日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

2月のお茶づくりまとめ編 パート②

今回は、前回投稿した2月のお茶づくりパート①の続きになります。

2月のお茶づくりまとめ編 パート①

 

今日は二十四節気の1つ「啓蟄:けいちつ」です。

気温が少しずつ上がり始め、冬ごもりしていた虫や動物たちが活動を始める頃…とされています。

 

実際にフキノトウヨモギなどは盛んに顔を出し始めていますし、ウグイスの鳴き声も頻繁に聞くようになりました!

またミツバチたちも、蜜や花粉を集めに行くハチたちの数が少しずつ増えていますね。

 

様々な動植物が活動を始めているのを実感する季節です(^^)/

 

さて前回は

「春の肥料まき1回目」と

「赤焼病対策」

について投稿しました。

 

今回は2月の中旬頃から行っている

立ち葉・遅れ芽の除去』と

防霜ファンの点検

について投稿していきたいと思います。

 

お茶の品質を低下させないために…

2月の中旬頃から時々行っている作業が

立ち葉・遅れ芽の除去

になります。

 

この作業は3月末あるいは4月になるまで、少しずつ継続して行う作業です。

 

静岡県では冬になると強い西風が吹くことが度々あります。

また「春の嵐」と言われるように、激しい風雨になることもありますね。

 

強い風を受けると、お茶の葉っぱが風の影響を受け立ち上がることがあるのです。

このように、キレイに整えたお茶の樹の表面からぺらッと葉っぱが出てしまいます。

 

また、昨年の秋にナラシ作業を行った後に、極々一部の芽が伸びてきてしまう事があります。

ちなみに、ナラシ作業の後に芽が萌芽(伸びる)することを『再萌芽:さいほうが』と言い、遅れて出てきた芽のことを『遅れ芽』と呼びますね!

 

遅れ芽のほとんどは冬の寒さ・霜により枯れてしまいますが、一部は耐えてそのまま残ります。

 

このような芽はほとんど無いのですが、ちょっぴり目立つ存在です。

 

「立ち葉」と「遅れ芽」は、キレイに整えたお茶の樹の表面から飛び出ています。

このままでは、一番茶(新茶)の収穫時に混入する可能性が高くなってしまいますね(^^;)

 

立ち葉・遅れ芽は、新芽と比べて硬い葉っぱと芽になるため、お茶の品質を低下させることもあるのです。

また、病気や害虫の発生源となる可能性も高まります。

 

そこで、収穫時に混入しそうな「立ち葉・遅れ芽」を取り除く作業を行います(^^)/

遅れ芽の場合であれば、取り除くのは大きく伸びた遅れ芽のみ…。

膨らんだ新芽は絶対に傷付けないように注意しながら行います。

 

また立ち葉は、お茶の樹の表面がキレイに整うようにカットします!

 

お茶の品質を少しでも良いものにするために、丁寧に行っていく作業です(^^)/

 

作業を行いながらお茶の葉っぱや新芽の状態など、お茶の樹の様子をしっかりと観察できる…というメリットもありますね!

 

この作業はお茶の新芽が萌芽する頃まで、畑の状態や「立ち葉・遅れ芽」の有無に応じて続けていきます。

 

防霜ファンの点検

茶畑の上には、大きな扇風機が設置されています。

初めて見た方は

「なぜ扇風機があるのか…?」

と驚く光景なのではないでしょうか…。

茶畑に設置された扇風機の正体は『防霜ファン

文字通り霜を防ぐための扇風機になります。

 

ちなみに動き方としては、普通の扇風機と変わりありません(^^)/

プロペラが回ることで風を発生させ、ゆっくりと首振りもします!

 

また、プロペラの角度(上下)も多少変えることが可能です。

 

なぜ、このような扇風機が茶畑に必要なのか…?

 

それはお茶の芽は霜に弱いからです(>_<)

 

芽吹く前のお茶の芽は霜や寒さに対して、ある程度までなら耐えることが出来ます。

しかし、萌芽した後は少しずつ寒さや霜に弱くなってしまうのです。

 

萌芽は3月末以降…。

3月末以降は、少しずつお茶の芽が霜や寒さに対して弱くなっていくのですが、4月中には気圧配置や気温によっては霜が降りる可能性がありますね。

 

もし霜の影響を受けてしまうと、新芽が凍り枯れてしまうことがあるのです!

枯れてしまえば、一番茶(新茶)の収穫を行うことは出来ません。また枯れなくても、芽の生長が大幅に阻害されたり、収穫量に影響してしまいます。

 

そこで、お茶の芽が萌芽し生長していく時期に「防霜ファン」を動かすことで、お茶の芽を霜から守ることが重要になります!

 

稼働させる時期は地域により異なります。

川根町上河内地区では3月の中旬・下旬以降からですね(^^;)

 

同じ静岡県でも牧之原や掛川などの暖かい地域では、もう少し早い時期から稼働させるでしょう…。

 

しかし稼働させるのは1年の内1か月半未満です。

約11カ月間は動かさないため、正しく動くか事前にチェックする必要があります!

そこで、2月の下旬までに一度防霜ファンを稼働させ、正しく動くか確かめる作業を行います。

 

パート②まとめ

2月の中旬以降は、お茶の品質を低下させないために「立ち葉・遅れ芽」の除去を行っていきます。

 

お茶の樹の様子を観察しながら

「少しでも良いお茶を収穫できるように…」

と思いながら作業を進めています(^^♪

 

また、お茶を収穫するために重要な設備となる『防霜ファン』の点検もこの時期に実施。

 

どちらの作業も、良いお茶の芽を収穫することに直結するものです。

新茶シーズンが近付いて来ていることを作業の面からも実感できるため、ワクワクとした気持ちが強まっていきます(^^♪