些細な木や草の動きや音に注意する必要がありますね。

 

他にも作物の管理をしないことで、病害虫の発生源となったり、景観が悪くなるなどの影響もあります。

 

茶畑を守っていけるように頑張ります!

後継者不足・高齢化は農業全体の大きな問題です。

もちろん、おかのや農園のある川根町上河内地区も例外ではありません。

 

しかし、お茶を飲んでくれる方がいる限り、品質を重視した香り高い上河内のお茶を作り続けて行きたい、上河内の茶畑とお茶づくりを守り続けて行きたいと思います(^^)/