日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

2021年のお茶づくりスタート!

2020年の二番茶シーズンが終了して3日が経過しました。

上河内地区では二番茶までしか作らないので2020年のお茶づくりはこれで終わりとなります。

 

しかし

「これでゆっくりできる…」

とはなりません!

 

二番茶が終了したらすぐに二番茶収穫後の管理作業が始まります(^^;)

 

これから行う作業は翌年の一番茶の品質などに大きく影響するものです。

そのため決して手を抜くことは出来ません!

 

2021年のお茶づくり

今後行う作業は翌年の一番茶の品質などに大きく影響します。

特に重要な期間は7月からお盆過ぎの8月下旬頃までの約2か月間です!

 

この時期に伸びる芽のことを「三番茶芽」というのですが、充実した三番茶芽を育てることが翌年の一番茶の品質に直結するのです。

 

良い三番茶芽を育てることが出来れば、その後に行う作業でさらに良いお茶に育てることが出来ます。

しかし三番茶芽を上手く育てることが出来なければ、その後どのような作業をしたとしてもそれなりの物になってしまいますね…。

 

来年の一番茶(新茶)の出来は三番茶芽の生育により6~7割は決まってしまうと言っても過言ではないと思っています。

 

2021年の一番茶(新茶)は4月の末から5月上旬頃から始まります。

まだ10カ月ほど先の事になりますが、2021年のお茶づくりが始まっていくのです(^^)/

 

今後行う作業

2021年のお茶づくりは大きく二段階に分けることが出来ます。

 

第一段階は二番茶収穫後に行う「施肥」「裾刈り」「浅刈り」などの作業。

三番茶芽が育つ環境を整えるものになります。

 

第二段階は三番茶芽が萌芽してからの手入れです。

病気や害虫の被害を受けないように適切に防除を行っていきます!

 

もちろん環境や天敵に対しての影響も最小限に抑えつつ、私たち人にとっても安全な物を使用。

さらに一番茶の収穫時には完全に分解され、農薬が残留しないような物を使用します。

 

またこまめに草取りを行ったり、傷んだ葉っぱなどを手作業で取り除いていきますね。

7月下旬には土の酸度の調節と微量要素の補給を目的として「苦土石灰」の施用も行います。

 

第一段階のお茶づくりは、7月の上旬までに終えてしまうものですね…。

 

対して第二段階のお茶づくりは7月の中旬頃から8月下旬頃まで長期的に行うものです。

 

第一段階「施肥」「裾刈り」「浅刈り」

2021年のお茶づくり。

 

第一段階となる作業は

・肥料を施す「施肥

・お茶の樹の畝間部分の枝葉をカットする「裾刈り

・病害虫の予防と良い芽が伸びる土台作り「浅刈り

この3つになります。

 

ちなみにすでに「裾刈り」作業が終了し「施肥」を行っている最中です。

 

「裾刈り」はお茶の樹の畝間部分に伸びた枝葉をカットすることで作業を行いやすくします。

さらに産み付けられた害虫の卵や病気の葉っぱを物理的に除去することで、害虫の発生・病気の伝染を抑える効果もありますね(^^)/

 

また風通しが良くなるため、病気の発病を抑える効果もあります。

裾刈りを行うと何となくスッキリとした雰囲気になるのも良いですね!

 

次に行うのが「施肥」になります。

お茶は伸びた芽を収穫する作物です。本来であれば光合成を行い栄養分を作り出す部分を取り除いてしまうため、収穫後には適切に肥料をあげないとお茶の樹が疲弊してしまいます…。

 

お茶の収穫のお礼として…。

そして三番茶芽が元気に育つように…と思いながら肥料を施していきます。

 

この時期に施す肥料は窒素を少し多くした化成肥料です。

芽を伸ばすためには窒素う成分が必要ですし、早く効果が出てくる化成肥料を選択しています。

 

また必要な栄養分を必要な量だけ補給できるメリットもありますね(^^)/

 

「裾刈り」や「浅刈り」より大量の有機物も補給しますが有機物が分解される際には土の栄養分が消費されるため、土の状態を健全に保つ効果もあります!

 

この時期の施肥作業はかなり重要なものになりますね。

 

そして二番茶後のメイン作業となるのが「浅刈り」です。

一番茶・二番茶が生育した後のお茶の樹の表面は、細めの枝が込み合った状態になってしまいます。

 

このままの状態では芽の数は多くなりますが、1つ1つの芽は小さく充実した物に育ちません(>_<)

また枝葉が込み合った状態は病害虫の発生リスクを高めることもあります。

 

そこで少し葉が残る程度の位置でお茶の樹を剪定する「浅刈り」を行い、充実した芽が育つ環境を整えていくのです!

病害虫の被害を物理的に予防する効果もありますね。

 

一方で「浅刈り」を行うとお茶の樹が疲弊しやすくなるデメリットもあります。

この問題を解決するためには、お茶の樹が疲弊しないように、土の状態やお茶の樹の生育に合わせて適切に「施肥」を行うことが重要となるのです!!

 

最後に…

二番茶が終了すると直ちに始まる2021年のお茶づくり。

良い三番茶芽を育てる事が翌年の一番茶(新茶)の品質などに直結するため、今後行うお茶づくりは非常に重要です!

 

良いお茶を作れるように、しっかりとお茶の樹の手入れを行っていきます(^^)/