5月はお茶の収穫・製造が代表的なお茶づくりと言えますが、収穫後の管理も目白押しです。
お茶の樹の管理作業ほぼ全ての種類を5月の1か月間の内に実施することになります(^^♪
5月の上旬は一番茶(新茶)の収穫製造。
収穫シーズンが終了したら、直ちに肥料まき&耕耘。
裾部の枝葉を刈り落とす「裾刈り」
お茶の樹をキレイに整える「ナラシ」
病害虫予防として「防除」
数年のサイクルで実施する「中切り・深刈り」
これらを行ってきました。
ちょうど5月末で一連の作業はほぼ終了!!
あとは、防除作業1回と遅れ芽などを取り除く作業を行い、二番茶シーズンの到来を待つこととなります。
2020年の新茶は…?
2020年の新茶は、芽の生育がゆっくりでしたが、品質的にはかなり良い物が出来ました(^^♪
また、上河内地区では収穫量も昨年より増加!
ちょうど昨年が減産傾向の年だったのですが、一昨年並みの生産量となりました。
おかのや農園でも昨年と比較して2割ほど収穫量が増えてくれましたね(^^)/
ただ、コロナの影響もあってか取引価格は少し安め…。
売上は昨年と比べて1割ほど減少した年になりましたが、品質の良い物をたくさん作ることができ、さらに平年よりも安い価格で取引されたので、消費者の方に手ごろな値段で良い物が届くと良いなと思っています!!
肥料まき
新茶収穫後の肥料まきは、収穫後ただちに行います!
お茶の収穫は伸びた芽を収穫する行為…。お茶の樹の一部を頂くことになるため、疲弊しないように直ちに肥料をまいて栄養不足に陥らないようにします。
また、二番茶の芽を伸ばす時にも栄養分が必要なため、適切に肥料を施してあげることが重要ですね。
今回は早く効果が得られ、お茶の生育に必要な栄養分をピンポイントで補給するため、お茶用の化成肥料を使用しました。
有機質肥料も少し含まれている物で、土づくりにも役立ちます!
肥料をまいた後は、すぐに土と混ぜることも重要となりますね(^^)/
裾刈り
お茶の樹の表面だけでなく、裾部からも新芽は伸びてきます。
裾部を広く開けることで作業を行いやすくし、風通しを良くし病気の発生を防ぐために『裾刈り』を行います。
また、裾部に卵を産む害虫や住処としている害虫が多いため、裾刈りを行うことで物理的に害虫を防除する役割もありますね!
裾刈りを行うと、茶畑全体がスッキリとした雰囲気にもなります。
重要なナラシ作業
二番茶の順調な生育のために、最も重要となるのが『ナラシ』作業となります。
一番茶の収穫後、遅れて伸びてきた「遅れ芽」や収穫時に残した葉などが大きくなり、お茶の樹の表面は乱れた状態となります。
これは早い時期に収穫を行った畑ほど、そして手摘みで収穫を行った畑ほど乱れる傾向があります。
このままの状態では、二番茶の芽が揃って生育することはありません!
また、二番茶の収穫時に古い葉が混入したり、病気が発生するリスクも高まります。
そこで、遅れ芽などが伸び切ったタイミングで『ナラシ』を行い、お茶の樹の表面をキレイに刈り整えるのです(^^)/
刈り取り位置は一番茶として伸びた茎や葉が少し残る程度…。
この部分から二番茶の芽が生育してくることになります!!
また、裾刈りやナラシで刈り落としたお茶の葉っぱなどは、土の微生物に分解され豊かな土へと変化していきます!
長期的な効果のある中切り作業
一番茶の収穫後からは、茶色になった茶畑が目立つようになります。
これはお茶の樹を大幅に剪定する『中切り』や『深刈り』を行った畑になりますね!
お茶の樹を育てていくと、年々樹が高くなり作業が行いにくくなります。
また、枝の数が増加する一方で1つの枝は細くひょろりとした物に…。
樹の高さを低くし作業を行いやすくするため…。
そして、充実した芽が育つ土体を作るために、5年ほどの間隔で『中切り』という作業を行います。
(深刈りは中切りよりも高い位置で枝をカットする選定方法になります)
葉のある部分はほとんどカットしてしまうため、作業後は枝が直に見える状態に…。
そのため、茶畑が茶色に見えるようになるのです。
こんな状態の茶畑ですが、夏本番には再び芽が伸び葉が茂り、緑色の茶畑へと戻っていきます。
ジメジメ天気に対応
6月になるとジメジメした天気が続きそうだったので、新芽や葉に病原菌が侵入しないように防除を行いました。
使用した農薬は『ダコニール』
お茶の樹が感染する病気のほとんどは『カビ』を原因としています。
ダコニールは病原菌となる胞子が発芽し、お茶の葉っぱの中などに侵入するのを防ぐことで、病気になるのを予防します。
病原菌の侵入を防ぐ効果は非常に高いのですが、病気を治す効果はないため、事前に散布しておくことが重要となりますね!
今回はジメジメした天気が続きそうな天気予報で、発病や感染が広がりやすい条件となりやすかったので、事前に『ダコニール』を散布することとしました。
ちなみに、浸透移行性がなく分解も早いため、二番茶芽に農薬が残留することはありません。
また、天敵や人に対しても優しい農薬となります。
6月のお茶づくり
6月下旬になると、いよいよ2番茶の収穫・製造が始まります。
6月の上旬や中旬に行うお茶づくりとしては、
・防除
・遅れ芽などの除去
・草取り
が主となりますね!
病気と害虫対策として、上旬にもう一度防除作業を行います。
これで、二番茶へ向けた代表的な作業は終了となります…。
ただ、より品質の良い物を作るために、遅れて伸びてきた『遅れ芽』を手作業で取り除いたり、茶畑内あるいは茶畑周辺の草取り作業を行っていきます(^^)/
6月は梅雨に入る時期…。
天気や空模様を気にしながらお茶づくりを行っていく事となります。