おはようございます。
今朝の川根町上河内地区は風が非常に強いです。先日の大雨の時よりも風が強く、すでに道路には木の葉っぱや枝が散乱しています。
また雨は激しく降ったり弱まったりを繰り返していますね。
今後大雨が予報されるので警戒は怠らないようにしていきたいと思います。
そして熊本県を中心に特別警報も出ているようですね。
まだ状況が全て把握できる状況ではないと思いますが、人的被害が発生・拡大しないことを祈るのみです。
長雨で感染が広がり高湿度の環境で発病
今回は、現在そしてこれからの時期に注意したいお茶の樹が感染する病気について投稿したいと思います。
1回目となる今回はお茶の葉が白く膨らむ『もち病』という病気についてです!
もち病は新しく伸びたお茶の芽に感染し被害をもたらします。
この写真は川沿いの廃園になった茶園を撮影させてもらったものです。
新葉に黄色いポツポツがたくさん出来ていますね…。
裏面は白く膨らんだような症状が出ています。
餅が膨らんだように見えることから『もち病』と言われているのです。
ちなみに白く膨らんだ部分は時間の経過とともに黒くなっていきます。多発するとお茶の樹に与える影響が大きいですね。
この病気は山間部で発生することが多いとされています。
山間部では朝露が降りたり霧が発生することが多く湿度が比較的高めです。また気温も少し低めの傾向があり、もち病が発生しやすい条件が揃いやすいのです。
高湿度かつ少し気温が低めの環境で発生が多くなる病気とされています。
また周辺へ感染が広がるには「雨」が欠かせません。
胞子が雨粒などで周辺へ広がり伸び始める新芽に付着…。新芽が伸び始め、高湿度の環境が続くと発病するとされています。
そのため、長雨で日照不足の年などは特に発生しやすい傾向がありますね。
今年は雨が多い状況が続いているので平年以上に注意する必要があると思います。
白く膨らんだ時が一番危険
雨で周辺へ感染が広がると言いましたが、胞子は葉が白く膨らんだ時に出てくるとされています。
白く膨らんだ部分は次第に黒くなっていくのですが周辺へ感染を広げるリスクがある最も危険な時は葉が白く膨らんだ時なのです。
ご家庭でお茶の樹を育てている場合であれば、葉が白く膨らんだ症状が見られたら速やかに取り除き処分してください。
また芽が伸び始める前にボルドー剤(銅剤)を散布するのもおススメです。
症状が出てからではどのような農薬を使用したとしても元に治すことは出来ないので
・感染を広げないこと
・予防的に防除をすること
が重要となります。
影響が長く続く…
一度でも『もち病』を多発させてしまうと影響が長く続きます。
例えば今の時期に多発させてしまえば、翌年の新茶の品質や収穫量が低下します。
さらに翌年もち病が発生するリスクも高まってしまいますね…。
新芽に発生が多くなればその次の二番茶芽への発生も多くなりやすく、どんどん悪い循環に陥ってしまうのです。
そこから抜け出すには防除の方法を増やしたり、農薬の使用を増やす必要が出て来るかもしれません。
結果として予防的に防除をしっかりと行うことが防除の回数などを減らすことになり、お茶の樹も健康に育つのです。
『もち病』は多発すると厄介ですが、きちんと防除を行えば防げる病気です。
症状が出てから…ではなく症状が出る前に!
そして症状が出た場合は速やかに対策を行うことで、病気の発生を減らしていく事が出来ます。