日々お茶暮らし  茶農家のブログ

川根地域でお茶づくりをしている農家のブログです

お茶の木の手直し

先日、野生動物によるお茶の木の踏みつけ被害に関することを投稿しました。

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このままの状態ではお茶の木がデコボコしたままとなり一番茶の収穫に影響してしまいます。また踏みつけられた時に葉にたくさん傷が付き病気になる可能性が高まっていますし、茶の木内部に押し込まれた様になった枝葉もあるため、なるべく早い段階で手直しを行う必要が出てきます。

ちなみにですが収穫する予定の芽が伸びている段階であれば、刈り落として処分する必要もあったりしますね。これは芽に匂いが付いているためです。お茶は香りを楽しむ作物でもあるため、この点には特に注意するようにしています。

 

この作業は今後一番茶の収穫を迎えるまで、被害を受けるたびに行うものになりますね。

手作業で

お茶の木の手直しは基本的に手作業になります。道具として刈り込み鋏や剪定鋏を使う事もありますが、これは仕上げで使用する物になりますね。

 

手直しではまず茶の木の内部に押し込まれた枝葉を助け、乱れた枝葉をなるべく自然な形になるように戻します。しかし、一度乱れてしまった枝葉は完全には元に戻りません。また中には完全に折れてしまった枝もあるため、ぽっかりと空間が空くこともあります。

こんな状態ですが、これでもなるべく元に戻した後になります。このように完全に元に戻すことは不可能であり、飛び出ている枝葉は刈り込み鋏で刈り落としていきます。

芽が膨らんで来ているのですがその部分を刈り落とすことになるため、刈り落としが少しだとしてもショックは大きいです。

 

ただし、この状態であればまだ被害としては深刻ではありません。

上が被害なしの状態、下が被害を受けた部分になります。

このようにひどい場合は穴が空き、スカスカな状態になってしまうのです。残っている葉っぱも今回できた傷やその傷をきっかけに病気になり、高確率で落ちてしまうため枝しか残りません。

そして元の状態に戻るには1年程度の時間がかかることになります。

 

やはり大切にお茶の木を育ててきているだけあって、被害を受けた時のショックは大きいです。ほんの数年前までは一切発生していなかったので余計にそう感じてしまいます。

 

そして辛いのが、まだ冬は始まったばかりであり今後も被害が出続ける事が簡単に想像できる事です。被害が減るよう対応はしているのですが、生息頭数の増加に追い付いていないため被害を0にするのは困難でしょう。

被害を受けるたびに手直しを行い、穴が徐々に増えていくのを見ながら冬を過ごしていく事になりそうです。