昨日16日は大井川鐵道の金谷~家山間が復旧した日になります。土砂災害の影響により長らく不通となっていましたが、川根路に蒸気機関車が戻ってきた1日となりましたね。
上河内地区からは直に鉄道を見る事は出来ません。しかし、茶畑にいると日によっては汽笛が聞こえてくる事もあるのです。姿は見えなくとも、蒸気機関車の汽笛はこの地域らしい光景の一つになると思っています。
ただ、川根から千頭間はまだ不通。福用(金谷から家山の間にある地域)の土砂崩ればかりが報道されていましたが、家山から千頭間が不通になっている事を考えるとこの範囲の被害もかなり大きいのではないかと思います。
全線での復旧が待ち遠しいですが今回途中まで復旧出来たこと、そして蒸気機関車の運行も始まった事から少しでも良い状況になると良いなと思っています。
うちで唯一の早生品種「おおいわせ」
お茶の木の品種にも様々な物があります。普通煎茶や深蒸し煎茶…という違いではなく、お米や果物のように作物としての品種が結構あるのです。
おかのや農園では主に「やぶきた」を育てていますが、それ以外にも「おくひかり」「おおいわせ」あと非常に僅かな面積ではありますが「さやまかおり」もあります。
その中の一つ「おおいわせ」は名前に”わせ”と入っているように、早生に分類される品種となっています。
早生と言うのは、生育の特性で品種を分けた時のグループの1つです。
お茶の場合は「やぶきた」を基準として、早く芽が伸びて来るものを「早生」同じくらいの物を「中生」遅いものを「晩生」として分類していますね。
「おおいわせ」はうちが栽培しているお茶の中で唯一の早生品種という事もあり、最も早く芽が伸び始め、一番茶も二番茶もシーズン初日に収穫を行う事が出来る先陣を切る品種となっていますね。
お茶の芽も「やぶきた」より少し大きく膨らんでいるように思います。
栽培の拡大を考えてみる
「おおいわせ」は味はバランスが良く特に嫌味が無く、香りは爽快感がありお茶らしい香りがしっかりと漂ってくるお茶です。個人的に好きなお茶なのですが、早生品種という事もあり霜の影響を受けやすいという最大の難点があります。
基準となる「やぶきた」より萌芽が10日ほど早く始まるため、どうしても寒の戻りの影響を受けてしまう事があるのです。上河内地区で「やぶきた」の萌芽が始まるのは大体4月上旬、「おおいわせ」は3月下旬頃になります。
たったこれだけの期間の違いではありますが、この間に冷え込みが厳しくなりキツイ霜が降りる事があるため「おおいわせ」だけ霜の影響を受ける事があるのです。早生品種にとって冬寒くなるのは全く問題ないのですが、春先に霜が降りたり寒の戻りがあるのが厄介になりますね。
そのため、霜の影響を回避する方法をしっかりと考えなければ、早生品種を導入したり「おおいわせ」を拡大するのは難しいかな…とも思っています。
大まかな方向性としては葉面散布やナラシを秋と春の二回に分けて行うこと、寒冷紗などの資材で被覆することなどになるでしょうか。少なくとも今よりは霜を回避する事が出来るようになれば「おおいわせ」の栽培面積を少し増やすのも良いかなと思っています。
お茶の品種はお米や果物などのようにそこまで有名なものではありませんが、品種それぞれに微妙な違いがありなかなか面白いです。